20131031

今回の会計トピックスでは、前回に続き税理士の年収相場に関してお伝えします。

※本コラムは2011年4月1日から2012年3月31日までの期間で、当社の転職サポートサービスにご登録頂きました「税理士」ならびに「税理士有資格者(税理士試験の全科目合格者)」の方々、約300名の年収データを参考としています。

前回、税理士の年収には600万円という一つの壁があることをお伝えいたしましたが、年収600万円以上の税理士の方々が勤める会計事務所についてみてみると、下記のように3つの分類に分けられることがわかりました。

1:BIG4税理士法人

税理士業界で最も年収水準が高いのは「BIG4税理士法人」と呼ばれる4つの大手税理士法人(KPMG、PwC、トーマツ、新日本E&Y)です。そのBIG4税理士法人では、20代で入社すると、年収500万円前後のスタッフ職からスタートし、30代でマネージャーなどの管理職に昇格すると年収1,000万円に到達、役員(パートナー職)となると1,500万円以上(上位の役員であれば数千万円)の年収を実現することができます。もちろん、誰でもマネージャーや役員になれるわけではありませんので、1,000万円以上の年収は簡単には実現できませんが、BIG4税理士法人に入社すると1,000万円近い年収を実現できる可能性は高く、一般的な勤務税理士よりも高い年収を得られる可能性は高くなります。

2:中堅~準大手会計事務所

BIG4税理士法人の次に年収が高いのは、中堅~準大手クラスの会計事務所になります。中堅~準大手クラスの会計事務所に関して明確な基準はありませんが、「従業員数50名以上」「複数の上場企業を顧客に有している」「税務コンサルティングを行っている」などの特徴を持ち、収益性の高い会計事務所が当てはまります。そのような会計事務所に勤務する税理士であれば500万円から700万円程度の年収が目安となり、マネージャーなどの管理職になると800万円前後となるのが平均的です。

3:専門特化している会計事務所(資産税、外資系、証券化税務など)

従業員数が多くなくとも、収益性の高い会計事務所では年収水準も高くなります。会計事務所業界では特定の分野に特化している会計事務所は収益性が高いことが多く、その中でも「資産税(相続や事業承継)」や「外資系企業」「証券化税務」に特化している会計事務所は職員の年収も高い傾向にあります。富裕層に対する資産税コンサルティング、外資系に対する英語での税務サービス、金融機関等に対する証券化税務サービスと言った専門性の高いサービスは、一般的な税務顧問業務と比較して報酬水準が高いため、それに携わる税理士の年収も連動して高くなります。 具体的な年収水準は、会計事務所によって異なりますが、各分野で5年程度の経験のある税理士であれば700~800万円程度の年収を得られる会計事務所も少なくありません。また、数は多くありませんが、少数精鋭で超富裕層や上場企業オーナー向けの資産税コンサルティングを行っているような一部の資産税特化の会計事務所であれば、年収1,000万円以上となるケースも見られます。

今回の調査に使用したデータから、年収600万円以上の税理士の方々の多くは、上記のような会計事務所に勤務されている特徴があることが改めて確認できました。

年収アップのためには専門性アップが必要

税理士になれば、一般的に500万円前後の年収が得られる可能性は高まります。しかし、勤務税理士で年収1,000万円以上の高年収を実現しようとすると、資産税や金融分野などの専門性や英語力を高めて、キャリアアップを図る必要があることもわかりました。 実際、現在の会計事務所業界では、相続税法の改正や高齢化社会の到来などを見据えて「資産税」に対するニーズや、日本企業の海外進出に伴って「英語力」や「国際税務」へのニーズが高まっており、若いうちからそう言った経験を積んでいる税理士への評価も今後は高くなっていくと考えられます。そういった分野に早くから取組んでいくことが、税理士業界での差別化につながり、年収アップにもつながるでしょう。

次回は、さらに地域別(関東・東海・関西)の年収水準についてお伝えしたいと思います。

【関連トピックス】
シリーズ「税理士の年収相場」その1 ~一般的な税理士の年収は?~
シリーズ「税理士の年収相場」その3 ~地域別に見る税理士の年収~


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