10thコラム写真

30代~40代の現役世代のご両親は、60歳を超えていらっしゃる頃だと思います。今の60歳は一昔前の60歳と比べるとまだまだ元気ですが、とはいえ突然倒れて介護が必要になる可能性は少なからずあります。もしそうなれば、その後は、慌てて施設を探すはめになり、しかしどこにも空いている施設は見つからず、なんでうちはこんな羽目になるんだろうと他人を恨むことでしょう。

実際に入所を希望するとどうなるのか?

特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(旧高齢者専用賃貸住宅)などが日本全国にあります。以前は、高齢者施設が街中にあると嫌がられる時代がありましたが、今は打って変わって街中に点在しています。誘致をしている街も出てきています。また、へんぴなところにあると家族が会いに来てくれないので住宅街でも交通の便が良い場所に建築されるのが普通になっています。

それでは、日々新しい施設ができるので、よりどりみどりで選べるようになっているでしょうか?答えはNOです。実際に聞こえてくる声は、「こんなに待機が多いとは」、「こんなに費用が高いとは」というため息交じりものばかりです。

地域差はもちろんありますが、費用が一番安くすむ特別養護老人ホームをまずは第一希望とする方が大半を占めています。しかし、特養ホームの入所待ちは、都内だと少なくて300人待ち、多いと800人待ちのようです。たいがい、受付時に待機人数を聞くやいなやびっくりして、家族も入所するご本人も気持ちが萎えます。

次に地域にある有料老人ホームへパンフレットをもらいに行くこととなりますが、入居一時金やその後の費用の金額を聞いて再度びっくりします。そして、入所施設はやめてヘルパーさんに来てもらおうという流れになります。さらに、ヘルパーさんは24時間来てくれないことを知り、デイサービスやショートステイなど馴染みのない言葉に包まれて疲れてきます。

サービス付き高齢者向け住宅は、基本的には見守りと安否確認をサービスの中心としています。介護サービスも軽度であれば対応可能ですが、重くなると退去が待っています。終の住処を希望されている方にはお勧めしません。

介護保険は普通の保険ではないのか?

介護保険ができて約14年目となり、その名前は国民の間にだいぶ浸透してきました。一般に保険は、保険事故が起こった場合に、その被保険者を救済するものです。例えば健康保険は、病気になったら安価な金額で医者にかかることができます。年金保険は、65歳になったら年金を生きている限り支給します。このように保険は、困った時に助けてくれるものなのですが、こと介護保険に限っては、そうなっていないのです。

それは、キャパシティ不足の問題のためです。介護保険はこのまま高齢化が進むと財政が持たないためなんとか老人福祉を持続させようと考案された制度です。もともとが収容人数を増やそうとする制度ではないのです。だから、費用の安い特別養護老人ホームの数はなかなか増えません。また、施設は増えても、今までのように収容人数は増えません。なぜなら、厚生労働省が強硬に個室化を進めたため、一人当たりの必要面積が多床室に比べて2倍になったからです。

介護保険制度自体は定着しつつも、その中身が良くも悪くも年々変わっていきます。介護度が低い人のサービスは特に大きく変わります。しかも、分かりにくい。高齢者が使うサービスなのに利用者は置いてけぼりです。30代~40代は親に任せておけば良いということではなく、自分に降りかかってくる問題であるという認識を持っていただければ幸いです。

介護保険については、シリーズ化して問題点と対策方法を提示していきます。

《参考記事》
■時効? 契約書? 気にしない起業家は要注意
■数年後の大学入試に簿記登場。 一生役立つ簿記の知識
■消費増税の駆け込みは実はこれから
■新卒はチャンス! 自己研鑽組サラリーマンへ 特定支出控除は絶対使うべし 
■利益確定売りとクロス取引で得して、得取れ!

藤尾智之
藤尾真理子税理士事務所 税理士 ファイナンシャルプランナー


この執筆者の記事一覧
このエントリーをはてなブックマークに追加



関連コンテンツ

シェアーズカフェからのお知らせ
シェアーズカフェでは住宅・保険・投資・家計管理など、個人のお金に関するレッスン・相談・アドバイスを提供しています。SCOL編集長でFPの中嶋が直接指導します。
シェアーズカフェ・オンライン編集長の中嶋が士業・企業・専門家向けの執筆指導・ウェブコンサルティングを提供します。

執筆者プロフィール