20140124column


2014年1月からNISA(少額投資非課税制度)がスタートしました。ニュースでなじみがある日経平均株価を投資対象としたETF(上場投資信託)の売買から入る方も多いと聞きます。そこで日経225を投資対象としたETFを売買する前に、投資の基本的な分析手法をおさらいしておきましょう。

「ファンダメンタルズ分析」とは?

株式投資には、さまざまな分析手法がありますが、その中で、特に知っておいていただきたいのが、「ファンダメンタルズ分析」です。ファンダメンタルズ分析とは、経済動向、企業業績動向などを予測した上で、株式の理論価値を計測して、売買の投資判断を下します。

例えば、ファンダメンタルズ分析に基づいて日経225のETFの売買を行う場合、まず、日経225のETFの理論価値と現在取引されている価格を知る必要があります。理論株価を出す方法はいろいろありますが、ここでは、PER(株価収益率)を用いて理論価値を出してみます。(前提として日経225のETFの理論株価=日経225の理論株価とおきます)。

PERを用いた日経225の理論株価は、EPS(一株当たりの純利益)*PER(株価収益率)であらわされます。わかりやすく言うと、EPSは、日経平均株価に採用されている225銘柄の利益をあらわしていると思ってください。

PERは例えば、10年の過去平均などで算出したりしますが、先行きへの期待や失望など、その時、その時の心理的な要因で動くことが多いものと思ってください。そうしたことを踏まえて、理論株価の算出と投資判断の例を示してみます。

(例) 日経225のEPSが1000円、PERが18倍であった場合、理論株価は18000円。

現在の日経225の株価が15000円であったなら、
{(18000÷15000)-1}*100=20% 
となり、株価の上昇余地は20%と判断し、買いを入れます。

反対に、現在の日経225の株価が20000円であったなら、
{(18000÷20000)-1}*100=-10% 
となり、株価の下落余地は10%と判断し、売りを行います。

「実践問題」

そうしたことを理解した上で、実践に使える以下の問題を解いてみてください。
問題を解きながら少しでも理解を深めていただけると幸いです。

では、問題です。

あなたは日経平均225のETFに投資を行うファンドマネージャーとして、資金の運用を任されています。
ファンダメンタルズ分析を重視し、PER(株価収益率)を用い、日経平均225の理論株価である「EPS(一株当たり利益)*PER(株価収益率)」を計算し、割安、割高を判断し、売買を行うことにしています。以下の記述から投資判断(買いなのか、売りなのか)を下してください。

日経平均225のEPSは700円、PERは20倍で現在の株価が14000円とします。日経平均225を構成しているEPSが企業業績の改善により、来年20%成長を達成し、政府が成長戦略を打ち出したことで期待が高まり、予想PERが10%上昇したとすると、来年の日経平均225の理論株価は(A)円となり、日経平均225のETFを(B)するのが望ましい。


さて、どうでしょうか?

「正解と解説」

正解は
(A)18480
(B)買い付け

です。

<解説>
来年の日経225の理論株価は、(700円*1.2)*(20倍*1.1)=18480円となり、現在の株価と比較し、{(18000÷14000)-1}*100=約28.6%の上昇余地があり、ETFを買い付けるのが望ましい。

どうでしたか?なんとなく理解が進みましたか?少しでも、みなさんの日経225ETF投資をするうえでの参考になれば幸いです。

《参考記事》
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*この記事は筆者の個人的な見解であり、筆者が所属する会社または組織の見解ではございません。また個別銘柄の推奨、商品の投資勧誘を目的としたものではありませんのでご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

中村貴司 (CIIA,CFP,MFTA)


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