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2014年11月5日のマイナビニュースによると、ビジネスパーソンのスマホ依存予備軍は7割近くもいるらしい。確かに電車に乗っている時に、ビジネスパーソンがスマホ画面を眺めている姿を良く見かけるようになった。そして同様の姿は、ビジネスセミナーにおいても確実に増えているように感じられるが、いかがだろうか?

■プレゼンの敵はスマホ?
セミナーの良し悪しはある程度聴講してみないと分からないものだ。スマホがない時代であれば、参加者も興味を持つまで我慢して聴講してくれたかもしれないが、スマホではメールも読めるし、FacebookやLINEなどで友達とコミュニケーションとれる。気になるニュースも読めれば、ゲームも楽しめるとあっては、我慢できずにスマホに手を伸ばしてしまうことがあっても不思議ではない。

一方で、講師側にとっては、参加者がスマホに気を取られることは決して歓迎することではない。参加者はこっり操作をしているつもりであっても、講師からみるとプレゼンを聞いていないことは、あからさまに分かってしまう。発表に対するモチベーションが低下することはもちろん、セミナースタッフに参加者が興味を持ってないことが可視化されてしまい、プレゼンに対して失敗の烙印を押されてしまう可能性がある。

このような状況になってくると、発表内容を充実させることはもちろんだが、スマホに興味を移させないように参加者をプレゼンに惹きつけるスキルが必要になってくる。「自分の敵は自分」という格言を聞くことがあるが、ことプレゼンに関しては、「プレゼンの敵はスマホ」と言っても良いかもしれない。

■プロの講師の持つスキルとは?
私はプロのセミナー講師のプレゼンを聞く機会が比較的多いのだが、実力のある講師は参加者の興味を惹きつけてやまない磨かれたスキルを持っている。大別すると以下の3つだ。

1.圧倒的な話すスキル
2.参加者とのコミュニケーションスキル
3.魅せるプレゼンを作るスキル

圧倒的な話術を持つ講師は、さながら人気お笑い芸人のようだ。話のシナリオが練りこまれており、人情話から役に立つ事例、失敗談など、内容が盛りだくさんな上にそれを分かりやすくかつ面白く話すのだから、参加者は最初から最後まで聞き入ってしまう。参加者の満足感も最も高いタイプだろう。

参加者とのコミュニケーション力が高い講師は、参加者からの質問に対する応答力が高い。広範な知識によりどんな質問でも適切に本質を突いた回答ができるため、質問が殺到し、セミナーは自然と盛り上がる。例え質問が出なかったとしても、講師が自ら質問を投げかけることもできるので、参加者はプレゼンに集中せざる得なくなってしまう。

魅せるプレゼンを作る講師のプレゼン資料は、私たちが思い浮かべる一般的なプレゼン資料とは一線を画している。パワーポイントの持つ一般的なレイアウトを使うことなく、多彩かつ驚きを与える画面構成で参加者の興味を惹きつけるスキルを豊富に持っている。最近では、動画を効果的に使うことでさらなる魅力向上を図っている講師もおり、そのプレゼンはちょっとした映画のようなクォリティだ。

■素人講師の取るべき対策は?
こうしたプロのセミナー講師の持つスキルは講師という職業を専門にしているからこそ、磨かれていくものであるともいえる。では、年に数回程度しか発表する機会がない素人は、どうすべきだろうか?

筆者も素人講師の一人ではあるが、経験から言わせて網羅うと、魅せるプレゼンを作るスキルを身につけることをお勧めしたい。なぜなら話すスキルやコミュニケーションスキルは、身につけることができれば頼もしい武器となるが、習得にはかなりの時間が必要だ。プレゼン作成スキルであれば、手本となるプレゼンをまねることができるし、通常業務におけるパワーポイント資料の作成にも役立てることができるからだ。

とは言うものの、魅せるプレゼンを作るプレゼンを作るスキルを身につけるには、それ相応の時間が必要だ。そこでお勧めしたいのが、プレゼンのタイトルページに凝ったアニメーションをつけるという方法だ。タイトルページは、一番最初に参加者が目にすることになるページであり、それ故にプレゼンに対する判断が最初に下されるページである。そこで参加者の興味を惹きつけることができれば、その後の発表にも耳を傾けてもらえる可能性が高いはずだ。タイトルページであれば、使いまわししやすいというメリットもある。

私の場合は、タイトルページの背景に季節を感じさせるアニメーションを表示させることにしている。春なら桜、夏なら太陽、秋なら紅葉、冬なら雪といった具合だ。

先日の発表でも、発表前に紅葉のアニメーションをタイトルページに表示させておいたところ、参加者がびっくりした表情で、スクリーンを見つめていた。おかげでプレゼンも滞りなく終えることができ、発表内容についても満足いただいた上に、何人かからはどうやってアニメーションを作成したのかと質問されるという思わぬ副産物もあった。試していただければ幸いだ。


《参考記事》
■あなたの会社にもいるかもしれない?ビジネスメソッドマニアに気をつけろ!(村山聡 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/40838018-20140914.html
■メジャーで最も不運な投手?黒田博樹の安定力(村山聡 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/40241196-20140808.html
■ダルビッシュが異議を唱える100球制限の根拠PAPとは何か?(村山聡 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/39968949-20140721.html
■平均値をウソつき呼ばわりするのは、もうそろそろ終わりにしよう。  村山聡
http://sharescafe.net/39363307-20140614.html
■「飲み会は残業代出ますか?」と聞く前に新入社員が心得ておくべきこと 村山聡
http://sharescafe.net/38576145-20140430.html

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