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先日、ある大手企業の子育て中の女性社員の皆様への講演の機会を得て、行ってまいりました。子育てをしながら働くようになると、体力気力ともに思った以上にパワーが必要で、それぞれ悩みを抱えるものです。そんな、今一生懸命子育てしながら働くみなさんと共有したい、「小さな乗り切るコツ」をお伝えしたいと思います。キーワードは、「ちょっと先を見る」です。

■子供の成長につれて生まれてくる時間。そのとき、「次にやること」を考えておく
子どもがまだ乳幼児の時期、育休明けにすぐに熱で保育園から呼び戻されたり、土日は子どもと丸一日一緒にいなくてはいけなかったりという日々になります。自分自身の時間がとれないことも多く、このままこんな日々が続くのかしら・・・と茫然としたことがある方も多いのではないでしょうか。私自身も、小さな子どもふたりの手を引いてスーパーで歩いていた時、ご婦人から、「大変でしょう。でも、今が一番よかった、ってあと5年たったらよくわかるわよ」と言われたことがあります。ご親切に言っていただき、今ならまさにそうだと思えるのですが、当時の私にはその5年がまるで永遠のように感じられたものです。

子どもは成長します。私自身も、そのことに、子どもが小学校中学年にさしかかったときにはじめて気が付きました。土日は子どものことで手いっぱいになる、という思い込みで動いていたのですが、気が付けば友だちと彼らの世界が少しずつでき始めていて、少しずつ自分だけの時間を取り戻せることに気が付きました。

来るべきそのときのために、「自分の時間がちっともない!」と思っている今、できることは、「時間ができたらやりたいこと」をリストアップしておくことです。半日、あるいは一日、自分で自由に使える日があったら何をするか、ということを考えてメモしておくとよいでしょう。もちろん、楽しいプライベートでのことでもいいですし、次の項目にあるように、仕事を意識したことを書いておくとキャリアアップにもつなげられて一石二鳥です。

■両立支援制度の利用のみならず、適切なキャリア支援を積極的に受け、提案する
企業では、一般的に、女性活躍推進のために2つの側面からサポートを実施しています。ひとつは仕事と生活との両立支援、もうひとつがキャリア支援です。

これまでは、制度を整えることに重点が置かれていたこともあり、主に休暇制度などで、前者のほうがクローズアップされがちでした。両立支援では、いかに働く時間を短くして、休みを長くとれるようにするかに重点が置かれていることが多いものです。もちろんそれも重要なのですが、もとはといえば、産休や育休も、仕事との両立支援のための「準備」期間である、というのがその趣旨です。

大事なのはそれぞれの人のペースで育児をしながら仕事を続けられるということであるはずです。事実、ダイキン工業株式会社のように、「出産後6か月以内に復職する女性に対して、一年目の保育補助の金額を増額する」といった、キャリアを積極的に積み上げようとする女性を支援する制度を導入する会社もあります。

企業側には、子どもと一緒にいる時間をたくさんつくって「あげよう」ではなく、社員にいかに長くそれぞれのペースで働いてもらうか、ということに注力し、本当に社員が望むキャリアアップ支援をお願いしたいと思います。企業研修の企画段階では、「まず女性が本当に何を会社に望んでいるのか知りたい」との声もよく耳にします。女性社員の側から、企業に対して、こんなふうにキャリアアップを支援してほしい、という具体策を提案していくことも必要です。

女性社員の側が自分でできることとしては、社内の業務を見渡して、自分がやってみたい仕事を把握しておく、あるいは、その仕事をするために必要な技術や資格があればそれを習得するための時間をつくる、さらには、そのつきたい仕事に実際つけるように社内人脈を作る、などいろいろあるかと思います。いずれも、大変な「今」から目線を移し、少し先の「自由な時間が少しずつ増えてきたらチャレンジしたい仕事」を視野に入れて行動することで、働き続けられる可能性が高まります。

■まとめ
働き続ける道は、以前に比べれば大分、見通しがつきやすくなってきています。先日の講座でも、お子さんが中学生になった女性社員の方が、「仕事でまたチャレンジしてみようと思う」というお話をされていました。今の大変さがずっと続くわけではありません。「ちょっと先」に視線を移し、どうなりたいかを想定しておくとともに、情報を集め、女性社員の側からも積極的に企業側にキャリア支援策を提案してみましょう。採用され、後輩の女性たちの道が拓くかもしれません。

《参考記事》
■「大丈夫」じゃないのはお母さんだけじゃない。 (小紫恵美子 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/42520618-20141222.html
■2015年は長時間労働崩壊元年に(小紫恵美子 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/42734491-20150104.html
■「女性活躍推進」すら着手しない企業で成長はムリ。(小紫恵美子 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/42290659-20141208.html
■「ニッポンのお母さん」はレベル高すぎ?OfficeCOM(小紫恵美子)ブログ
http://officecom-ek.com/?p=206
■結局「女性活用」って何すればいいの? 小紫恵美子
http://sharescafe.net/38770445-20140511.html

小紫恵美子 OfficeCOM代表 中小企業診断士


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