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みんなが知りたいお金の話、知っておくべきお金の話。岩瀬大輔が「お金のプロフェッショナル」の方々に、直接インタビューしてまいります。今回はメガバンク元支店長の菅井敏之さんにお話を伺いました。


■年収1,000万円でもローンを返せなくなる人たち
岩瀬:本日は、元メガバンク支店長、そして現在はアパート経営や喫茶店経営をされている菅井敏之さんにお金にまつわるお話を伺いたいと思います。菅井さんはまさに人気ドラマ『半沢直樹』の世界を渡り歩いてこられたわけですが、今年3月に出版された『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)という本がすごく売れていますね。現在も主要な書籍ランキングでビジネス書部門1位だとか。ここで紹介されている「お金を増やす25の法則」というのは、やはり銀行員時代に発見されたものですか?
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菅井:そうですね、銀行員としての経験がベースになっています。私は銀行員として、お金を上手に貯めていわゆる“小金持ち”になられた方をたくさん見てきました。一方で、ローンを返済できずに破たんしてしまった方も大勢見てきました。成功者、失敗者のどちらにも、共通法則のようなものがあるんですね。それを経験的なこととしてまとめたものが、その本です。

岩瀬:例えばローンを返せなくなる方って、どんなふうに失敗してますか?

菅井:収入が減っているわけでもないのに破たんしてしまう人を多く見ました。そういう人は浪費癖があって、出ていくお金をコントロールできていません。そして多いのは借金を重ねてしまうケース。実は借入金額の大きさよりも、借金の本数が問題になります。何本も借金を重ねているうちに資金繰りがつかなくなって、最終的には手取り収入を全部返済に回すようなことになってしまうんですね。年収1,000万円以上の人でも、住宅ローンや学資ローンなどどんどん本数を増やして破たんしてしまう人はいますよ。

岩瀬:僕も気をつけないといけないですね……。どうやったらお金はうまく貯まりますか?

菅井:実に単純な話です。入ってくる金額よりも少ない金額で毎月を暮らすということです。小学生でもわかることなんですが、それを実践できる人は少ない。「身の丈にあった生活」をすることが大事です。

岩瀬:菅井さんも若い頃からそういう生活をされていたんですか?

菅井:いえ、若い頃はあるだけ使っていました。「メガバンクに勤めているんだから老後も大丈夫だろう」と高をくくっていたんです。でも多くのお客様と接しているうちに、どんなに収入のある人でも節制をしないと金融資産が残らないということを知ったんです。それからは節約生活も板について、車は友人から安く譲り受けた中古車にずっと乗っていました。近所でも目立つくらい古かったので、うちの息子は周りと比べて「どうしてうちだけ貧乏なんだ?」と思っていたはずです(笑)。


■メガバンクだからっていいわけじゃない?
岩瀬:菅井さんの本、面白いことがたくさん書かれていますね。新社会人になって口座を開く時なんかは、みんな何も考えずにメガバンクにしていますけど、菅井さんは「信用金庫に開くべき」だとか、意外なことを述べられている。メガバンクに対する批判めいたことも、あまりに正直に書かれているんで元同僚の方から怒られなかったか心配ですけど……。
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菅井:銀行には25年もお世話になっていたわけですから、言ってみれば裏切り行為ですよね。当然批判されることもあります。でも本当のことを誰かが言わないといけない。信用金庫でコツコツ貯めていれば信用も高まっていくけど、メガバンクでコツコツ貯めていても信用は高まらない。いくら給与振込み用のメインバンクに使っているからといって、メガバンクは簡単には貸してくれませんよ。その点、信用金庫なら信用を築きやすいし、VIP扱いされやすい。後々独立するかもしれない時のことなどを考えると、若い人のメリットは多いですよ。

岩瀬:そういうことは、普通の人は意外に知らないと思います。単にお金の増やし方をこの本に書いたのではなくて、随所随所に銀行に対する問題提起も散りばめていたわけですね。菅井さんが一番問題だと思われていることは何ですか?

菅井:カードローンですね。銀行は金融のプロと言いながら、結局自分たちが儲けることが第一になってしまっているんです。一年ほど前の話ですが、渋谷駅の改札を出た瞬間、私は銀行員としてとても大きなショックを受けました。あらゆる方向から、いわゆるサラ金の派手な看板が視界に飛び込んでくる。「○○ファイナンシャルグループ」とメガバンクの冠を付けて、いかにも安心できるサービスのように思い込ませていますが、当然、お金を借りることにはリスクもありますよね。そういったところは金利も高い。看板自体に悪意があるわけではありませんが、渋谷という街を考えてみてください。若者の街です。まだ金融リテラシーの低い人たちがそういう看板を当たり前のように見て、そして実際に、よくわからないまま利用している。「これってどうなのよ?」と、疑問を持ったんです。
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岩瀬:銀行マンとしての正義感がそこでメラメラと燃えたんでしょうね。息子さんには、金融教育のようなことはされているんですか?

菅井:それがちょうど、息子は渋谷を歩く若者たちと同じ、20代前半なんです。まさに金融リテラシーの身につけなければならない時なんですが、親子でそういう話をする時間がなかったので、この本は自分の息子に宛てたものでもありました。本一冊分の話を口頭で伝えようと思っても、なかなかできないじゃないですか。でも本なら、全部を伝えられる。金融には表も裏もあるから、その両方を知って、賢い行動をしなさい、と。そういうメッセージを込めています。


<プロフィール>
菅井敏之(すがい・としゆき)
1960年山形県生まれ。県立山形東高等学校、学習院大学を経て、1983年4月三井銀行入行、個人・法人取引およびプロジェクトファイナンス事業に従事。 京都支店副支店長、金沢八景支店長、中野支店長を歴任後、独立。現在は不動産賃貸事業、トランクルーム事業等の実業を展開中。 6棟のオーナーとして、年間7,000万円の不動産収入がある。 また、2012年には東京の田園調布に「スジェール コーヒー」をオープン。著書『お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)が累計23万部を突破(2014年11月)。


【参考記事】
■新人に教えたいビジネスメール3つの基本 | ライフネットジャーナル オンライン
http://media.lifenet-seimei.co.jp/2015/04/07/2976/
■いつもより30分早く帰宅する!ビジネスメール術5選 | ライフネットジャーナル オンライン
http://media.lifenet-seimei.co.jp/2015/04/14/2966/
■メンタルの救世主になりたい?!キャリアカウンセラーが教える「カウンセラーに転身する方法」(後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/44287134-20150415.html
■新人配属の季節。この機会に先輩社員も○○をリニューアルしよう (小紫恵美子 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/44247703-20150413.html
■グーグルはなぜ新入社員に1800万円の給料を払うのか? (中嶋よしふみ SCOL編集長)
http://sharescafe.net/44175529-20150408.html

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