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ベトナムはもの凄く親日国です。

日本人の印象と言えば「勤勉で」「礼儀正しくて」「知性がある」とポジティブな言葉ばかりが並び、ソニーのブランドイメージは東南アジアのどの国よりも高く、行きたい国は?と尋ねれば「日本」と口を揃えるような、日本人であるこちらが申し訳なくなるほどの素晴らしいイメージを日本に持っています。

■ベトナム人がつき合いたいのは何国人?
それでは、日本人もさぞかしモテる筈となりそうなのですが、実際はどうでしょうか?「つき合うならやはり日本人!」という声を期待して500人のベトナム女性に聞いてみました。

結果は以下の通りです。
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韓国人にダブルスコアをつけられてのまさかの惨敗です。

「日本人が良い」と言ってくれた人の理由を見てみると「誠実」「正直」「真面目」「頭が良い」等の言葉が並びます。一方で「韓国が良い」と回答した人々が口を揃えて理由に挙げていたのが「ハンサム」「美しい」といったものです。日本に対してのもの凄くポジティブな印象は、いざ恋愛となるとどこかにいってしまっったようです。何故でしょうか。

この違いが産まれる根源は韓国エンターテインメントの影響です。

■「つき合うならば韓国人、日本人はお父さん」
以前のコラムでも述べましたが、ベトナムは韓国エンターテインメントがもの凄く浸透しています。例えば、2011年〜2013年にベトナムで放送された韓国ドラマの数は52本と、日本のドラマの8本のほぼ6倍。一方で、日本のドラマというと未だにベトナム人の頭に浮かぶのは未だに「おしん」です。またベトナムの化粧品売場やファッションサイトでは如何にも韓流ドラマから飛び出した男女のモデルの写真が並んでいます。これら韓国エンターテインメントの影響で、ベトナム人は「ハンサムでロマンティックな韓国人とつき合いたい」になってしまっているのです。あるベトナム人の女の子が「つき合うならば韓国人、日本人はお父さんの感じ」と言っていましたが、現状をかなり良く言い当てた例えです。

「クールジャパン」であっても、「クールジャパニーズ」ではないのが今のベトナムです。特に日本人が韓国人よりもモテないことを卑屈に思っている訳でもないのですが、日本人はクールでないと思われる事で機会を失っているビジネスがあるのではないかと思います。顕著な例がファッション業界です。

■ベトナムで「クールジャパニーズ」になる日
例えば、ベトナムのモール等に進出している日本のファッションブランドの店舗は賑わう日本食のコーナーを尻目に週末でもガラガラですし、ベトナムでも日本の女性誌が翻訳されて販売されてますが売上はかなり厳しいようです。当社のベトナム人スタッフに日本のファッションについて聞いてみたところ、韓国ファッションと比べて日本ファッションが如何に退屈かを半分当たっていない分析とともにとうとうと述べられてしまいました。

商品の好みの問題も当然ありますが、ファッションや化粧品等の分野は「その国の人がクールである」ということが購買に大きく影響を与えてくる分野です、日本のブランドは商品の質は高く潜在性はありながらも、関心の範疇になかなか入れず、機会損失をしてしまっている部分も多くあります。韓国はその点国を挙げてのイメージ作りが本当に上手です。

僕もアジアを中心に色々な国で仕事してきましたが、ベトナム程の親日国はなかなか無いと思います。「日本人はクールだ」と思われるようになれば、この国でのビジネスの可能性は一層広がるのではないかと思います。

【参考記事】
■知っている日本人は「安倍首相」と「小澤マリア」。日韓ドラマの差が与えるベトナムビジネスへの影響
http://sharescafe.net/43915341-20150324.html
■半数がスッピンで会社に通勤?・・ベトナムの化粧事情
http://sharescafe.net/43459871-20150220.html
■ベトナムで起業した僕がソニーとユニクロで学んだ事(黒川賢吾 経営者)http://sharescafe.net/42171459-20141201.html
■パトレイバーから考える、景気対策と住宅購入。 ~バビロンプロジェクト、再び~
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/41932855.html
■年収2200万円でも、繰り上げ返済で破綻リスク?
http://blog.livedoor.jp/sharescafe/archives/38502550.html

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