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ゴールデンウィーク明けに、国税庁のホームページ上に「相続税の申告要否判定コーナー」が開設されました。

この背景には平成27年の1月1日から相続税の基礎控除が大幅に下がり、今まで相続税を支払う対象でなかった人もその可能性が出てきました。このシュミュレーションはそういった納税者の不安を取り除き、将来において相続にどう向き合っていったらよいかを知ることができます。

■備えあれば憂いなし?
死は予期しない時に起こるものです。だからこそ、その為に「備えあれば憂いなし」

通常、生命保険に入ったり定期預金をしたりしますが、せっかく残した財産なのに残されたご家族のだれからも発見されずに期間満了によってその金融機関のものになってしまったり、死亡保険金が支払われなくなったりという残念なケースも出てきます。何のためにかけていたのか本末転倒になってしまいます。

相続税の申告をする人に至っては、申告漏れといって税務職員は職権でその相続人が持っていた財産を調べ上げ、申告していないものに追加で税金を納めることを要求してきますし、名によりその延滞金も馬鹿になりません。

相続税の申告は複雑なので、知り合いの税理士さんにお願いするとか、葬儀社や銀行などの紹介の税理士にお願いするというケースも少なくないと思います。預金関係の書類や生命保険金の証書を渡すだけで税理士は出された書類の中で計算をして相続税額を出します。長年関与されてきている税理士さんなら遺産がどれだけあるか分かっているケースもあるかと思いますが、お家の中を捜して遺産の調査をするのはまずご家族のお仕事になります。

■遺産の手がかりは日常生活の中にある
近頃は両親と同居する人は本当に少なくなりました。同居していないならなおさらですが、亡くなった家族の預金がどの銀行にいくらあるのか、保険契約がどのくらいあるのか?詳細が不明な遺産の調査というと、まるで雲をつかむような困難な作業に思えます。でも実際には地道な請求の積み重ねで手がかりを得ることができます。

まずは初級編ですが、土地や建物などは、市町村から送付されてくる固定資産税の納付書などから、また預金や株などは送られてくる郵便物から口座が存在することを推測して連絡を取ることができます。

保険に入っているかどうか・・・。これはかなり難解な問題になります。払い込みが完了すると連絡も来ないこともしばしば。また、本人がコッソリ入っているということも意外とあります。生前、人には自分の資産がいくらあるのかを全く告げずに亡くなってしまった。同居していてもそんな人も結構います。ただし、日常生活のある事柄からヒントを得ることもできます。

父親が亡くなり、相続財産を探しているという人と何気なくお話をしていた時のことです。「以前加入していた○○保険の人が、年の瀬になって次の年のカレンダーを置いていった。保険の契約もしていないのに。」と仰っていたので、私は「この世知辛い世の中、お客さんでないおじいさんにカレンダーをわざわざ置いていく保険会社はないと思いますよ、一度ダメもとでもいいからご連絡をとってみてはどうですか。」と言っておきました。

後日、連絡をとった知人は案の定父親が保険に加入していたことが分かり、保険の受け取りの手続きをしたとの連絡がありました。

死亡保険の保険金の受け取りにも時効があり、加入している保険に定められている決まり事(約款)にも書かれていますが、多くの保険は死亡されてから3年が経過すると保険金の請求権は消滅することが定められていますので、せっかくかけていた保険が受け取れなくなってしまうというケースも多いのではないでしょうか?

■思い込みを捨てることの大切さ
上記のカレンダーを置いていった保険会社の件は、父親が残した書類の中に保険解約の書類があったために「もう保険は解約済みなのだろう。」と思いこんでしまったとのことです。解約書類があるからもう保険には入っていないだろうと簡単に判断しないで、電話1本かけてみることです。違う保険に入っている、また入り直している可能性もあります。よく仕事をして思うことですが、お客様から聞いたことと、それに関して取り寄せた書類が違っていることがあります。

■お持ちの資産の見直し、してみませんか?
相続税の基礎控除も下がったことから、財産や相続についての計画を立てるといったいわゆる「終活」が盛んになってきています。これからも「お墓を買う」、ご自身が入所する有料の施設を決めるなど「自分のことは自分でする」といった方がまずます増えてくるでしょう。

その中でも、ご自分の資産の亡くなった後の分け方を書き残す遺言も大事ですが、ご自身の財産がどこにあるのかのメモ書き1枚で、残された家族の財産を見つける苦労を軽減することができます。

パソコンが急速に普及し、様々な会社が郵送費・宣伝費を安くするためにインターネットで取引するようになったため、一緒に住んでいても家族の方の取引が分からないケースが増えつつあります。来年から施行されるマイナンバー制度は、こういった個人の資産にどう関わってくるのか興味深いところです。

ご自分の資産を定期的にリストアップすること。もちろん「残す」目的でなくて、ご自分で使う目的でも構いません。定期的に自分の資産を見直すきっかけにもなりますので一度作成してみたらいかがでしょうか?

【参考記事】
■扶養親族15人。税金を取り戻す手段であるけど、これって節税対策?(浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/44076796-20150401.html
■大人の租税教育のすゝめ (浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/43139979-20150130.html
■高齢者はお金持ち?詐欺集団だけでない、その資産に目をつけているのは、、(浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/43017490-20150122.html
■進む医療、広がる医療費控除~確定申告医療費の行方(浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/42332324-20141212.html
■消費税増税で支給された臨時給付金の実情(浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/41787425-20141108.html

浅野千晴 税理士




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