記事1
先日子どもの保育園の保護者懇談会に出席した。2時間余りにわたって行われる懇談会は、普段時間に追われお互いに話す暇もない保護者同士の憩いの場となっている。

■ママ友トークのノリで会話が進む
出席者は9割方ママであったが、昨今の「イクメン」ブームも追い風になってか、パパが出席しているケースも見受けられた。とはいえ、担任の先生たちもみな女性。話し合いはさながらママ友トークのノリで進んでいく。

顔見知りも少ない筆者としては(育休中の妻に送迎をおねがいしているため、他のママさんと話す機会がないのである)、フンフンと聞き役に回っていたのであるが、ふとあることに気付いた。彼女らの話には「結論がない」のである。

担任が「最近育児で悩んでいることはありますか~?」とお題を振ると、あるママさんから「うちでは気に入らないことがあると癇癪を起こして~・・・云々」とのご発言。「あー、そうですかぁ、保育園ではそんな様子はないですけどね~・・・同じような経験のあるお母さん、どうですかね??」(あえて?答えは示さない)と担任。別のママさんが「うちでは癇癪を我慢できたらご褒美にシールを1枚~・・・云々」などと話が展開していくのだが、ポンポンと話が展開していくうちに、肝心の「癇癪を起こす子どもへの対応」はどこへやら、気づくと、「育児に非協力的な夫への対応」など別の議論が始まっていることもしばしばであった。

■結論を求める男性、話してスッキリな女性?!
議論を改めて振り返っても、問題に対する結論は殆ど出ていなかったように思う。とはいえママさんたちは皆一様にスッキリとしたご様子。子どもが癇癪を起こさない方法に関する結論は得られなかったのにも関わらず、である。

一方筆者はといえば、なにやら分かったような分からんような議論にモヤモヤ。このモヤモヤ感はなんなのだろうか。以下に筆者なりの私見を述べたい(※以下はあくまで一私見である。悪しからずご了承願いたい)。

一般に、ビジネスにおける男性の会話には、結論が求められる傾向にある。プレゼンも然り、最初に結論を提示し、以降プロセス等周辺事情を説明するのが定石だ。ビジネストークやディスカッションには「感情」など不要、データに裏付けられた結論が重要視される。部下の指導においても同情や共感は相手のためにならない。客観的な目標が達成できなければ理由を問わずハッパをかけるのみ。

一方、女性たちはどうだろうか。同僚が上司に怒られたりしようものなら、その原因は置いておいて、怒られた同僚への同情(励まし)、感情的すぎる上司の叱責に対する批判、果ては「あの上司、昔△△課の○○さんと不倫してたのよ!」などという豆知識を、瞬く間に社内に拡散させてしまうバイタリティを持ち合わせている。

換言すれば「結論を求める男性、話してスッキリな女性」と言えなくもないであろう。

■男女別「話の聴き方」のススメ
多少の暴論はご容赦いただくとして、ビジネスシーンで男女別の話の聴き方を意識しておくのは有用だ、と筆者は考えている。

たとえば部下からの込み入った相談があったとしよう。部下が男性か女性かで、初動が大きく異なってくるかもしれない。同じ「パワハラ上司」への対応に関する相談だったとしても、男性部下は「具体的に会社がとってくれる対応はなにか?異動希望は叶えられるのか?もう会社を辞めるしかないのだろうか?」等と問うかもしれない。

一方、女性部下は、一見男性部下と同じような趣旨の発言はするかもしれないが、「話を聴いてくれてスッキリした、事を大きくするつもりはないのでこれで結構です」と言うかもしれないのである。

このような場合、男性部下の訴えに対して「気にするな、お前の出世にかかわるぞ」と具体の対応をとらなければ、彼は即労基署に駆け込むかもしれない。女性部下の訴えを話半分で聴き、先走って社内の調整に走れば「こんなつもりじゃなかった!とても会社にはいられない」と更なるクレームを受けるかもしれない。

兎にも角にも「相談者のニーズを把握する」ということに尽きるわけであるが、その一方策として性別差に着目するのは悪い視点ではない。さらに、同じことは家庭でも言え、例えば妻の相談(愚痴)に対していくら具体の方策を提案しても納得を得られない事は多いだろう。否定も提案もせずに、まずは「そうかそうか、○○のことで悩んでいるんだね」等と妻の感情を受け止めることから始めてみよう。もしかすると翌日の夕食はいつもより豪華な内容になっているかもしれない。

【参考記事】
■メンタルが限界だと思ったら誰に相談すべきか?!-良いカウンセラー・悪いカウンセラーを見分けるポイント-(後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/43348690-20150212.html
■メンタルの救世主になりたい?!キャリアカウンセラーが教える「カウンセラーに転身する方法」(後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)http://sharescafe.net/44287134-20150415.html
■「うつ」は「うつる」のか-職場でメンタル不調者が発生したときに考えるべきこと-(後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/44493262-20150428.html
■たかまつななさんの東大大学院合格に感銘を受けながら、社会人が大学院に入学することのメリットを考えてみた(後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/44721837-20150513.html
■大学で簿記3級を教える事は正しい。 (中嶋よしふみ SCOL編集長)
http://sharescafe.net/41604444-20141029.html

後藤和也 産業カウンセラー キャリアコンサルタント


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