年収格差が広がる士業。勝ち組になるには?

近年、公認会計士や税理士、弁護士といった難関資格を取得したのにも関わらず、十分な年収を得られていない方が増加しています。管理部門やスペシャリストの特化型エージェント株式会社MS-Japanの独自の調査では、現在登録をしている公認会計士1,989名中、年収400万円以下の方は98名(2015年7月現在)、税理士に関しては1,266名中、256名の方が400万円の壁を越えられていないことが判明しています。
一方、同調査によると年収800万円以上の税理士は342名、年収1,000万円以上の公認会計士に関しても418名と“高水準な報酬を得ている方も少なくない”ことが分かりました。このように年収格差が生じている士業で、勝ち組になるためには一体何が必要なのでしょうか。

■10年~20年先の目標年収を立てること
まず、年収面で勝ち組になる為には、自身の生涯年収を想定したキャリアプランニングが必要です。
例えば、税理士であれば20代で400万円、30代で600万円、40代で800万円、引退までに1,000万円を目指すといったような年収UPのシナリオを描く必要があります。公認会計士に関しても同じく、自分自身の年齢と目標とする年収水準を明確に描く必要があるでしょう。
また、上記のように年収UPのシナリオを描けるようになると、その目標が現職で実現可能なのかが見えるようになります。そして、現職では目標とする年収水準が叶わないということが分かった場合は、どのような業界であれば目標が叶うのか、正確に情報収集する必要があります。

※具体的なデータに関しては、下記の記事にてご確認下さい。

公認会計士のキャリアと年収について

税理士のキャリアパスと年収の関連性

■年齢に応じて求められる要素は変化する
次に意識をしなくてはならないのが、年齢を重ねるに連れて求められるスキルや能力が変わるということです。この点は、意外にも有資格者の方の中でも意識できていない方が多いようでした。
例えば、個人会計事務所に勤務する方ですと「営業は所長が対応、実際の会計処理と顧客対応は自分自身で」という形態が多いと思いますが、そのような形態の場合、組織内に部長や課長、係長などの明確な役職が存在していない可能性が高いです。つまり、絶対的な権力やマネジメント権限は所長にあるために、10年先、20年先も職員はマネジメント経験を積まないまま歳を取ってしまうことになります。その他、営業力や交渉力に関しても同じことが言えます。

つまり、あなたが年収面で勝ち組になりたいと思うのであれば、「技術力」に加えて「マネジメント能力」「交渉力」「営業力」を身に着ける必要があるのです。そして、そういった能力こそ職業会計人としてはキャリアの後半戦で求められることになりますので、事前にそのような能力の基盤を作ることが出来る環境を選んでおくと良いでしょう。

■35歳までにどれだけ努力するかで生涯年収は変わる
会計業界で年収の勝ち組になるには、やはり35歳までに人並み以上の努力をするべきだと思います。人並み以上の努力と聞くと、「昼も夜も馬車馬のように働くの?」といったイメージを持たれる方も多いかと思いますが、そういったことではありません。むしろ、働く時間よりも働き方の質が重要なのです。
例えば、“新しい仕事に挑戦”をする、“難易度の高い案件に携わる”また“最新の法律や判例をインプットする”という当たり前のことを徹底する(且つ継続する)ことで、働き方の質は向上していきます。

特に財務会計・税務領域の専門家であれば、基本的な実務(会計監査や税務申告書)はもちろんのこと、その業界で最新の事案に触れることが非常に大切です。また、最新の事案というのは日々のルーティン業務ではなく、スポット業務(コンサルティング要素あり)である可能性が高いです。つまり、公認会計士や税理士の皆様が“今”意識をしなければならないのが、同じ資格保有者と『どのように差別化を図るか』なのです。

35歳までに周囲よりも特殊な経験やスキルを多く得られた方は、高い確率で今後も高単価で難易度の高い案件に触れる機会が増すと考えられます。そうなれば、勝ち組になるためのパスポートを得たと言えるでしょう。

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(文/株式会社MS-Japan シニアコンサルタント 高橋良輔)


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