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かつて有吉弘行さんとともに「猿岩石」として活躍した森脇和成さんが、芸能界に復帰したという。猿岩石といえば、伝説のバラエティ「すすめ!電波少年」の企画にて、ヒッチハイクでユーラシア大陸横断という偉業を達成し、一躍時の人となったお笑いコンビである。当時、彼らの冒険劇に、テレビの前でくぎ付けとなっていた方も多いのではなかろうか。

■芸能界復帰の経緯とは
今回の芸能界復帰に至ったきっかけは、テレビ朝日「しくじり先生」出演であったという。「根気がなくて芸人を辞めちゃった先生」と題した回において、森脇さんは猿岩石解散後、自身の根気のなさから複数の職を転々としていたことを告白し、さらには現職もやめてしまったことを告白した。

しくじり先生効果があってか、ほどなくして芸能界復帰を果たした森脇さんであるが、ネット上の反応は芳しくないようだ。タレントの土田晃之さんも、「芸能界をなめるな」という趣旨の発言をしているように、決して歓迎ムードではないように思われる。報道を見る限り、元相方の有吉さんとの共演の予定はないようであり、すべては今後の本人の努力次第というところだろうか。

■森脇さんバッシングへの筆者の見解
以上のように、森脇さんの芸能界復帰に際しては、「サラリーマンも務まらない人間に、芸能人が務まるのか」「大した努力もしないで有吉さんにぶら下がりながら食べていくつもりなのか」の2点に集約されるように思う。

まず1点目であるが、筆者は複数の職業に従事した森脇さんの経験値に注目したい。一部報道によれば、森脇さんは自らホストクラブを経営し、直近では貿易会社に勤務するなど、実に様々な職業を経験してきたようだ。(仮に失敗していたとしても)経営者・求職者・勤め人など、様々な立場を経験したことは疑いようがない。人を使うことの難しさや、逆に人に使われることへの葛藤等、終身雇用的な勤務をするサラリーマンにはできない経験を経てきたと推察される。

加えて、長続きしなかったとはいえ、複数の職にありつけるバイタリティと人脈。あまり悪びれる様子もなく芸能界復帰をされた姿をみれば、いい意味での厚かましさをも持ち合わせているようだ。

これらの経験値は、芸能界という荒波を超えていくのに十分な資質であると考えるのは買いかぶりすぎであろうか。

2点目については、確かに相方を置いて一人引退してしまった経緯を考えれば、元相方へのぶらさがり商法はいかがなものか、と感じる。しかしながら、レイザーラモンのHGとRGの関係性のように、先に一人で大ブレイクした相方(HG)に対し、プライドを捨てキャラをかぶせるという寄生行為を行ったRGが、長い目で見れば異色の存在感を放ちつつ、相乗効果的にコンビの知名度を向上させている例もある。

正直、森脇さんの芸人としての技量は未知数であるといわざるを得ないが、芸能人としては異色のサラリーマン経験をフルに生かして、「有吉の元相方芸」からの脱却を図る必要はあるだろう。とっかかりはともかくとして、本人の力量が試されている。

■ビジネスマンが学びたいスキルとは
繰り返しとなるが、森脇さんの強みは、(本人は根気がないだけと話しているが)見込みがないと思ったら即転身を図るバイタリティと、なんだかんだと支援者が現れる人間性、そしてなによりもなんらの抵抗もなく、捨て去った古巣にちゃっかり戻ってくる厚かましさであると筆者は考えている。

英国のことわざで、「A rolling stone gathers no moss(転がる石には苔が生えぬ)」というものがある。英国では「職業や住まいを転々とする人は成功できない」という意味で使われる。一方米国では「活動的にいつも動き回っている人は能力を錆びつかせない」という意味で用いられる。森脇さんのバイタリティは、実に後者の意味ではないかと考えるのだ。

「石の上にも3年」とは、わが国で好まれて使われることが多い。つらくても辛抱して続ければ、いつかは成し遂げられるということであるが、昨今問題となっているブラック企業に勤務している場合は、3年も勤務したら心身ともに疲弊してしまうのは間違いない。昨今のわが国の労働環境を考えれば、本当につらければさっさと逃げる森脇さんのようなフットワークの軽さも、時に必要なスキルだと思われる。

社会人として忙しく過ごしていると、とかく他人の支援は遠慮しがちになる。特にわが国においては、人の世話になっている間は一人前ではないという意識が強い。ある意味で美徳といえるこの意識が、時に生活保護制度の正当な利用を妨げてしまう心理的なハードルとなり得る等弊害もある。「誰かに助けてほしい」と考えたときに、誰彼かまわず助けを求められるある種の厚かましさを持ち合わせていれば、職場でうつになるまで働き続ける人も減るかもしれない。

当然、いつでもそのような姿勢では身に付くキャリアも身につかないこともあるかもしれないが、「辛いときは逃げる」「できないときは助けを求める」等は、適切に用いることを前提にすれば、現職のビジネスマンにも必須のスキルだ。森脇さんの今後の活躍を祈念しながら、筆者もそのようなスキルの向上を図りたいと考えているのである。

【参考記事】
■山本耕史流アプローチがストーカーとならない理由。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/46042230-20150825.html
■頑張る人、嫌いです。(後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/45706981-20150727.html
■組織トップのメンタルケアが急務な理由。(後藤和也 産業カウンセラー・キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/45911315-20150813.html
■「話があるなら、聞くぞ。」と気軽に言ってはいけない理由~岩手中2いじめ自殺問題で考える~(後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/45498694-20150710.html
■所沢市「第2子出産で保育園退園問題」に関する保護者バッシングが危険な理由(後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/45313644-20150625.html

後藤和也 産業カウンセラー キャリアコンサルタント


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