改正会社法施行… 社外役員としてのニーズが高まる公認会計士

平成27年5月に改正会社法が施行された。大きな論点としては、 ・監査等委員会設置会社制度の新設 ・社外取締役の要件厳格化 であるが、この改正会社法により公認会計士に対して社外役員のニーズが高まっているという。

■監査等委員会設置会社制度の新設
実務上、大きな影響を与えたのが「監査等委員会設置会社」制度の新設であろう。現在、株主総会での承認待ちを含め、「監査等委員会設置会社」への移行を表明した会社は8 月の時点で200社を超えた。この「監査等委員会設置会社」とは、取締役会の中に、取締役の業務を監査する監査等委員会を設ける制度であり、監査役会は存在しない。

監査等委員会は3名以上の取締役で構成され、そのうち過半数を社外取締役とする必要がある。そのため3名の監査等委員会では、2名以上を社外取締役にしなければならない。実は、従来多くの企業で選択されていた監査役会設置会社は日本独自の制度である。各監査役は取締役会の決議に参加できず、海外からは監査役会の権限がわかりにくいと指摘されていた。

また、企業統治強化に向けて社外取締役の必要性が高まる一方だが、企業側にとって、取締役会と監査役会でそれぞれ社外役員を設置することは負担が大きい。そこで、企業側の負担と実務上統治の強化を考慮し「監査等委員会設置会社」が設けられたのである。

■社外取締役の要件厳格化
会社法改正の議論では、社外取締役の設置を義務化すべきだ、という声もあがったというが、結果として義務化は見送られた。しかし、社外取締役を設置しない会社は株主総会で理由を説明することを義務付けられたため、事実上の義務化とも言われている。

さらに会社法とは別に、東京証券取引所はコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を設けており、そこではやはり社外取締役の導入が推奨されている。

事実、2015年6月の東証一部上場企業では92%(1,735社)の企業が社外取締役を選任しているという。統治強化の声や、上述した「監査等委員会設置会社」制度により社外取締役への関心は高まる一方である。 そのような中、改正会社法では社外取締役の要件が厳格化された。そこで社外取締役の候補として公認会計士にも期待が集まっている、というわけだ。

日本公認会計士協会は、社外取締役の紹介制度を開始した。また社外役員(社外取締役・社外監査役)に就任する公認会計士の増加に伴い、この秋にも公認会計士協会内に専門組織を設け、公認会計士同士が情報を共有したり研修会を開催したりして、公認会計士が積極的に企業統治にかかわれるよう支援する方針だという。

ますます高まる企業統治に向けて公認会計士の活躍の場が拡がることが期待されている。


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