弁理士の転職<初級編>~特許事務所の概要と転職可能性を知る~

案外知られていない、特許事務所の実態。自分の今までのキャリアは、特許事務所ではどのように判断されるのでしょうか?まずは特許事務所の全体像から理解し、自分に合った転職先を見極めましょう。

■規模による特許事務所の違いって?
弁理士の転職<初級編>~特許事務所の概要と転職可能性を知る~


特許事務所の規模によっても、働き方・業務内容・時間・年収等が異なります。(※全所員数・出願件数・弁理士数等、ランクのつけ方は様々ですが、今回は弁理士数を目安に分けさせていただきます。)

◆大手特許事務所...弁理士数50~100名以上(10所程度)特許事務所全体(*1)の0.2%
特許出願件数は、国内トップクラスです。取扱い分野も幅広く、国内・海外向けへ総合サービスを行っています。働き方としては、業務が細分化されており、スペシャリストとしてのスキルを求められます。訴訟対応のため弁護士が常駐していることも多いです。最先端の案件や、難易度の高い案件を大量に取扱うため、労働時間は長い傾向にありますが、給与テーブルはある程度決まっており、高い給与水準となっております。
◆中堅特許事務所...弁理士数10~50名(138所程度)特許事務所全体の3%
中堅特許事務所は、大手事務所とほとんど変わらないような組織的な事務所から、個人事務所に近いところまで、事務所の方針によって幅がある点が特徴的です。取扱い分野に関しては、全てを網羅する訳ではありませんが、偏りすぎず、いくつかの得意分野を持っているというイメージです。
◆個人特許事務所...弁理士数1~10名(4421所以上)特許事務所全体の96%
特許事務所のほとんどは、この個人特許事務所に分類されます。所長のバックグラウンド、得意分野に応じて特色が分かれます。業務ははっきりと分かれておらず、一人であらゆる業務を担当するため、専門性を追求することは難しいですが、ゼネラリストとして幅広い経験を積める傾向にあります。事務所によってもかなり差はありますが、労働時間は比較的短めです。給与テーブルは、大手事務所に比べると低めの水準となります。
(*1:日本弁理士会会員情報参照)

■バックグラウンド&語学力"によって自分に合った特許事務所を見抜け!
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大手以上の特許事務所では、総合的に様々な分野をカバーする所もありますが、主に個人特許事務所においては、「取扱い分野」と「相手にする顧客」という点に大きな差があります。ご自身のバックグラウンドに合った技術領域を得意とする事務所を探すことも大切ですし、国内案件・海外案件の比率も、事務所を比較する一つのポイントとなります。

■何歳まで転職できるかは、"経験"による!
弁理士の転職<初級編>~特許事務所の概要と転職可能性を知る~

特許事務所に転職する際に求められるものは、年齢により異なります。30代前半までであれば、業界未経験であっても、「ポテンシャル採用」として、大学・大学院での専攻や、お人柄、意欲等を評価いただける場合が多くなります。一方で、35歳以上となると、「即戦力」として事務所内で活躍していただけるか、が重要なポイントとなります。すなわち、事務所が求める専門分野の明細書作成や、中間処理の経験はほぼ必須となります。その上で、40代以上であれば、マネジメント力や営業力という点もより求められることが多いです。
上記のように、年齢が上がると、それだけ求められるレベルは上がりますが、
事務所側としては、長期で勤めて頂きたいという気持ちがあるため、中堅~大手事務所であっても、今後の定着性という点を考慮し、40代の方を求めるパターンも増えている状況です。

■おわりに
特許事務所への転職活動においては、ご自身に合った事務所を探すとともに、「年齢」という枠にとらわれず、チャレンジをしてみることも大切です。ご自身を客観的に評価したい場合は、まずはエージェントに相談するのも良いと思いますし、しっかりと情報収集をして、良いご縁に出会っていただきたいと思います。

今回は、全体的な概要についてでしたが、次回からは、年収面など、具体的に掘り下げたデータをお伝えしていきたいと思います。


【関連トピックス】
■弁理士の平均年収【2014年版】
http://www.legalnet-ms.jp/topics/2014/002356.html
■弁理士の転職<中級編>~年収アップしたい!そのためには?~
http://www.legalnet-ms.jp/topics/2016/003064.html
■特許ってお金になるの?その1 ~目覚めよ中小企業!!~
http://sharescafe.net/41033074-20141001.html
■弁護士と弁理士。仕事の違いは何?
http://sharescafe.net/44851728-20150608.html
■特許経済指標から見るソニーの現実
http://sharescafe.net/45233545-20150622.html

(文/リクルーティングアドバイザー 谷田部 一水)


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