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メジャー通算3000本安打がいよいよ秒読み段階に入ったイチロー選手だが、以前からその独特のルーティンが注目されている。

ルーティンとは、「型にはまった一連の動作」の事であり、たとえば最近のスポーツでもっとも話題になったのは、ラグビーの五郎丸選手がペナルティキックなどの前に行う、あの一連の仕草であろう。

イチロー選手のルーティンについては、打席に入る前の一連の動作がモノマネ芸人もネタにしているほどお馴染みだが、試合前の練習や、球場入りするまでの行動、さらには自宅での私生活のルーティンまで決まっているのには驚く。

朝の食事が毎日同じカレーライスであったことは有名だ。最近はそれがそうめんに変わったらしいが、メニューが変われど毎日同じものを食べている事に変わりはない。

■ルーティンがストレスを軽減する
彼はなぜ、そこまで同じ行動を採り続ける事に固執するのか。

イチロー選手いわく、行動を変えること、あるいは次に何をするか考える事はストレスとなる。同じものを食べたり、定まったルーティンに沿って行動する事は、そのストレスを軽減し、自分の仕事である試合に、ひいては打席に、より集中する為に必要なのだ。

メジャーリーグの歴史に残る成績をあげているイチロー選手だが、身体能力や技術の高さを、極めて高度な集中力が支えているのであろう。

天才のイチロー選手と私たち凡人を比べるのは愚かなことに感じるかもしれないが、ストレスによって仕事の集中力を損ねないためには、ルーティンにこだわる彼の姿勢は参考にしてよかろう。

ハイパフォーマンスのアスリートにはルーティンを取り入れている場合が多く、それらは自分を余計なストレスから解放され、より集中力を増すことで、いわゆる“ゾーン”に入りやすくする為に行われている。

私たちも、より多くの仕事を高い品質でこなす為に、不要なストレスを減らしていく努力を考えてみたいと思う。

■ビジネスマンに可能なルーティン術
とはいえ、毎日がアクシデントの連続ともいえるビジネスマンにとって、ルーティンに沿った行動をとる事は容易ではない。そこでまずは、朝の行動をルーティン化してみることをお勧めする。起床〜出勤の時間帯の使い方は人によって様々だが、一日の中でもっとも行動を定型化しやすいだろう。

まずは朝の行動を見直してみたい。洗顔とハミガキはどちらを先に行う方が合理的か、その日着ていく洋服のコーディネートはいつ選ぶのが適切か、服用したい薬やサプリメントは何か、などを。

それらを書き出していくと、それほどの数ではないと思っていた朝の行動が、意外と多い事に気づく。それを①トイレ(小)、②簡単な洗顔とうがい、③水を飲む、④PCを開く、⑤今日の予定を確認する、といった具合に起床から順番に並べていく。

細かいものまで並べていくと、普段の朝の行動では、朦朧とした頭で順序を違えて二度手間になったりしている事が多い事に気づく。

起床から出勤するまでの行動順序がまとまったら、それをタイムテーブル状にメモして、朝もっとも目につくところに置いておくだけでいい。

それだけの事で、様々な朝の小さなストレスが解消する。薬を飲み忘れたり、出かけるギリギリになって洋服のコーディネートに悩んだり、洗顔し終わってからヒゲを剃って二度手間になったり、コンタクトレンズを装着する前にヘアワックスを指につけたり。順序をその都度考えたり、やり直す事が、朝のストレスになっていく。

もちろん出かける際の持ち物についてもメモにして、自宅の鍵を置く場所などに一緒に貼っておくと便利だ。

■仕事に取り入れたいルーティン術
試合会場に着いてからも独自のルーティンをこなすイチロー選手だが、会社に着いてからのビジネスマンはそういうわけにはいかない。

しかし重要な仕事をこなす立場になるほど、判断力や集中力を損ねない為にもストレスを減らしていく努力をすべきだ。特に管理職や経営者、またフリーランスは、日常的に重要な経営判断をしなければならない場面が多いので、なおさらである。

管理職やフリーランスには意外と雑務が多い。決済しなければならない雑多な書類、不要なDMを含む多くの郵便物やFAXなど、生産性はゼロに近いが、放置すれば溜まっていくものばかりだ。そしてこれらの雑用が重要な経営判断のための集中力を減殺する事は、多くのビジネスマンが経験していると思う。

具体的には、重要な業務の中に雑務が割り込んで来ないよう、雑用をルーティン化し、可能な限り外注化することが有効だ。

まず、雑務に取り組む時間を当日のタイムスケジュールに組み込む。来客と来客の間の空き時間などが適している。部下からの休暇願いなどの雑務も、受け入れ時間を指示しておけばいい。

経費の清算などは、自分なりの締め曜日を設定してルーティン化する。書類の整理なども、昼食後の10分など時間を決めてそれ以上は行わない。

さらに外注化としては、親展以外のDMは、開いて中身と封筒をクリップ留めして机上に届けてもらったり、FAX送信や郵送の宛名書きなど間違えたくない雑務も適役の事務職に振った方が正確で速い。

ちなみに筆者はイチロー選手の受け売りで、朝食も昼食も固定メニューを採用している。ルーティン化は、わずかな努力でかなりのストレス軽減に繋げられ、思いがけないほど集中力を増す。ぜひお試し頂きたい。


【参考記事】
■ビジネス経験豊富なシニアが起業で失敗する理由 (玉木潤一郎 経営者)
http://sharescafe.net/49022518-20160706.html
■三菱自動車の不正問題に見る、下請け企業の自己防衛と金融機関の支援 (玉木潤一郎 経営者)
http://sharescafe.net/48497051-20160501.html
■中小零細企業に必要な「仕事がうまい」人材(玉木潤一郎 経営者)
http://sharescafe.net/48242519-20160331.html
■地方の中小企業経営者が現場から見た「女性活躍」のリアル(玉木潤一郎 経営者)
http://sharescafe.net/48171281-20160323.html
■せっかくの学びが、地方のビジネス現場で役に立たない理由(玉木潤一郎 経営者)
http://sharescafe.net/48339489-20160411.html

玉木潤一郎 経営者 株式会社店舗応援団 代表取締役

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