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NHKや日経などが、来年の新卒大学生・院生の就職活動時期が今年同様6月で調整に入ったと報じました。全体的にふわふわした単語が多く、結局どういうことなのか扱いに困っている人もいます。1年ほど前に「2017年卒就活スケジュールを大胆予想」として、いち早くコラムを発表したのにならい解説します。

■おさえるべきポイント
今回のニュースはまだ経団連の正式発表ではないため、「調整に入った」という表現になっています。これが正式発表になるにはあと数ヵ月かかるのではないでしょうか。しかし就活をする当の学生や関係者にしてみればそんなことは待っていられません。

企業も経団連クラスの大企業、日本を代表する産業ともなりますと影響が大きく、慎重な物言いにならざるを得ないのでしょう。そこで勝手ながら、筆者自身の取材結果も含め、2018年卒就活を予想しましょう。

押さえるべき点は次の4つです。1.年次、2.活動内容、3.対象者、4.企業がどうなるのかが肝心です。年次、つまり卒業年度が変わればスケジュールも違ってくるのですから、そもそもこうしたニュースがいつのことなのかは、絶対に押さえる必要があります。くれぐれも見出しだけで中身を確認しないということがないように注意して下さい。

■報道の中身
今回のニュースは随所にあいまいさが見られる、就活をする学生や関係者にしてみれば頼りない表現になっています。先の押さえるべき4つのポイントに従えばこうなります。

1.年次:2018年3月卒/4月入社
2.活動内容:企業の採用活動(=面接や適性検査等、具体的な選考のこと)
3.対象者:大学学部生・修士課程学生(博士後期課程学生は含まない)
4.企業:経団連加盟企業

また広報活動、いわゆる会社説明会も、今年同様3月解禁となる方向だとのこと。以上が今回報道された中身ですが、筆者だけの判断ではなく、大学関係者や企業の人事・採用担当、就活情報会社などへの取材からも、この流れは予想されていました。

一旦12月広報解禁/3月選考開始で固まりそうになった就活時期を、政府の強い意向もあって3月広報解禁/8月選考開始にしたところ、大学も企業も大混乱になり、あわてて1年で元に戻し、3月広報解禁/6月選考開始としたのが現在の、2017卒就活です。

こうした毎年のような時期変更は大学教育に多大な影響があり、迷惑この上ないものです。それゆえ来年も続くことになったタイミングがベストではなくとも、せめて2年は続けようと来年も継続になったのでしょう。

■2018卒就活のスケジュール
2018年卒就活のタイミングを整理するとこうなります。
・広報(会社説明会)解禁:2017年3月
・採用選考(面接や適性検査):2017年6月
・内定:2017年10/1(変わらず)

対象となるのは全国の大学現3年生・修士課程1年生で、これまで同様に博士後期課程学生は含まれない見込みです。またこのタイミングは経団連加盟企業が合意したもので、経団連非加盟企業は従う義務はありません。「調整中」という表現ですが、まず間違いなくこの内容で決まると思います。

つまり、現在の2017卒就活と同じタイミングとなるという予想です。すみません、報道があいまいといっておきながら筆者も「予想」と逃げを打っていますが、少なくとも確定ではないことは事実なので、正確な表現では予想となります。しかし本稿の主旨は「どう対応するか」という提案です。具体的な対応としては「2017卒就活と同じタイミングで準備せよ」となります。すでに筆者への個人相談やインターンシップセミナーなどではその旨発言しています。

■根拠
戦略的就活を提唱する筆者は、正しい/間違っているという二者択一の正解志向ではなく、相対的で戦略的な損得判断を推奨しています。少なくとも確定情報は当面得られません。しかし就活準備は具体的な行動はともかく、どう考えどう行動するかというプランニングに早すぎることはあり得ません。実体がプランニングと変わってくれば修正すれば良いだけ。元々の構想を修正するのと、決まっていないからといって全く何も考えずに臨むのは天地の差があるのです。

ちなみに就活は今や巨大な社会問題であり、何百億(千億??)ともいわれる巨大なビジネスになっています。就活時期に合わせて就活情報サイトの設定や学生への案内など、さらには就活本や資料など膨大な量の印刷物という影響が多すぎて、現在の就活環境では小回りが利きません。今から次年度の就活対応を具体的に落とし込まなければ事業計画が立てられません。それゆえ大きな時期変更が直前に行われることは考えられないのです。

さらに就活学生の側を考えれば、現・2017卒就活の状況からも判断できます。昨年度の就活より2ヵ月前倒しになった現・2017卒就活では、優秀学生の争奪戦とそこに入れなかった学生の長期化が起こり、これは現在も継続中です。6月には内々定が出始め、早々と就活を終えた学生が出た反面、トップ校と呼ばれる大学の学生でも、2016年8月現在で内定が取れない、内定を取るには取ったが不満足で今も就活継続中という事象が起こっています。

こうした流れが次・2018卒就活でも起こると考えるべきでしょう。早期対策は戦略的就活に欠かせない考え方ですが、これは単に入学早々から就活をしろという意味では全くありません。就活とは何なのか、自らのキャリアはどうなるのか、どうしたいのかという、純粋なキャリアデザインの視点で、これからの行動を考えることです。具体的な説明会参加もインターンシップも、そうした考えの構築されたうえでする/しないの判断を行うことが大切です。やみくもな早期就活は意味が無いだけでなく、プランニングがおろそかになることで失敗する率も高く、全くお勧めするものではありません。

これから秋口にかけて就活準備講座などでもずっと言い続けます。早期対策の真の意味を理解し、2018卒就活に臨みましょう。

【参考記事】
■理系人間のコミュニケーション技術上達法
http://shachosan.rm-london.com/?eid=663312
■コミュニケーション能力と丸暗記
http://shachosan.rm-london.com/?eid=638064
■本当に必要?就活用マナー講座 (増沢隆太 人事コンサルタント)
http://sharescafe.net/48109814-20160317.html
■サイレントお祈りに打ち克つには (増沢隆太 人事コンサルタント)
http://sharescafe.net/48729558-20160531.html
■内定辞退の作法(増沢隆太 人事コンサルタント)
http://sharescafe.net/46036751-20150826.html

増沢隆太 人事コンサルタント 株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役


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