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リオ五輪ももうすぐクライマックス。地球の反対側にあるリオデジャネイロとの時差は12時間です。毎晩繰り広げられる熱戦を見ようと眠れない日々を過ごしている人も多くいるのではないでしょうか。

前半戦で日本勢は柔道や水泳、体操などの活躍が目立ちました。選手が競技に打ち込むその精神力と、最後まで全力投球しているひたむきな姿は、見る人に感動を与えてくれる素晴らしいものです。

■リオ五輪のメダリストへの報奨金
このような素晴らしい功績をたたえるためにJOC(日本オリンピック委員会)からメダル獲得の報奨金が出ます。今回の大会は、金メダル獲得で500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円です。金メダルについては、前回のロンドン五輪の時の300万円から200万円アップしました。

さらに選手は出場競技によって所属する連盟や協会からの報奨金を受け取ることになります。各団体の報奨金の多さでは自転車競技が一番で、メダルを取ると金、銀、銅につき、5,000万円、3,000万円、2,000万円。しかし、柔道ではどの色のメダルを取ろうと報奨金はなし、と厳しい報奨金格差が存在します。

■報奨金には税金がかかるのか?
選手のご褒美といえるこのような報奨金には税金がかかるのでしょうか?

現在の所得税法では、JOCからの報奨金に加えて、JOCに加盟している各競技団体から出る報奨金も税金がかからない対象になっています。ただし、すべてに税金が免除されるわけではありません。税金がかからない「非課税枠」が設けられていて、それを超える部分は税金のかかる対象となるのです。

報奨金の非課税枠は金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円。仮に金メダルをとってJOCから500万円受け取っても、300万円を差し引いた200万円には税金がかかります。この所得の種類は、「一時的に手に入れたもの」に該当し、一時所得になります。一時所得の計算方法は、(総収入―収入を得るために支出した金額―特別控除額(50万円))で計算し、税金は算出した金額の2分の一を給料などのほかの所得と合計し、税率をかけることになります。

■選手を取り巻く金銭面の問題
スポーツ選手はこの4年に1度のスポーツの祭典のため、絶え間ない努力をしています。また最近のメダリストの多くは幼少期から競技を始めることが多く、その労力は本人だけでなく、家族のサポートは計り知れないものです。

またスポーツ選手は、その成長ごとに金銭面での負担が重くなります。最初は単なるお習い事レベルからスタートするのかもしれませんが、上達すれば遠征や個人的にコーチをつけるなど、上を目指せば目指すほどお金が必要になります。これはもちろん自己負担です。

順調に成果が出て指定強化選手となった場合には、国や地方自治体から補助金がでることもありますが、それで選手がすべてを賄えることはありません。まさに才能がある選手であっても先立つものはお金なのです。テニスの錦織選手のようにCMにたくさん出演し、高額のスポンサーがつく選手が目に付くので、「スポーツをする選手は儲かる」と思いがちです。ただしそのような選手はほんの一握りです。ほとんどの選手は、会社員やアルバイトをしながら競技を続ける資金を捻出しています。

そのような状況で、一時的にもボーナスのような臨時収入が入ってきたら「お金持ちになった」といえるのでしょうか?スポンサー契約金や所属企業の給料などの収入であれば、他のサラリーマンと同じように税金をかけることは問題ではないでしょう。しかし、生涯のなかで一番輝いた功績を国が免除できないとは、国家として何ともお粗末であるといえるのではないでしょうか。

■これからのスポーツ選手にできることは何か
現在行われているリオ五輪は、28競技306種目です。このような多くの競技種目の中、日本勢でメダルが取れる種目は一部に過ぎません。これから4年後の東京でもっといろいろなスポーツで活躍してほしいと願っている人も少なくないでしょう。

ただし、普段あまり見かけないようなマイナー競技であればあるほど、スポンサーもつきにくく、経済的に厳しいものです。お金が起爆剤になれば即メダル増産、というほどメダルを取ることは甘くはありませんが、選手をサポートするのであれば、税金面も非課税枠をもっと広げても良いのではないでしょうか。

また国が直接支出するお金だけでなく、寄付制度や広くスポンサーを募り、応援できるような体制づくりを政治指導のもと行っていけば、次の東京大会にも活躍する多くの選手が生まれることでしょう。今後のスポーツのあり方やサポートシステムに期待したいです。

【参考文献】
■自営業だと保育園に入れないって本当? (浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/49152786-20160724.html
■消費税増税延期でもバラマキ?給付金もらえます。 (浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/48884963-20160619.html
■災害の発生時の税金の申告はいつまでにすればいいのか (浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/48455599-20160426.html
■保育園の滞納問題。取り立ては年々厳しくなっている? (浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/48230568-20160330.html
■確定申告の医療費控除の誤解。さらに広がる可能性あり? (浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/47878546-20160221.html

浅野千晴 税理士

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