女性会計士のキャリア

近年、公認会計士のキャリアは多様化しており、今までのように監査法人で会計監査を行うことだけが公認会計士のキャリアパスではなくなっているようです。例えば、上場企業の経理・財務や内部監査、税理士法人の財務コンサルティング部門や税務申告部門、その他でも今まではなかった選択肢が次々に出始めているのです。
また、同時に女性の活用についても企業、会計ファーム両方の領域で見直しがされ始めています。時短勤務や在宅勤務、業務委託契約での就業など、実は「女性をどのように活用できるか」採用の前線では前向きな議論がなされている状況です。

■女性の活用を進める企業や会計ファームの実態
上記の通り、一般事業会社、会計系ファーム共に女性の活用を推進するべく採用を強化している状況です。例えば、上場企業の経理職では、IFRS基準の導入・推進、M&Aや組織再編等の処理、連結決算や子会社管理など様々なタスクが生じています。そして、そういった業務に経理部門のスタッフだけでは対応がしきれなくなっている企業も多く存在するのです。そこで、上述のような上場企業の経理部では公認会計士の採用も積極的に進めるようになってきています。

また、女性の活用を進めるのは一般事業会社だけではありません。例えば、米国会計基準や国際会計基準の導入支援を行うようなコンサルティング会社でも女性公認会計士の採用数は増えているようです。特に、上記のような制度会計の分野は公認会計士のバックグラウンドとも親和性があり、入社後の業務的なミスマッチは少ないと聞きます。また、上記のような決算支援、開示書類作成の支援業務は、チーム制で業務を進めていることが圧倒的に多く、複数名でメンバーを支えることが可能なため、比較的働きやすい環境だと言われています。また、一般的な会計事務所の中には所長が公認会計士資格を保有しており、新規採用をする際には公認会計士も対象にするといったケースが一定数あります。尚、会計事務所の業界では、顧客層が中小企業や個人事業主であることも多く、決算支援や税務申告書類の作成においても、その処理・ボリューム自体は重たくないようです。そのため、一人あたりの業務量も監査法人ほど多くはなく、結果として家庭と仕事を両立させることに成功している方も多くいらっしゃいます。

■会計知識を活かしてワークライフバランスを確保! その選択肢とは?
公認会計士は特に財務会計のプロだと思いますが、そのプロの知識を活かすことでワークライフバランスを確保することが可能です。以下ではその具体的な方法や選択肢について解説をさせて頂ければと思います。

≪ワークライフバランス◎な事業会社に転職≫
やはり、ワークライフバランスを優先させたい方には、安定感のある一般事業会社がマッチするのではないでしょうか。特に一部上場企業(大手)では福利厚生も充実、産休・育休などの各種制度も整っていることから、長期就業を希望されている方には人気があります。
また、上記のような企業は上場基準での会計処理、内部統制を行っていますので、監査法人出身者にとっても今まで使ってきた知識を活かしやすい環境だと言われています。

≪税務知識を習得して開業する≫
家庭と仕事を両立させたいという方にとって“独立開業”も一つの選択肢になるようです。
特に公認会計士資格の特性上、税理士資格も登録をすることが可能ですので、企業の決算支援や税務申告書類の作成など実務を習得すれば、自分自身の事務所を構えることも十分可能です。また、自宅で開業登録をすれば、実質的には在宅勤務も可能になりますので、ご自身のペースで仕事をすることが可能になります。

≪独立系の監査法人に転職する≫
監査法人出身者の中には「監査法人は激務なので避けたい」と仰る方も多い印象ですが、実はBIG4や準大手のような規模の大きい監査法人以外にも、優良な監査法人は存在します。例えば、数十名規模の組織でもクリーンな監査を行っており、且つワークライフバランスが整っている監査法人は何社もあります。また、上記のような監査法人は基本的に長期就業を希望する方を採用する傾向にあり、実際に離職率も低いという特徴があります。
そういった安定した環境で仕事とプライベートを両立させている公認会計士も増えてきているようです。

■女性会計士のキャリアを考えるにあたって
世間的にも公認会計士の採用ニーズは高まりつつあり、現時点でも監査法人出身者のキャリアパスは広がっています。このように選択肢に恵まれた転職市場であれば、ご自身の専門性を武器に理想の働き方を実現させることも可能ですので、一度ご自身のキャリアを再検討してみても良いのではないでしょうか?

【関連トピックス】
■女性会計士の活躍をサポートする米国会計事務所の取り組み
http://www.kaikeinet.com/topics/20150825-17842.html
■女性会計人に訪れたワークスタイルシフトの波
http://www.kaikeinet.com/topics/20150521-16367.html
■会計、税務のワーキングマザー。理想的な環境とは?
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■女性の会計士・税理士は男性の会計士・税理士よりも未婚率が高い!?
http://sharescafe.net/42904110-20150116.html
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(文/株式会社MS-Japan シニアコンサルタント 高橋良輔)


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