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■GOOGLE翻訳があれば外国語学習は必要なくなるのか?

技術が発展し今まで不可能だと思われていた多くのことが可能になりました。昔と今では一人でできる作業の範囲は格段に広がったと思います。その技術発展の一つに、GOOGLEなどが提供する翻訳機能があります。
今までは辞書などを使って長い時間をかけて調べながら外国語を学習していたわけですが、技術はその”調べる”という手間をなくしました。今後AIによるディープラーニングが発達していくと、その人が探したいキーワードを提示してくれる自動翻訳機能も発展していくのではないかと想定されます。


■技術発展が”外国語学習”という手間をなくしてしまうのか?

技術発展の美談ばかりが注目されがちですが、そこからの副作用についてはあまり触れられません。たしかに、外国語を調べる手間を短縮もしくは無くしてくれる技術は素晴らしい。しかし、このことで、人々の”外国語学習をする”という手間が無くなることにも繋がります。
先にあげたGOOGLE翻訳などを使って簡単に多言語から母国語への自動変換ができてしまえば、学校内システムでは外国語教育は存在していても、結局外国語そのものを学習する必要性が無くなってしまいます。

趣味で外国語を学習したいと思う人もいるため全ての外国語学習が無くなることはないでしょう。ただ、外国語学習の必要性の低下は、グローバルコミュニケーションにかなりの影響があると考えられます。というのもコミュニケーションは人の感情で創られるものであり、コンピューターが人の感情の機微を理解することは難しいからです。


■ここまで進化した通訳技術

現在アメリカのシリコンバレーでは、試験的に手にマイクロチップを埋め込み、決済や本人認証をおこなっています。

そして将来的には、このチップによる骨電動で相手の言葉を翻訳する、というところまで技術は挑戦しようとしています。正直なところ驚きましたし、「ここまで来たか」と思いました。ただし、それは技術革新にはじめて触れたときの「すごいな」という素直な感動ではなく何とも説明しづらい微妙な感情でした。

このような翻訳機能が更に進化していけば、外国語をわざわざ学習しなくても、海外へ旅行したり、外国人とコミュニケーションを取れることになるわけです。

■利便性は学習意欲をかき消す?

まさに幼少時に見ていたSFの世界が、現実になってきていると考えるべきでしょうか?
チップを手に埋め込むという点が人間の感覚を超えていますが、たとえ体内にチップを埋め込まなくても、何らかの形で外国人とコミュニケーションがとれる技術発展はもうすぐそこに来ているのではないかと思います。そのような技術があれば便利でしょうし、使わない理由など特にありません。手ごろな価格になれば、むしろ使っていないほうが不便さを感じてしまうことでしょう。

結果的に、強制や趣味でない限り、長い時間をかけて外国語を学習すること自体をバカバカしいと人は感じてしまうかもしれません。

■技術との付き合い方

では近い将来、外国語学習はなくなってしまうのでしょうか?

私は個人的には外国語学習が無くなることはないだろうと思います。なぜなら、AIのディープラーニングなどは、人間の心を正確に把握するのではなく、全てが「なんとなく正しいもの」を提示しているだけだからです。リアルな生活やビジネスでは、自分の本当の言いたいことやニュアンス等、その場の状況で判断しなければならないことが頻繁にあるため、その際には必ず人間が最終判断を下すことになります。そのためにも、外国語の学習は必要になると思うのです。

日本人が陥りやすい点数を取るだけの"内向き外国語勉強"から、相手に伝えることを目的とした"外向き外国語勉強"へと変化する可能性もあります。しかし、その変化の際、技術の便利さ故に外国語の勉強に対するモチベーションが低下することは明らかです。そのためにも、外国語を教育するためには、外国語を学ぶ目的や大切さを理解してもらう土台を国全体で作っていく必要があると思います。


英語で説明する全技術
齋藤浩史
秀和システム
2017-08-31



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JB SAITO マサチューセッツ大学MBA講師


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