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■ワールドカップサッカー日本代表の快挙と自信
10月16日、埼玉スタジアムで行われたサッカー日本代表の国際親善試合では、FIFAランキング5位と格上のウルグアイを相手に4-3で競り勝ちました。

現在の体制が出来上がった今年のワールドカップでは、直前に日本代表の監督が交代するという大きなトラブルがあり、 そんな中でも事前の予想を裏切って日本代表は決勝トーナメントに進出しました。彼らは、最初から「決勝トーナメントに行く」自信があったはずです。

2-2の引き分けで終わったセネガル戦の試合後、キャプテンの長谷部選手は「勝てたゲームだったと思います。」と発言しています。周りが何と言おうと「勝つ」ことを信じてプレーしたからこそのコメントです。

あなたは何かをするときに、彼らのように「自信」を持っていますか?

「自信」を持つのに、実績のある無しは関係ありません。確かに実績があればそれだけ「自分に自信」が持てるかもしれません。一方で、「大きな成果を上げている」「100人の部下を束ねている」など、どんなに成果を上げていても「自信がない」という人はいます。

私はキャリアコンサルタントとして、転職に関するアドバイスをすることもあります。

転職を考える理由は人それぞれ、千差万別です。転職したからといって「状況が劇的に変わるとは限らない」「むしろ状況は悪化するかもしれない」と二の足を踏む人も少なくありません。「新しい環境に馴染めるだろうか」「仕事で成果がだせるだろうか」未知の世界に不安を抱き、一歩も動けない。漠然と「自分なんて大したことないから」と考えている。そういう人は「自己効力感」を高めた上で転職を考える必要があります。

■自己効力感とは?
長谷部選手はセネガル戦の前述の発言の後、「自分たちは非常に落ち着いてますし、先制されても何をしなきゃいけないかはっきりしている。誰が出てもチーム全員で闘っているという感覚はあります」と述べています。大会直前にトラブルがあり、批判もされ、多くのサポーターからも見放されるような苦しい状況を経たにも関わらず極めて自信に満ちあふれたコメントです。

サッカーに限らず、トップクラスで実力の伯仲した中での勝負に、メンタル面が強く影響を与えることは間違いありません。これは自己効力感が高い状態での発言です。

「自己効力感」とは以下のような意味です。

ある行動について、しっかりやれる、自分自身でコントロールできているという信念、さらに、自分が周囲からの期待に対応できるという確信(職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査 JILPT資料)


これは心理学者のバンデューラが唱えた概念で、自信がある人は総じてこの「自己効力感」が高く、困難に直面しても「乗り切る」イメージが出来ています。

サッカー日本代表は「自己効力感」が非常に高い状態で試合に臨んでいました。格上相手に堂々とプレーできたのは「自分たちは出来る、勝てる」と信じていたからです。

「自己効力感」の高い人は「自分は出来る」と思って行動しています。仮に失敗しても「自分にとって良い経験だった」と言い切ってしまえるのです。経験はすべて宝物と言い切れることはとても大切です。経験が宝物だと信じているので チャレンジも積極的に行います。そして、自然と成功に近づくことが出来るのです。

■「自己効力感」をあげてから転職を考えよう
新しい人間関係を構築し、さらに成果をあげてゆかなければなりません。想像以上にストレスを伴います。
もし、サッカー日本代表が漠然と「自分たちは大したことない」「なんの影響力もない」とプレーしていたら決勝トーナメントに進めていなかったでしょう。彼らのチャレンジに「自己効力感」は大きな役割を果たしています。

チャレンジという点では転職においても「自己効力感を高める」ことは重要です。 少しでも「自分なんて大したことない」「自分はなんの影響力もない」と漠然と感じているなら、まず、「自分を認め、自信を持ち、自己効力感を高める」ことから転職を考えるべきです。

■自分の経験は自分で思うよりすごい
心理学者のバンデューラは自己効力感を高めるために以下の4つの方法をあげています。

・「達成経験」を積むこと(達成経験)
・「あいつが出来るなら私も出来る」と他人を観察すること(代理経験)
・「自分は出来る」と言葉で言ってもらうもしくは自分で言う(言語的説得)
・「酒」などの力を借りる(生理的情緒的高揚)

この4つの方法を聞いて「自分には達成経験はない」人から、「出来る」なんて言われたことはないし思ったこともないという人もいます。


自身の経験を自画自賛出来る人はあまりいないでしょう。ただ、丁寧に棚卸し、第三者の目で見ないと自分のことは気付かないものです。辛くて苦しい経験だったとしても第三者から見ると「称賛に値する」かもしれません。「当たり前のこと」だと思っていたことが「すごい!」ことかもしれません。「思い出したくもない」ことが「勇気をもらった」とフィードバックされるかもしれないのです。

ベルギー戦の前、DF長友選手が涙ながらにブラジル大会からロシア大会まで4年間の想いを熱く語り、チームの士気を高めたそうです。4年間の経験からくる想いがチーム全体の「自己効力感」をさらに高めたといえます。結果は惜敗でしたが世界が賞賛する試合内容だったことは間違いありません。

■まとめ
転職を考える上で「自己効力感を高める」ことは非常に重要です。サッカーの日本代表が事前の悪い予想を大きく覆したように、ワールドカップサッカーの日本代表は「自己効力感が高い状態」だったからこそ「決勝トーナメントに行く」というチャレンジを成し遂げることができました。

転職に不安を抱いている人は「自分の経験を棚卸し」してから「自己効力感」を上げてゆきましょう。誰もが未知の世界に足を踏み入れるときは「自分なんて」と思いがちですが、「自分はできる」と思い込むことが転職というチャレンジを成し遂げることになるのです。

【関連リンク】
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今井 久美子 キャリアコンサルタント

【プロフィール】
働く女性のシェルター兼キャリコン。派遣社員から統括部長、中小ベンチャーから大企業、とあらゆる働き方を経験。「ぽっきり折れない働き方」「逆境でも成果を出す」をテーマにセミナー、コンサルタントを行う。

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