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筆者は54歳のおじさん経営者である。会社では20~30代の若者が活躍しているし、もちろんこれからも若い社員には入社してもらいたい。

そのためという訳でもないがSNSでの発信は社員に見られることも意識しているし、実際に見た社員が感想を言ってくることもある。

感想といってもそこは社員と社長の関係なので、面と向かってダメ出しされることは絶対になく、面白かったとかタメになったとか褒めてくれるばかりで本当のところは伝わってこない。もしかしたらクソつまらないと思われている可能性もある。

ちなみに筆者の場合、FacebookとInstagramは頻繁にアップしており、Twitterはほぼ見るだけだ。

過日、おじさん経営者に向けた「若者を自社に呼び込むには?」という趣旨の講演を聴いたところ、FacebookやLINE@から若者はすでに離れはじめている一方、SNSへの依存はいまだに高い。若者にとってはTwitterかInstagramをやっていないとその人が存在しないも同然という指摘があった。参加したおじさん達にとってはなかなかショッキングな内容であった。

こうした状況のなか、おじさん経営者が今やるべきSNSとは、何だろうか?

■Facebookはオワコンか
移り気な若者にとってFacebookはもはやオワコンとも呼ばれる。オワコンとは「終わったコンテンツ」のことで、おじさん風に訳せば流行遅れになってしまったサービスや商品のことである。

若者がFacebookから離れていった要因の一つには、おじさんおばさんの社交場となってしまった点が挙げられている。

Facebookにおじさんおばさんが参加しやすい理由としては、実名顔出しが定着しているため、知らない人より一度でも会ったことがある人との繋がりが好まれる点が大きいだろう。

筆者の記憶では7~8年前まではFacebookを始めるためのセミナーなどで、実名顔出しで個人情報は大丈夫なのか?という質問が必ずあがっていた。

しかし普及していくにつれ、むしろ実名でなかったり顔出ししていなかったりするアカウントは友達承認されにくい風潮が定着した。そのためFacebookはビジネスユースにも適したSNSとして一気に普及した。

この「普及」がクセモノである。普及すればするほど、若者にとっての魅力である新しさは失われていく。筆者のようなおじさん達が大挙参加してくることで、それまで若者が感じていた目新しさが色あせていったであろうことは想像に難くない。

■今後おじさんがやるべきSNS
では若者を自社に呼び込みたいおじさん経営者には今後TwitterやInstagramをお勧めしたいかというと、そうではない。それぞれに用途が違うし、お勧めしない理由を下記に挙げてみたい。

まずTwitter。Twitterのアカウントは本名でない場合が少なくない。有名人の多くは本人だとわかるように公式アカウントを使用しているが、アカウントは誰でも自由に設定できるためなりすましも可能であり、公式のユーザー名かどうかなどで本人かどうかを確認する必要がある。

有名人でない一般人のほとんどはアカウントに適当なニックネームを付けており、もちろん顔もさらさない。要するにどこの誰だかわからないところからTwitter上に言葉を投げかけている。そのため有名人のツイートはクソリプと呼ばれる罵倒や中傷が飛び交い、炎上もしやすい。

中小企業のおじさん経営者が実名でTwitterを始めたら炎上するのかといえば、現状であればおそらく残念なくらい何も起きない。

Facebookを始めたときのように実生活での顔見知りがどんどん繋がっていったり、初対面の人に翌日友達申請して繋がったりということも、よほど積極的にアプローチしない限りほとんどない。

Twitterでは友達ではなくフォローしあうことで繋がるが、たとえば頑張って多くのフォロワーを得る努力をしたとして、もしそれで運よくフォロワー数が伸びたとしても、自社のビジネス紹介やランチに食べたものの写真や自分の信条をツイートしたところでFacebookのような反応はない。

Twitterを現状でビジネスユースに使うには数十万人を超える有名人からの発信が適している。直近の例ではZOZOTOWNの前澤社長の1億円ばらまきがニュースになったように。ゼロから始めるのはなかなか厳しいと申し上げておきたい。

ではInstagramはどうか。もともとInstagramは写真を美しく加工して共有するためのアプリである。そのためビジネスユースに最も適しているのは、写真を多くの人に見てもらいたいケースだろう。

画像に添えるテキストにハッシュタグ(#)を付けることで、アップした画像に関心がある人を呼び込むことも出来る。そのためいい紐づけが出来ればビジネスユースとしても使える。

さてしかし、おじさん経営者の場合にはどうか。美容やアート系のビジネスであれば画像が使えるだろうが、特に加工を施さないような料理や旅行や趣味の写真であればFacebookで十分だし、そもそもFacebookの友達とInstagramのフォロワーは重複しやすいので、全く同じ記事を両方にあげるのはお勧めしない。

TwitterもInstagramも、いずれもFacebookとは用途が異なり若者はそれをしっかり使い分けている。ITリテラシー、というよりSNSリテラシーが高くないおじさんがやっつけ記事をアップしても響かない。

■情報発信ツールとして
SNSは特別な情報発信ツールではなく、いわば普段の会話とそう変わらないと考えていい。

実名顔出しのFacebook、こまめにつぶやけるTwitter、美しい画像が共有できるInstagram、どのSNSを誰がどう使おうとまったく自由であるが、もし経営者がビジネスユースにと考えているのであれば話は別である。自分がいるべきでないかもしれない場所に土足でズカズカと踏み込むべきではない。

年齢なりに上から目線の説教くさい内容ばかりだと疎ましがられるし、逆に若ぶっても無知を露呈する。自慢オンパレードは鼻持ちならないし、かといって日常生活ばかりを延々とあげていても毒にも薬にもならない。

おじさん経営者のビジネスユースとして適当なのは、話題になりそうな新規事業や役立ちそうな自社商品・新サービスの紹介、あるいは自社の主催イベントへのソフトな集客、そして適度なセルフブランディングではないだろうか。

これらをうまく発信することが出来そうなSNSを選んでいくことをお勧めしたい。

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玉木潤一郎 経営者 株式会社SweetsInvestment 代表取締役

【プロフィール】
建築、小売店、飲食業、介護施設、不動産など異業種で4社の代表取締役を兼任。
一般社団法人起業家育成協会を発足し、若手経営者を対象に事業多角化研究会を主宰する。起業から収益化までの実践と、地方の中小企業の再生・事業多角化の実践をテーマに、地方自治体や各種団体からの依頼でセミナー・コンサルティングの実績多数。

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