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突然の活動休止宣言で各報道のトップニュースを独占したアイドルグループの嵐。改めてその人気のすごさを再確認した。

嵐が活動を休止する要因は、リーダー大野さんが自由に暮らしたいという希望を他のメンバーが合意して叶える、というものである。

ところでジャニーズ事務所の他のグループには、メンバーが一人抜けたまま活動を継続しているTOKIOや、当初は6人いたメンバーが半数になった今も活動しているKAT-TUNがある。

その一方で人気グループでありながら「嵐は5人じゃなきゃ嵐じゃない」と活動を休止できるのは何故か、企業の危機管理を交えて考察してみたい。

■嵐と他のグループとの事情の違い
嵐はオリコンアーティスト別音楽総売り上げで、2018年は4位の67.1億円を売り上げている。もちろんこの他にライブやTV・映画出演など多岐にわたる活動をしているので、その売り上げ規模はおそらく国内の上場企業クラスと比較しても遜色なかろう。

大野さんが抜けてグループとしての仕事が維持できなくなるのならともかく、まだ活動が可能であるのに大きな売り上げを放棄する選択は経営的にも興味をそそられる。

ドッキリ番組やモニタリングで芸人コンビの片方が辞めたいと言い出すという仕掛けがある。この場合には残った芸人の仕事が無くなってしまう可能性が高いので、言われた方が大慌てになる。

嵐はそれとは異なり、残るメンバー4人がそれぞれ単独で仕事を継続していける可能性が高い。

二宮さんと松本さんは既にドラマや映画で俳優として活躍しているし、櫻井さんはニュースキャスター、相葉さんも高い好感度を活かしてバラエティの冠番組をもつなど、4者それぞれが個性を活かして活躍の場を得ている。

では、前出のメンバーが抜けた他のグループはそうではなかったのだろうか。その意味ではTOKIOもKAT-TUNも、メンバー個別でのいわゆる”バラ売り”が可能だったかもしれない。しかし結果的にTOKIOとKAT-TUNは継続を選び、嵐は活動の休止を選択した。

■計画的な準備が営業展開の選択肢を増やす
TOKIOとKAT-TUNには活動を休止する選択肢がなかったのではないか。

嵐との最大の違いは、前出の2グループがメンバーの突然の不祥事などによる緊急対応が求められたのに比して、嵐は大野さんと事務所及びメンバーとの話し合い期間が十分に持たれた点が大きい。

事前準備ができたことで、嵐は残されたメンバーが個別に十分に仕事をこなしていけるという前提で活動休止の選択ができた。なおかつ、これから2年間をファンへの感謝を込めた猶予期間に充てられた点にある。

企業も同様に、アクシデントの後始末に追われることと先手を打って計画的に対応することでは選択肢に差がでる上に、その後の営業戦略にも大きな違いがあらわれる。

冒頭、嵐が4位だと記載した2018年のオリコンアーティスト別トータルセールスだが、実は1位は引退ブレイクした安室奈美恵さんである。嵐とジャニーズ事務所は今から活動休止までの2年間で、2018年に安室奈美恵さんが挙げた数値と同規模かあるいはそれ以上のセールスを展開できる可能性がある。

記者会見では「多くのファンに支持されながら活動を休止するのは無責任じゃないか」という質問が飛んだ。それについては櫻井さんが「2年かけて感謝を示していくことが自分たちの誠意」と説明して逆にそれが神対応であると称賛を浴びた。計画的な対応とは、こういう事を可能にするのだ。

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玉木潤一郎 経営者 株式会社SweetsInvestment 代表取締役

【プロフィール】
建築、小売店、飲食業、介護施設、不動産など異業種で4社の代表取締役を兼任。
一般社団法人起業家育成協会を発足し、若手経営者を対象に事業多角化研究会を主宰する。起業から収益化までの実践と、地方の中小企業の再生・事業多角化の実践をテーマに、地方自治体や各種団体からの依頼でセミナー・コンサルティングの実績多数。

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