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普段の業務で「当たり前のようにやっていたことが実は効果的ではなかった」と、あとから気付くことは少なくないだろう。

営業の世界にもそのような事例は多数存在する。営業職を経験した人であれば、一度は使ったことがあるであろう「ご興味はございませんか?」というフレーズ。

これはアポイントを取る際には、絶対に使ってはいけないフレーズだ。その理由について営業コンサルタントの財津氏が解説する。

■常に優良顧客からあたるべきとは限らない
リモート営業を駆使すれば、ファーストコンタクトからクロージングまで全てのプロセスを、一人でおこなうことが可能です。

まずはファーストコンタクトについてですが、訪問営業であれば業種によってはアポなしでの飛び込み営業という形もあると思います。しかし、最初からリモート営業で進める場合は少し違ってきます。

具体的な話に入る前にリード(見込み客リスト)の使い方について、考えてみましょう。
リードは営業マンが自分で作成をする場合もあれば、会社が用意してくれるところもあったりとさまざまです。

そして、どのようなケースであっても、リードの中に優先順位を付けるはずです。多くの場合、「見込み売り上げの大きなトップターゲットから着手しろ」と言われるのではないでしょうか。

これは「パレートの法則」を参考にして戦略が立てられているからです。「パレートの法則」とは、その名の通りイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見された法則で、別名「2:8の法則」とも呼ばれています。上位2割にあたる優良顧客の売り上げが、全体の8割の売り上げを占めているということです。

全ての顧客を平等に扱うのではなく、2割の優良顧客を優先することで8割の売り上げを確保できて、高い費用対効果を追求できるというものです。あなたの会社や上司は、この法則に基づいて、優良顧客に注力するように指示を出しているはずです。

その考え方に異論はないのですが、新たに考えた営業トークを試すような場合は、上位2割の優良見込み客からスタートするというのは、リスクが大きいのではないでしょうか?

まずは失敗してもリスクの低い下位8割の見込み客で、実験をしてみるべきだと思います。
いきなり上位2割に挑むのは、ドラゴンクエストで言えば「こんぼう」でラスボスに向かっていくようなものです。勝てる訳がありませんよね勝つためには武器を磨いて「聖剣エクスカリバー」(なんか強そう)のようなモノで挑むべきなのです!

そのような理由から、まずはたくさん実験をして、たくさん失敗をしましょう。そして少しずつ精度を高めながら、本命のターゲットに臨むことを推奨します。

■台本に「ご興味はございませんか?」を入れてはいけない理由
さて、改めてリモート営業のツールを確認してみましょう。

・Web会議システム
・電話
・メール

この3つがメインになると思います。

新規開拓というシチュエーションで考えると、いきなり初回からWeb会議システムで顧客とコンタクトを取ることは困難ですから、除外します。

次に電話ですね。これは俗にいうテレアポという形になりますが、新規開拓のファーストコンタクトはテレアポがベストでしょう。

理想を言えば、電話でファーストコンタクトを取る際にその電話口で話を進めることができて、クロージングも完了し、さらに購入まで持っていければ最高ですね。しかし、それはかなり高度なテクニックが必要ですから、現実的に考えると電話でアポイントを取ってから、次回はWeb会議システムでの商談に繋げるのが良いでしょう。

テレアポの際には、スクリプト(台本)を事前に作成することは必須です。しかし、スクリプトがなくても上手くいく(可能性がある)方法もあります。名付けて、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる大作戦」です(笑)

この作戦は、とにかく電話をかけまくって「〇〇にご興味はございませんか?」と言いまくるのです。

かなり高い確率で「興味ないです」という答えが返ってきますが、ごくたまに「Yes」をいただける事があります。

可能性はゼロではないのですが、確率が低すぎますし、こんなことを続けているとメンタルがやられてしまう恐れがありますので、絶対にやらないようにしてください。

スクリプトを作成する際には、「ご興味はございませんか?」というフレーズは使用禁止にすることをオススメします。その理由は単純で顧客が「興味がある訳がない」からです。

これは訪問営業でも同じことです。顧客の購買意欲が上がったことを確認した後で言うのはOKですが、冒頭に商品説明をした後でいきなり言ってしまうと、かなりの高確率で「NO!」となるでしょう。

特にテレアポは、無策で臨んでしまうとスクリプトを作成したとしても、成果率が1%以下という調査結果があるほど難しいのです。

では、その確率を上げるための方法をお伝えしたいと思います。そのひとつは、「事前にダイレクトメール(以下DM)を送る」ことです。古典的な手法ですが、効果が見込めます。

または見込み客のメールアドレスが分かれば、事前にメールを送るのもアリです。FAXでも同等の効果が期待できます。DMで一番ネックになるのは、送料と配送する手間がかかることですかね。

■テレアポで自然な流れを作る方法
さて、テレアポの初心者が一番ハードルを高く感じるのは、トークの冒頭のようです。
営業マン「もしもし〇〇株式会社の△△と申します。少々お時間を頂戴したいのですが、宜しいでしょうか?」
見込み客「どのようなご用件でしょうか?」
営業マン「弊社は○○という製品を取り扱っております。この製品を使うと◇◇というメリットがございます。」
見込み客「……はい、そうですか…」
営業マン「……ご興味はございませんでしょうか?」
見込み客「間に合っておりますので結構です。」

見込み客のリアクションを確認しないで製品のメリットを伝えても、このように惨敗するだけです。リアクションが無いので、沈黙という空気感に耐え切れずに「ご興味はありませんか?」というクロージング的なフレーズを早々に使ってしまうのです。

こちらの都合でいきなり電話をしているので、冒頭で「なぜ電話をかけたのか?」という説明をしないと、お客さまは不安になります。何が目的だか分からない電話に付き合うのは、誰でも嫌ですよね。そのような理由から、電話をかけた大義名分を事前に用意しておいた方が良いでしょう。

DMやメール、FAXを事前に送っておけば、電話の冒頭は以下のように入っていけます。
営業マン「もしもし〇〇株式会社の△△と申します。先日、DMを送らせていただいたのですが、読んでいただけましたでしょうか?」

テレアポはもちろん営業トークで相手のリアクションを引き出したい場合は、簡単な「質問形式」を使うと効果的です。

私の営業トークは、基本的に質問を中心に構成されています。質問をすると答えるのが嫌だとしても、何か言ってくれるので話が続きますよね。その次の質問をして、話を継続させながら情報を引き出せれば、自然な流れが作れます。

■DMは送ったという事実があればOK
話をDMを送るところまで戻します。DMの内容ですが、ゴチャゴチャさせないで、可能な限りシンプルなほうがよいでしょう。資料を作るときは、たくさんの情報を詰め込みたくなるものです。しかし、売り込み感満載の製品PRを「これでもか!」と載せたDMをパッと見ただけでお腹がいっぱいになり、一気にゴミ箱行きとなってしまう可能性が高いと思います。

DMも顧客視点を持って作成しましょう。資料の枚数は1枚がベストです。何枚も入れると読んでもらえる確率が下がります。

そして、極論になりますが、最悪は読んでもらえなくても大丈夫です(笑)確かに送ったという事実さえあれば十分です。その事実があれば、「DMを読んでいただけましたか?」と言えますから。この質問をしたいが為のDMなのです。むしろ「読んでくれていたらラッキー!」ぐらいの気持ちでいればよいでしょう。

ですから、そのあとのトークは、次の2パターンを用意しておきましょう。

・読んでいないバージョン
・読んでいたバージョン

ポイントとなるのは、DMを使って「冒頭のハードルを越える」ことです。それと「メンタルの維持」です。

テレアポは少し話の歯車が狂うとメンタルがやられはじめます。ですからメンタルをやられないような流れを作ることは必須となります。

あとは、この電話の導入部分で最も気を付けたいことは、見込み客に「売り込みの匂いを感じさせない」という事です。重要なことですので、電話中は常に意識をしておいてください。

そして、リードの質も大変重要です。この内容が良ければ良いほど、そのあと展開がしやすくなります。見込み客はあなたと同じ業界にいて、あなたの製品を使えば問題が解決したり、仕事がラクになる方です。共通項がたくさんあるので、話を進めやすいということを忘れないでください。

※『リモート営業の極意 外資系トップセールスが教える"会わなくてもバンバン売る"技術』(財津優 著 WAVE出版) より紹介

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財津 優 TEAM Z代表/営業戦略クリエイター

【プロフィール】
大手外資系企業で入社1年目に売上金額と新規獲得顧客数の両方でトップを獲得。2017年にはニューヨークや中国でも表彰され「winner」の称号を獲得。そのかたわら演会やセミナーの開催、セールスコンサルティングも行う。現在は首都圏の大学でキャリア形成の講義を担当。著書に『世界No.1営業マンが教えるやってはいけない51のこと』(明日香出版社)『リモート営業の極意 外資系トップセールスが教える“会わなくてもバンバン売る”技術』(WAVE出版)。

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