20131031

インターネットで「税理士」というワードを検索すると、税理士の年収について記載された記事が大量に出てくるようになりました。また、当サイトでは会計業界に関する様々なコンテンツを配信していますが、その中でも「年収」に関するコーナーの閲覧数が飛びぬけて多い状態です。この状況は、世の中の税理士、科目合格者が“自身の属する業界の年収”について非常に高い興味を示されていることの表れなのだと思います。 今回のトピックスでは、開業税理士と勤務税理士の年収水準の実態について触れてみたいと思います。

開業税理士の平均年収

以前は開業税理士であれば1000万円以上、高所得税理士ともなれば3000~5000万円、1億円越えも夢ではないと言われていた年収相場ですが、現在開業をされている税理士の中には、年収300万円以下という方も珍しくない状況となっているようです。(詳細は「【会計士Xの裏帳簿】税理士の60%は年収1千万円超え。1億円以上も夢ではない!」を参照下さい)
※年収500万円以下の税理士の中には、主婦や第一線を退いたシニア層、開業したての若手層が比較的多く含まれています

勤務税理士の平均年収

一方の勤務税理士の年収相場はどのような状況になっているのでしょうか。
日本税理士連合会の調べによると、勤務税理士の中でも700万円以上稼げている方の比率は少なく、むしろ400~500万円くらいの年収の方が多くなっているようです。 因みに会計事務所によって給与水準の高低はありますが、中には年収300万円台の税理士も存在するようです。
そのような状況を鑑みると、勤務税理士の中にも年収を上げていくことに苦労をされている方は多いのではないかと推察できます。

税理士の年収は下がる一方なのか?

税理士の年収相場は若干元気がないように感じますが、実際にあなたの年収が上がらない、ということではありません。統計はあくまで統計であり、実際に高い年収を稼ぎだしている税理士も多く存在します。そして、何よりも「できる税理士」は開業をしていても、していなくても常に稼げる税理士になる為の努力を怠っていません。
仕事が出来る税理士は自ら顧客に提案をし、定型業務以外のアドバイスやコンサルティングサービスを着実に行っています。組織に属しながら年収をUPさせていく方であれば、税理士としての専門性を常に高めて、役職を上げていくことで1000万円以上を狙うということも十分可能です。税理士法人に勤務されている方であれば、パートナー税理士となることで相応の役員報酬を享受することも可能です。

開業という選択肢

もしあなたが1000~2000万円という水準ではなく、それ以上を目指したいということであれば、勤務税理士という立場を捨てないと実現は難しいかもしれません。
しかし、開業しても顧客がつかなければ高い報酬を得ることは難しいため、独立後は、高収益な案件の獲得、複数のコンサルティングサービスの展開、新規顧客の獲得などが問題なく出来るような仕組みを完成させなくてはなりません。従業員を雇い、事務所の規模が拡大すれば、その分所長の報酬も高くなりますので、組織に雇用されていた時の年収を遥かに超えていくことも可能です。

開業税理士、勤務税理士のどちらであっても、稼げる税理士になる為には日々の努力が不可欠です。
その努力の仕方にも幾つかのポイントがありますので、気になる方は別トピックス「稼げる税理士7つの法則」をご覧ください。

(文/チーフキャリアアドバイザー 高橋良輔)


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