「仕事を効率化して早く帰りましょう」とか「生産性を上げましょう」といった事があちこちで叫ばれています。 従来よりも生産性が向上し、早く仕事をこなすことができれば、空いた時間で追加の仕事をするか、早めに帰るかを選ぶことが可能となります。仕事の効率化と生産性のアップは、ワークライフバランスを推進する立場の人にとっても、仕事が人生の目的になっているような人にとっても合意できる素晴らしいアイディアです。 でも「そんな事言うけど、具体的にどうすればいいの?」とか「それができれば苦労はしないよ…」といった声もあるかと思います。 そこで今回は、仕事の効率化に効果を発揮する取っておきの考え方をご紹介します。4つの内容を意識するだけで仕事が驚くほど改善する方法ですので、今日から仕事に取り入れてみてくださいね。
仕事の質を下げずに、投入する時間を削減したい。これは経営者の方も従業員として働いている人も皆さんが共通して願う事だと思います。では、どうやって投入する時間を削減したらいいのか。まず思いつくのが働く人の能力の向上だと思います。 自分自身の能力が向上して今まで二時間かかっていた仕事を一時間でできるようになるとしたら素晴らしいですよね?でも、本記事は『お金をかけずに今日から』使える考え方を紹介することが目的です。私には今日これから働く人の能力がいきなり向上する魔法の記事は書けませんので、能力向上というアイディアは本記事では触れないこととします。 次に、道具を活用するという方法もあります。二時間かけてやっていた仕事を道具の力で改善できたらいいですよね。穴を掘る作業に重機を導入したり、商品にICタグを貼っておいて棚卸の手間を削減したりといったアイディアです。 これも非常に強力な効果が得られそうですよね。ただし、こちらも『お金をかけずに今日から』使える考え方ではないので本記事では触れない事とします。 と、こんなことばかり書いていると「いつになったら肝心の方法を紹介してくれるんだ!」という声が聞こえてきそうなので本題に入りますね。
少し前に『事業仕分け』といった考え方が世の中を席巻していました。「行政が使っている予算は無駄が多いから、いらない事業とか効果的でない事業はやめますよ。」といった内容です。 この政策の是非はともかくとして、『やめてしまう』という考え方は仕事を効率化するためには極めて大切です。一番時間を節約することができる方法は『やめてしまう』事ですからね。 例えば、あなたの毎日の仕事の中で明らかに無駄なことってありませんか?誰も読んでいない日報を書いていたり、昔は意味があったけれども今となっては意味のない行為を習慣として続けていませんか? 心当たりがあれば、今日からこういったあまり意味のない仕事をやめてみてください。大きく時間が節約できると思います。 今日する事その1:必要ない仕事はやめてしまおう
みなさんのオフィスでも「あ、新宿に行くんだって?だったら、ついでに○○してきてよ?」って言葉を聞くことがあると思います。 この『ついでに』という考え方も時間を節約するために非常に大切です。上の例ではせっかく新宿に行くのだから、ついでに新宿周辺でやるべきことは済ましてきてしまった方が良いのです。(地名は皆さんの身近な地名で読み替えてみてくださいね。) 顧客と約束を取り付けたら、他の案件も『ついで』に話してくる。近くまで来た『ついで』に立ち寄れるように顧客の地域と時間を意識して調整する。たったこれだけの工夫で見違えるほど時間が節約できると思います。 今日する事その2:ついでに要件を済まそう
仕事の順番って実はすごく大切です。何かの仕事をするためには、必要な資料や道具をそろえたりといった準備の時間が少なからず必要となります。そして、準備の時間は基本的に何も生み出していない時間になっています。言い方を変えると準備の時間は必要だけどムダな時間なんですね。 そこで準備の時間が少なくなるような順番で仕事をやりましょうという発想があります。例えば、交通費の精算処理のために社内システムを起動し、その後メールチェックを行い客先に出向き、帰社後、再び社内システムを起動して日報の作成を行う、といった仕事をしている人がいるとします。 この場合、交通費の精算処理と日報の作成処理を帰社後にまとめて行えば、社内システムの起動や一日の行動の振り返りが一度で済むため効率が良くなりそうですよね。 がむしゃらに仕事に取り掛かるとどうしても無駄が発生してしまいますので、効率の良い仕事の順番を一旦考えてみましょう。 今日する事その3:効率の良い順番で仕事をしよう
物事を必要以上に難しく・複雑に行っていませんか?本当に今取り掛かっている仕事は、そんなに複雑で手間のかかる手順を踏まないといけないのでしょうか? もっと簡単にできる方法があればその方が良いですよね?取り掛かろうとしている仕事を単純化できないか、もう一度考えてみましょう。 今日する事その4:シンプルにしてみよう
さて、上から順番に『やめてしまう』『ついでにやる』『順番を変える』『シンプルに』と書いてきました。実はこの方法、工場などの改善で使うECRSと呼ばれる考え方なのです。(それぞれの英単語の頭文字をとってECRSと表記されます。言葉の解説は「ECRSの原則」こちらです。) そして、ECRSという頭文字の並び順にも意味があります。ECRSというのはアルファベット順でもなければ、日本語訳の順番でもありません。実は「この順番で検討しましょう」という順番なのです。 まずは『やめられないか』を検討します。やめてしまうのが一番時間の節約になりますからね。そして、やめられない業務について『ついでにできないか?』『順番を変えられないか?』『シンプルにできないか?』を順に検討していくのです。 どうでしょうか?今日からでもできそうなアイディアですよね?この考え方は今日からでもできますしお金もかかりません。また実際に製造業で成果を出している考え方です。ぜひ今日から早速取り入れてみてくださいね。 《参考記事》 ■コスト不要の業務効率改善! ホワイトカラーこそ3Sを甘く見てはならない。 榊 裕葵 ■トヨタ自動車が過去最高の生産台数を達成しようとしているのに、何故中小零細企業は景気が良くならないのか ~ダンダリン第6話の補足 榊 裕葵 ■転職準備のすすめ 岡田ひろみ ■追い出し部屋が出来る理由。 ~ミクシィは悪くない~ 中嶋よしふみ ■「○○どんは一生懸命働いて長者になりましたとさ」なんて言うのは昔話だけのお話です 岡崎よしひろ 中小企業診断士 岡崎よしひろ シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |