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7月13日、『国際女性ビジネス会議』が開催された。第19回となる今回のテーマは、「Game Changer」。既存の社会のルールや決まり事、固定観念を根底から見直そうという思いのもと、講演、トークショー、円卓会議、パーティセッションなどが行われた。

Woman type編集部によるレポート第2弾は、円卓会議『組織のルールを変える。女性管理職たち』の内容を取り上げる。組織の中で女性が管理職になるというのは、どういうことなのか。グローバル企業から経済産業省までさまざまな組織で管理職として働く4人の女性たちの視点で語られた。

■働き方、新ビジネス、コミュニケーション――
女性管理職が社会にイノベーションを起こす


円卓会議『組織のルールを変える。女性管理職たち』に参加したのは、ファシリテーターを務めたコカ・コーライーストジャパンの青山朝子さんのほか、3人の管理職女性たち。ディスカッションは、青山さんの「女性管理職は職場や組織、社会にどんな変革をもたらせると思うか?」という問いかけからスタートした。

「私は、今の部署で残業時間を無くす改革を行いました。1日4時間以上の残業が当たり前の組織でしたが、18時には退社できるように風土を変えて。各自の担当業務の割り当てを見直し、定時の時間内で仕事が回る働き方の仕組みをつくったんです」

こう語るのは、グーグル株式会社のランドバーグ史枝さん。自身が管理職として行った働き方改革で、チームの業績向上に貢献したという事例を紹介した。

ecute(エキュート)などのエキナカ事業の仕掛け人、東日本旅客鉄道株式会社の鎌田由美子さんは、これまでにネガティブなイメージがあった「駅」の印象を、オシャレで便利な場所へと変えたという。管理職としてチームを率いて、JRのビジネスにイノベーションを起こしたのだ。

ダイバーシティ企業の選定に携わってきた経済産業省の坂本里和さんも、「これまで日本が男性社会だったからこそ、女性にしか起こせないイノベーションがあるはず」と話す。

■「出る杭」になっても大丈夫!
上司も部下もうまく動かす“伝え方の極意”


一方で、変革をもたらすには、組織の中で「出る杭」となる必要がある。だが、日本のカルチャーの中では、出る杭になることが嫌われがち。どうしたら、自分の意見を通しつつ、うまく組織の中で立ち回れるのだろうか。

坂本さんは、管理職になったばかりの女性がやってしまいがちな失敗を例に、次のようなアドバイスを送った。
「管理職になりたての女性は、『正しいことを言い続ければ理解してもらえる』と思いがち。でも、組織の中にいる男性にとって大事なのは、往々にして『誰に言われるか』ということだったりします。何を言っても動かない男性上司を変えたいと思うなら、まずはその上司の上司を説得してみる。または、社外からの圧力を加えてみる。遠回りのように見えることが、目的達成の近道であるケースもありますよ」

ランドバーグさんも、部下を動かすときに気を付けている“伝え方の極意”があるという。
「本当に人を動かしたいなら、本人の意思で動いてもらうことが大切。だからこそ、指示や命令はしてはいけないんです。相手が部下なら、どんどん質問をぶつけ、考える機会を与えてみてほしい」

■「管理職になる魅力が何なのか分からない」
経験者だから分かるリアルなアドバイス


円卓会議の中では、会場の参加女性から質問やアドバイスを求める声が複数挙げられた。その中でも、「ロールモデルがおらず、管理職になる魅力が何なのか分からない」という質問に、多くの参加者が共感を示していた。

「私も実は、管理職に就くことを打診されて戸惑った経験があります。荷が重過ぎると感じて。でも、思い切って管理職になってみて、会社全体のことを意識し始めたら、自分の視野がすごく広がった。困難なこともありましたが、それも含めて、自分の成長をすごく実感できるのが魅力なのでは」

と鎌田さん。青山さんも、「やりたいことができる環境も整いますよね。自分の呼びかけが社内で影響力を持つわけですから、協力者も得やすくなります」とコメントを加える。

また、一見すると忙しそうに見える管理職でも、裁量の大きさから自由になる時間が増えるという見解など、登壇者からのさまざまなアドバイスを受け、「管理職になる魅力を周囲の同僚や部下にも伝えられそう」という感嘆の声も会場から聞こえた。

「『大変そうだから』と物怖じせずに、管理職を打診されたらまずは引き受けて、失敗したっていいのですから」と坂本さん。

管理職になることに不安を感じていたという人も、これらの意見を参考に、新しいことにチャレンジしてみてはいかがだろうか。働く女性一人ひとりの前進が、日本社会のGame Changeに繋がるはずだ。

取材・文/栗原千明(編集部) 写真提供/国際女性ビジネス会議事務局

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