沖縄県への入域客数が2013年には641万人3700人と過去最高を記録した。県の統計によると国内客が586万2900人、外国客が55万800人となっている。![]() ■外国人観光客7名で、地域の減少人口1名分をカバー 少子高齢化で減り続ける人口。ありがたいことに沖縄は、人口増加中だが、実際は地域差が大きく、過疎に悩む村落、離島は多い。都市部の那覇でもドーナツ化現象により小学校の統合閉鎖が進みだしている。 人口が1人減れば、その地域の年間消費額は124万円減ると言われている。10人減れば1240万円、100人減れば……。人口が減れば地域の力が失われていき、子供たちの未来が不安定になる。 人口が増え続けている沖縄県でも、安心はできない。2025年をピークに減少が始まるとされているのだ。そのため県では「沖縄県人口増加計画」を策定し、県民150万人を目指している。(現在は140万人) とりあえず、人口減少による経済の落ち込みを補うには交流人口の拡大、つまりは観光産業の振興が手っ取り早い。 じゃらんリサーチセンターによると、定住者1人の減少を補うには、日帰り客なら79人、宿泊客なら24人でカバーできるという。外国からの観光客ならば、なんと、たった7人でペイできるそうだ。 地域活性化には、外国人観光客の誘致が手っ取り早いとばかりに、沖縄県では2011年7月に対中国のマルチビザを解禁。以後、中国、韓国、台湾、香港などアジア圏の観光客が急増した。2013年の入域客641万人3700人のうち、県によると国内客が586万2900人、外国客が55万800人となっている。 また、県ではイスラム圏の誘客にも力を入れており、すでにハラールフード対応のリゾートホテルも登場した。地元旅行会社のなかにはイスラム圏の人材を雇用して積極的に営業展開しているところもある。 ■外国人観光客の情報収集力に脱帽 我が家に近い観光スポット「国際通り」を歩くと、修学旅行生を別にすれば、聞こえてくるのは外国語ぱかり。 地元ご用達の飲み屋街にも、そうした人たちが押し寄せだしている。或る晩、人気の飲食店に行ったところ、アジア系観光客の行列がズラリ! 韓国の若者たちであった。 別の日、観光客にあまり知られていない(はずの)路地裏の穴場店でのんびり食事をしていたら、ドーッと外国人グループがやってきた。「こんな店まで知っているのか」とびっくり! 彼らの情報収集力は、日本人観光客より上だ。 ![]() ■円安効果も追い風のアジア大交流時代 互いの国民感情が最悪と言われている韓国からも、前年同期比200%を記録したツアーがあるほど日本旅行が盛り返してきた。特に若い女性たちの間で人気が高いという。 台湾の場合は、5人に1人の旅行客が日本を選ぶとまで言われている。地元の琉球新報の記事によると、現在日本関係で14路線を運航している台湾の中華航空の伸び率は東京方面に続いて沖縄路線が高い。那覇―台北の予約率は、平均80%を超えている。 これら日本への旅行激増は、クールジャパンや食の安全やら色々理由はあるだろうが、円安は、「出」はともかく「入」の旅行産業においては追い風となっている。 沖縄のローカルな場所でも身振り手振りの異文化交流が進んでいる現状を見たとき、観光とは平和産業であることを実感した。民間レベルの交流を深めることが、良好な隣国関係の構築にも役立つはず。多言語対応も含めて海外客に対応した官民挙げてのインフラ整備が急がれる。 【参考記事】 ■沖縄ニュースあれこれ http://kozakoi.ti-da.net/ ■沖縄裏観光ガイド http://okinawa.seesaa.net/category/22527903-1.html ■自ら動く。その先にやるべき支援が見えてくる~『なぜ、川崎モデルは成功したのか?』 http://sharescafe.net/40194832-20140805.html ■企業再生とは「なにもなくなってしまった自分たちに、小さなイチを足していくことの積み重ねだ」~『黄色いバスの奇跡 十勝バスの再生物語』 http://sharescafe.net/37593720-20140311.html ■米軍基地の街「コザ」で進む沖縄台湾交流大作戦 http://sharescafe.net/41547054-20141025.html (写真と文 優しい気持ちで沖縄 鈴木雅子)
![]() シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |