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1位=安倍晋三、2位=小澤マリア・・。ベトナム人に聞いた「知っている日本の有名人」のランキングです。2位に往年のセクシー女優が来てしまうのが意外ですが、昔からベトナムでは日本のアダルトビデオDVDが廉価に出回っていた経緯もあり、ベトナムでは「セクシーでエロい」象徴として小澤マリアの知名度は非常に高いです。

一方で「知っている有名韓国人」となると、イ・ミンホ、チャン・ドンゴン等韓流の俳優や歌手の名前ばかり出てきます。知っているドラマについて質問してみても、断トツ1位の「おしん」に続くのは何故か「ドラえもん」。もはやドラマですらありません。
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■全く話題にされない日本のドラマと音楽
これはベトナムで放送されている日韓ドラマの量が背景にあり、ここ5年で78本の韓国ドラマが放送されているのに対して、日本のドラマは10本しか放送されていません(JETRO調べ)。放映権の安さやストーリーの明快さなど色々な理由があるようですが、結果的にネット閲覧などを含めてベトナム人は韓国のドラマを見て音楽を聴く・・、そんな生活を送っています。下記ベトナムの2チャンネルのようなサイトでの日韓エンターテインメントの書き込み数を比べたものですが、日本のドラマや音楽について話題にする人は非常に少ないです。
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■「クール=韓国」を想像するベトナム人
このエンターテインメントの差異が影響を与えるのがファッションや化粧品といった消費者商品の分野です。これらのカテゴリーでは韓国商品は日本を圧倒しています。クールジャパン施策に力を入れている日本ですが、ベトナム人が日本に「クール」と感じるのはテクノロジーやアニメの分野に限定されています。
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■韓流の後押しでビジネスを伸ばす韓国企業
実際、ファッション・化粧品等の分野では多くの韓国企業がベトナムで売上を拡大させています。特徴的なのは本国での売上が100億円程度の会社が古くからベトナムに進出し、韓流ドラマ・音楽の後押しを受けて売上を伸ばしている点です。韓国企業はイメージの強さに加えて、独特でアピールし易い効能と手に取り易い価格でベトナム市場を攻略しています。

ベトナムは他の東南アジア諸国以上に親日国です。日本人、日本製品であるというだけでのプレミアムはもの凄く高く、仕事をする上で様々な恩恵を受ける事が出来ます。また平均年齢が28歳と若く、これからの消費者市場の広がりが約束されている国だと思います。この環境で日本の消費者向け商品がチャンスを逸しているのは本当にもったいない。まだ一人当たりのGDPが2000ドルと決して裕福ではないベトナムですが、5年後・10年後を見据えた時に非常にオポチュニティの高い市場だと感じています。

【参考記事】
■半数がスッピンで会社に通勤?・・ベトナムの化粧事情
http://sharescafe.net/43459871-20150220.html
■ベトナムで起業した僕がソニーとユニクロで学んだ事(黒川賢吾 経営者)http://sharescafe.net/42171459-20141201.html
■すき家「バイトの乱」から学ぶ「ノー残業制度」の問題点。 (本田康博)
http://sharescafe.net/43084842-20150127.html
■話題沸騰「正社員制度をなくしたらどうなるか問題」を、ファイナンス論的に考えてみた。 (本田康博)
http://sharescafe.net/42781228-20150108.html
■ちきりんvsイケダハヤト「通勤手当廃止」論争で語られなかった「住まいの問題」緩和策。 (本田康博)
http://sharescafe.net/42894098-20150115.html

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