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■さあ試験直前期!で、何すればいいの?

センター試験が先日終了しましたが、受験生は2次試験に向けてまだまだ気が抜けない不安な毎日が続いていることでしょう。時間のある限り悔いのないよう頑張っていただきたいと思います。

ただ、この残り少ない時間で何をするべきかわからないと悩む人はたくさんいるでしょう。教科も大量にあれば、そうなっても仕方ありません。湯島天神に合格祈願の参拝をしてもよいですし、松岡修造さんの日めくりカレンダーを見て気合を注入してもらうのも一つの手かもしれません。

一方、筆者自身が資格学校で教鞭をとっている身ですので、その立場から試験における3つの戦略について具体的なお話ができればと思います。


■その一 自分の持つ時間を視覚化してみる

多くの受験生がいう口癖「あと何日しかない」。しかし、何日しかないという視点”だけ”を考えても生産的ではありません。もちろん自分にプレッシャーをかけたほうが、効果が高いと思えば「あと何日。。。」でも問題ありませんが、毎日そういう状況を続けてしまうと精神衛生上よろしくない気がします。

そのため「あと何日あるから何ができる」という考え方に変えていきましょう。そもそも受験生で受験前に完璧に勉強が終わった人なんていません。誰もが時間が足りないのです。自分に与えられた時間に限界があるなら、限られた時間を最大限活かしていくほうが合格には近づいていくものです。そのため、自分の持つ時間を視覚化することは大事です。

ただし、試験日が近いのに新しい問題を解くことはやめましょう。焦りの気持ちから目移りしてしまうこともありますが、今まで使ってきた参考書や問題集を使い続けることが重要です。


■その二 12時間勉強するという合格体験記神話を捨てる

合格体験記を読んでいると、自分もそうしなければいけないのか?という信じ込んでしまいがちです。

たしかに、先人の知恵を使って学習するのは大事です。この記事も私が教えてきた今までの経験が詰まったものですが、この合格体験記の内容全てを信じすぎないようにしたほうがよいでしょう。特に合格者が受験生時代の勉強時間を語るときは注意が必要です。

体験記の中で、睡眠時間を削って一日12-15時間は勉強していた武勇伝が立ち並ぶわけですが、人間の集中力はそこまで続きません。集中できたとしても、その日の勉強時間が瞬間風速的に12-15時間であっただけで、その他の日はそこまで集中力が上がらず、なんとなく机に向かっていたときもあるわけです。均すと、体験記に記載されるような勉強時間はないケースが多いのです。それだったら集中力マックスになった状態でもう少し短い時間を勉強するほうがより効果的だとは思いませんか?
ちなみに試験時期になると、そういった努力や根性論が美化されがちですが、それよりも集中力が維持可能な時間を決めて、それを毎日のルーティン化してしまうほうが無理のない学習ができるのです。
勉強時間を取ることは大事です。そして、努力をすればその効果も上がることは間違いありません。ただ、集中力が欠けてしまうような超長時間勉強にメリットはないのです。


■その三 睡眠を十分にとりながら9時間の勉強を達成する

といっても「9時間ってかなりの時間を勉強に費やしているのでは?」という印象を持ったかと思います。しかし、以下私が作成した一日のスケジュール例を見ると、受験生にとってそこまで大変なものではないことがわかるでしょう。

勉強時間


この図をみると、勉強時間の合間の休みや昼夜ごはんの休みを入れたとしても、十分に9時間の勉強時間を確保することができるのです。もちろん、勉強時間そのものが受験の目的ではないことに注意をしてください。ただ、(個々人によりますが)少なくとも毎日継続が可能な勉強時間を自身の生活にビルトインできるという意味でかなりの効果があるわけです。

たとえ受験日まで1か月であったとしても、無理した勉強時間で体調を崩すことなく、毎日継続して勉強ができようになるわけです。このようなロスのない勉強時間の組み立てと積み重ねが合格へと近づけてくれるのです。


■最後に

合格切符まであと少し。受験はある意味マラソンと似ています。私も42.195kmのフルマラソンをやりますが、一番きついのが35kmを過ぎたところです。ここで多くの人が順位を落としていきます。あともう少しでありながら、もう足が動かない。受験までの数か月は体力的精神的にもそんな状態になっているのではないでしょうか?そんな状態で無理をした勉強をしても身体を壊すだけです。そして、満身創痍な状態で試験に臨んでも、決して良いパフォーマンスをすることはできないのです。

最後に信じることができるのは自分の頭と体です。そして、その両方のバランスを取るためにも中身の濃い効率的な勉強をしてもらいたいと思うのです。

ラストスパート、応援しています。


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JB SAITO マサチューセッツ大学MBA講師

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