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3月20日付のフォーブスで2017年度の世界のビリオネアが発表されました。

1ビリオン(billion)=10億。ビリオネアとは、日本円に換算すると、少なく見積もっても1,000億円以上の資産を持つ大富豪ということになります。昨年42人だった女性ビリオネアは今年57人になりました。

■自分の幸せは自分で掴むものに変わった
女性の金持ちというと、以前はたまたま生まれた家が裕福で、何の不自由もなく欲しい物を手にしている人、もしくは結婚した旦那さんがお金持ちというケースでした。

昔話にしても、白馬に乗った王子様がやってきて幸せにしてくれるという他力本願なストーリーで、女性は男性に幸せにしてもらうものだとされてきました。しかし、今の世の中、女性も幸せは自分の手で掴み取るものに変化しつつあります。

実際ビリオネアの中にも「実業家は男性」という固定観念を払しょくするような女性経営者が出現してきています。例えば、香港の周群飛女史は、貧しい家庭で育ち、恵まれない環境のもとから心機一転起業し、大成功を収めたというビリオネアです。そのような女性の「自力型ビリオネア」が今増えていることも注目すべきなのではないのでしょうか。

■日本の女性の起業意識
日本の女性起業家の割合は中小企業白書によると、平成24年度は30.3%と約3割程度です。政府は平成27年12月25日閣議決定の第4次男女参画基本計画で、この数値を平成32年度まで維持しようとの目標を設定し、政府は女性の起業家の融資や支援に力を入れています。

多くの人にとって「働いてお金を稼ぐこと」は、どこかの会社やお店で仕事をすることを指します。したがって女性で自分の会社を立ち上げるなど、想像もしない人が多いのかもしれません。しかし、今ある現状を変えたい、起業して自分の自由な時間に働きたいと思っている人は潜在的にいるはずです。

■メリットを最大限生かしてできること
女性が企業を志す主な理由の多くは、「性別に関係なく働くことができるから」と「家族や子育て、介護しながら働けるため」です。このことからも分かるように女性は男性より家族の世話との両立を考えます。

男性が家庭を顧みず働くことは仕方ないと考えられますが、女性が同じことをしたら「素敵だ」とか「かっこいい」と言ってくれるでしょうか。どちらかというと「子供がかわいそう」「家庭はどうなっているのだ」とマイナス面での意見がまだ多いというのが現実です。

そういった意味でも子育てや介護をしながら徐々に規模を大きくしていくという事業形態は女性ならではです。私自身自営業者ですが、働く時間を自由に決められることが自分で働く最大のメリットだと感じています。

■置かれている現状は決してマイナス要素ではない
趣味が高じて気楽に空いた時間だけで仕事をして大儲けする。このような都合のいい起業話はまずありません。会社員のような人や時間の拘束がなくなる半面、どうやって稼げるようになるかはすべて自分にかかっています。さらに子供がいる、介護する親がいることは、どうしても働く時間の一部を割かなくてはならなくなります。

「子供がいるから何もできない。」という人もいますが、本当に子供はハンディキャップなのでしょうか。別の側面では「この子がいるから何とかしなくては。」と、生きがいになり、心の支えになりえます。

ハリーポッターシリーズで有名なJ.K.ローリング女史も生活保護受給のシングルマザーから一転、世界でもっとも有名な児童作家の一人になりました。小説を書いている最中、子供はまだ1歳の手のかかるときであったといいます。小説家になることは彼女の中でも人生の大博打だったことでしょう。

■起業家になるために本当に必要なこと
本来、経営者に女性も男性もありません。ただ、ひたむきな情熱とパワーがあること。そして何より仕事が好きであることが必要なだけです。

自分の好きなことに打ち込めるのは楽しいことです。自分でやって結果が出てくると仕事が面白くなり、もっと頑張ろうと思うようになります。頑張った分だけ結果が出るというのも起業の最大の魅力でもあります。

安定志向のサラリーマンが悪いわけではありませんが、それだけでは経済も活性化しません。起業という挑戦はいつでも可能なのです。ビリオネアのような大成功を収める人も、今後現れるかもしれません。これからの日本において、どのような逆境にいても人生の逆転劇は可能なのだという夢や希望が持てる社会になってほしいと願っています。

【参考文献】
■年収1000万円超えの会社員は「税金」で貧乏になる。(浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/50540586-20170129.html
■なぜ高齢者は預金をたくさん持っているのにお金を使わないのか (浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/50299969-20161225.html
■マイナンバーは税金の無駄遣いの救世主になることができるか (浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/50115713-20161130.html
■あの有名企業も名指しで経産省から勧告、消費税の転嫁拒否という「パワハラ」。(浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/49892463-20161030.html
■配偶者控除見直し論議。そもそもパート労働者は労働を調整して節税しているのか。(浅野千晴 税理士)
http://sharescafe.net/49590772-20160920.html

浅野千晴 税理士

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