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「会社が厳しくなったとき、会社にとって重い経費は人件費。社長は社員の減給をしたいと考える」と言うのは経営コンサルタントの横須賀輝尚氏。ドラマや映画などでは、「来月から減給だ!」のようなシーンがありますが、実際にどんな場合に減給は適法で、またどんな場合に違法になるのでしょうか。今回は、横須賀氏の著書「プロが教える潰れる会社のシグナル」より、再構成してお届けします。



■「みんなで頑張ろう」と減給の相談が始まる
会社経営でかかる経費の中で、その大部分を占めるのが人件費。会社が傾きかけた社長にとっては、その人件費はとても重く見えます。

とはいえ、社員がいなくなってしまっては会社経営も成り立たないので、全員解雇なん てできやしない。そこで、社長が考えるのが「減給」です。よくドラマや映画などで「お前なんか、来月から減給だ!」とか言って社員の給与を一 方的に下げる命令をするシーンなどがありますが、現実的には理由のない減給は「不利益 変更」といって、法律で禁止されています。減給が有効なのは次のとおりです。

■減給が有効なケースとは?
(1)社員との合意がある
(2)規律違反、問題行動による処分
(3)評価制度にともなった降格、減給
(4)会社都合の減給

(1)はそのまま。社員と合意があれば減給できます。

(2)は無断欠勤だとか、問題行動があった場合の減給。ただし、就業規則が整備されていない場合などは無効になりますし、就業規則に定めたからといって、何でも許されるわけではありません。

(3)評価制度も同じ。人事評価を行って評価が下がったから減給、という流れなのですが、これも合理性がなければその減給は違法です。

(4)は、経営が悪化したためにやむなく減給をするというパターン。

いずれにせよ、減給って簡単にできないものなのです。ただし、違法な減給だからといって反論したとしても、会社が一方的に決めてしまうこともあります。

その違法性を争うためには、最終的には裁判など法的手段に訴えるしかなく、社員としては弱い立場にあるといえます。

しかしながら、減給にはいろんな方法があります。

基本給である月給を減らすことは難しいのですが、例えば賞与はちょっと性質が異なります。就業規則上で、「◯ヶ月分の給与を賞与として支給する」などと決めていても、法律上賞与の不支給、減額は適法です。なので、まずはこのあたりから始まります。

ほかの減給方法ですが、例えば残業の禁止が行われたり、あるいは会社の休業日が増えたりというやり方もあります。

ちなみに例外はありますが、よくある「住宅手当」とか「資格手当」みたいなのは立派な給与なので、社員の同意なしでは勝手に外せません。一方的に外されたらそれは違法な減給になります。

だから「みんな頑張ろう」なのです。会社は厳しい。でも、これを乗り切ればきっと明 るい未来が待っている。「だから、いまは減給に耐えよう!」と同意を取りにくるわけです。「決起集会」なるものも増えたりします。

もちろん、社員として本当に社長に同意し、可能性に賭けてもいいなら同意するのもひとつの選択。でも、その場合でも社長の役員報酬もちゃんと減給されているかどうかは、チェックしておいたほうがいいかと思いますけどね。

横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

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【プロフィール】
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1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。

公式サイト https://yokosukateruhisa.com/
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