長時間労働から抜け出すために仕事の効率を日々追求している人も多いだろう。しかし実は、効率を追求しても必ずしも働く時間が減るわけではない。 そう語るのは現役会社員・時短コンサルタントの滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『細分化して片付ける30分仕事術 』より、働く時間をコントロールするために必要な考え方を、再構成してお届けします。 ■️仕事と一定の距離を置く大切さ 近年はAIが話題だが、つい最近まではITの技術革新による仕事の効率化が話題だった。たとえば書類のやりとりも郵送からFAX、その後メールに変わった。それによりビジネスのスピードは驚くほど進化した。AIの登場によりこの傾向に拍車がかかるのは間違いない。 こうした時代に必要なのは「仕事と距離をおくこと」だと私は考えている。どういうことか。要するに、仕事にすぐ飛びつかないことが大切だということだ。理由は単純。ビジネスのスピードが上がれば上がるほど、どんどん仕事が入ってくるようになるからだ。 それに合わせて仕事をしていけば、どんなに一生懸命仕事をこなしても入ってくる量に負けて仕事は無限に増殖し続ける。そうするといつまでたっても仕事が終わらない。長時間労働を抜け出せなくなるだろう。 ■仕事を効率化しても働く時間が必ずしも減るわけではない ではどうしたらいいのか。自分なりに一定のルールを作って、仕事と距離を置くことが必要なのだ。たとえば今日受けた仕事は明日以降取り組むと決める。あるいはたとえば、受けた仕事は原則1週間以内に終わらせればいい(=すぐに着手しない)と決める。 こうして仕事と距離をおけば、余裕を作り出すことができる。こうした「余白(=距離)」を意識的にもつようにしないと、仕事は無限に増え続ける。結果、どんなに一生懸命仕事をしても仕事が終わらないという悪循環に陥ることになる。意識を変えなければ、長時間労働のループから抜け出せないだろう。 誤解している人が多いが、仕事を効率化しても働く時間が必ずしも減るわけではない。先程も書いたが仕事は無限に増え続けるからだ。働く時間をコントロールしたいなら、むしろ大切なのは仕事と一定の距離を保つことだ。そうすることではじめて余裕を作り出すことができるようになる。 仕事の効率化ももちろん大切だ。しかし仕事と距離を置かなければ、どんなにタスク管理のスキルを高めても長時間労働は抜け出せない。このことは覚えておいてほしい。 【関連記事】 ■「あの件どうなった?」上司の進捗確認で仕事を中断されないためのコツ (滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/61417313-20240413.html ■ビジネスで「即レス」を心がけてはいけない理由 (滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/61417289-20240413.html ■「今、ちょっといい?」仕事 の中断を激減させる小さな習慣 (滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/61417259-20240413.html ■「今日受けた仕事は原則、明日以降に取り組む」だけで仕事が回りはじめる理由 (滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/61417216-20240412.html ■仕事の先送りをやめたいなら、先に仕事の順番を決めてしまえばいい。(滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/61417171-20240412.html 【プロフィール 滝川徹・時短コンサルタント】 1982年東京生まれ。Yahoo!ニュース・アゴラで執筆記事が多数掲載される現役会社員・時短コンサルタント。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけにタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法(日本実業出版社)』他。 シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |