上司やクライアントから仕事を依頼された際「コイツ、飲み込みが悪いな」と思われたくない。そう思うがあまり、二つ返事で引き受けてしまう人も多いだろう。しかし実は、仕事を引き受ける時こそ相手としっかりと話し合うことが大切だ。 そう語るのは現役会社員・時短コンサルタントの滝川徹氏。今回は、滝川氏の著書『細分化して片付ける30分仕事術 』より、仕事を引き受けるときに押さえなければならない急所の解説を、再構成してお届けします。 ■仕事を引き受けるときに確認するべき2つの急所 私は上司やクライアントから仕事を引き受けるときに意識していることが2つある。ひとつはその仕事の「デッドライン」を確認すること。もうひとつは「完成時のイメージ」を確認することだ。なぜこの2つを意識することが大切なのか。例をあげて説明しよう。 たとえば上司から、あるレポートを提出するように依頼されたとする。このときにまず確認すべきことはデッドラインだ。上司に「いつまでにやればいいですか?」と具体的な日にちを確認する。 「なる早(なるべく早め)」など不明瞭な指示に空気を読んで何も言わずに仕事を受けてしまうのはNGだ。両者の認識にズレがあった場合、仕事を依頼する側と受けた側の双方が確認のやり取りでストレスを抱えるだけでなく、後々トラブルになりかねない。 デッドラインが「1週間後」と決まったとする。そうしたら次に「完成時のイメージ」を上司に確認する。 たとえば「1週間後の提出だと、こんな感じになりますね。このようなイメージのレポートでいいですか?」と確認する。仕事の完成時のイメージをすり合わせるのがポイントだ。必要があれば紙に図を書いたりして補足しよう。 ■win-winな条件での合意を目指そう ここで上司から「もう少し○○のデータを追加してほしい」と言われたら、君は上司にこう提案しなければいけない。「わかりました。ただしそのデータは収集するだけで1週間はかかるので、レポートの締め切りは3週間後にしてもらえますか?」 無理なスケジュールで仕事を引き受けないためにはこうして確認・交渉することが大切だ。このように具体的に理由を説明すれば、まともな上司なら交渉に応じてくれるはずだ。 もし期限が最優先事項なら「では追加のデータは不要だ。1週間後に提出してくれ」と言ってくるだろう。レポートの内容が優先なら「OKだ。3週間後でかまわないから、〇〇のデータは必ず入れておいてくれ」と言ってくれるはずだ。 「自分OK、相手もOK」と思える条件での合意(win-win)を目指そう。交渉が万が一難航しても、本音で落としどころを探れば解決の糸口が見えてくる。 こうしたやりとりは慣れていないとストレスを感じるかもしれない。だが事前にしっかりとお互いの認識を一致しておけば、それから先は驚くほど両者ともストレスなく仕事を進めていけるようになる。ぜひ習慣にしてほしい。 【関連記事】 ■上司の評価を下げずに「NO」を伝える賢い言い方(滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/61422011-20240414.html ■メールチェックと返信は別タスクにすると時間管理がうまくいく(滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/61421974-20240414.html ■あなたの仕事が際限なく増える原因は「不安」にある(滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/61421938-20240414.html ■効率を追求しても長時間労働からは抜け出せない(滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/61421915-20240414.html ■「あの件どうなった?」上司の進捗確認で仕事を中断されないためのコツ (滝川徹 時短コンサルタント) https://sharescafe.net/61417313-20240413.html 【プロフィール 滝川徹・時短コンサルタント】 1982年東京生まれ。Yahoo!ニュース・アゴラで執筆記事が多数掲載される現役会社員・時短コンサルタント。慶應義塾大学卒業後、内資トップの大手金融機関に勤務。長時間労働に悩んだことをきっかけにタスク管理を習得。2014年に組織の残業を削減した取り組みで全国表彰。2016年には「残業ゼロ」の働き方を達成。時間管理をテーマに2018年に順天堂大学で講演を行うなど、セミナー講師としても活動。受講者は延べ1,000名以上。月4時間だけ働くスタイルで4年間で500万円の収入を得る。著書に『細分化して片付ける30分仕事術(パンローリング)』『ちょっとしたスキルがお金に変わる「副業講師」で月10万円無理なく稼ぐ方法(日本実業出版社)』他。 シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |