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大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。すでに資格を持っている人はもちろん、資格を取って独立したい人や資格に興味がある人に必読のQ&Aを、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書「資格起業バイブル」から、再構成してお届けします。



■身なりに気づく人は、センスがある
『Q.自分自身が商品になるので、身なりにも気をつかおうと思いますが、考えすぎですか?

横須賀先生の書籍などでは、「士業は人に好かれることが重要」と書いてあります。ということは、士業は自分自身が商品といえると思うのですが、身なりにも気をつかうべきでしょうか? 同業者にこの話をしたら、「考えすぎ」だと一笑されました。』

あなたはとてもセンスのある人です。おっしゃるとおり、士業は書類作成や手続きも商品ですが、自分自身も商品になります。つまり、あなた自身が魅力的であるほど、人は仕事をあなたに頼みたくなります。ですから、服装などの見た目も私は重要な要素であると考えています。

服装については、二段階で考える必要があります。まずは最低限の清潔感のある身なりです。スーツにしわが寄っていないか、ネクタイが汚れていないかなど、ごくごく基本的なことです。「それは新入社員が習うこと。お笑い草」といわれるくらい、身なりに気を使えていえばよいのですが、残念ながら基本的に身だしなみに無頓着な業界なので、徐々に精神が侵されます。「ほかの先生がこんな感じなら、自分もよいか」という具合です。女性の士業で服装に無関心な方は少数派だと思いますが、男性の士業はかなり無頓着であると感じています。

小さなことのように感じられるかもしれませんが、人の第一印象は見た目で決まります。仕事の成果やあなたの実力は、初対面では二の次の扱いになってしまうのです。ですから、気をつかうのに越したことはないのです。

二段階目が、清潔感などの最低限のラインをクリアすれば、次はTPOに合わせたいわゆるお洒落です。私自身、センスがあるかどうかわかりませんので詳しい解説はしませんが、専属スタイリストとまではいかなくても、この段階では家族や友人などアドバイザーをつけたほうが無難です。

■士業は、「減点方式」でチェックされる仕事
「服装なんて、まさかそんな指摘をされるとは思わなかった」私自身、時々コンサルティングの最中でも服装について触れることがあります。なぜ、こういった小さなことを指摘するかというと、士業は減点方式でチェックされる人物だからです。

そもそも、知識的なもの、頭脳的なものに関しては高い評価をもらえます。それは難関資格を通ったからに他なりません。そのため、一般的なイメージとして士業は賢い人・知的な人というイメージを持たれてしまっているのです。ここで起こるのが欠点探しです。誰しも完璧な人と対峙すれば、少しでも自分と近いところ、そして自分より劣っているところを探すものです。心理的にはそれで安心しようとしているのですが、ここで士業にはこんな言葉で欠点を探されてしまうのです。それは「頭はよいのに」というフレーズです。

「あの人は賢いけど、服装が乱れている」「あの人は頭がよいらしいのに、食事のマナーも知らない」などというような言い方です。つまり、人一倍細部に気をつかって、世間とのイメージバランスが取れるのです。ですから、服装や頭髪に気をつかって初めて最低合格ラインなのです。

そしてもうひとつ、士業はやはり細かいところまで気をつかうべき理由が仕事の内容にあります。士業の仕事は法律という仕事です。裁判事務、手続き書類の完備、毎月の帳簿の正確性。こうしたある意味では「完璧が普通」とされる仕事なので、仮にだらしない格好をしている士業がいたら、「こういう細かいところに無頓着な人が、きめ細かい書類作り・法律事務ができるのだろうか」と邪推されてしまう可能性があります。

「服装なんて小さなこと」とまだ思われるかもしれませんが、小さなことに気を使えず、完璧な仕事ぶりをアピールできるでしょうか。そして小さなことができない人に年収1,000万円を超える大きな事務所を経営できるでしょうか。答えはいうまでもないはずです。

■優先順位は低いが、持ち物にも気をつかおう
さて、服装などの見た目に気を使えるようになってきたら、持ち物にも気をつかってみましょう。もし、あなたが「レベルの高い人と仕事がしたい」と考えていれば、ビジネスで使うアイテムも気をつかったほうが結果として希望が叶います。なぜなら、レベルが高い人は服装や持ち物を必ずチェックしているからです。

ただし、必ずしも高級なものを使わなければならないということではありません。最初はどのブランドものを使うかというよりは、見た目に少し気を使えていればよい、というのが私の考えです。

たとえば、同じ打ち合わせをするのにも100円ショップで買ってきた、いかにも事務用というボールペンを使用するのと、1,000円前後でも見栄えがよいペンを使用するのとではやはり印象が違います。特に単価の高い仕事を取り扱う場合には、こうしたアイテムにも気をつかうとよいでしょう。

私も最初は何も気をつかわずに仕事をしていて、ある経営者に「もっとよいものを使ったほうが、よい仕事が来るよ」といわれるまでこうした重要性に気づきませんでした。それから身なりにも少しずつ気をつかい、アイテムも決して高級品ではないですが、よいものを使うようにしています。

もちろん、これはあなたの判断が必要です。身なりはあくまでも付加要素です。ただ、ちょっとした工夫で周りの印象がよくなるのであればぜひ取り組みたいところです。あなたもふらふらっと寄ったショップやお店などで、店員の印象がよかったので思わず必要以上に買ってしまった、なんて経験はないでしょうか。意外と営業というのはこのようにシンプルな面もあるのです。

あなたがまだ服装に気をつかったことがない、ということであれば少しずつ取り組んでみてください。あなたが思う以上に周りの反響は大きいはずです。


横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

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【プロフィール】
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1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。

公式サイト https://yokosukateruhisa.com/
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