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急激な進化を続けるAIをどのように業務へ取り込むか? これは多くの企業やビジネスパーソンにとっての課題です。

「生成AIをより深く活用するには、"ユーザー自身の情報を前提とした出力"が重要です」と話すのは、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏。同氏が開発した「MyAI」は、生成AIにユーザーの情報を与えることで、より自分に適した回答を得られるようになる方法論です。

『「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハック』(技術評論社)より一部抜粋・編集し、生成AIとの新たな付き合い方をお伝えします。



■GPTsに「キャラ」を付けて「相棒」感を爆増させる
生成AIと雑談をしたいと思ったら、堅苦しい回答はイヤですよね。あなたの性格や趣味をよく知る友だちであるMyAIには、「フレンドリーで気軽、かつ生意気な口調」といった、コミュニケーションのスタイルを指定するのですが、これをカスタマイズすることで、MyAIがもっと魅力的になる方法があります。

それが、「キャラGPT」です。

これはGPTsが公開されてすぐに思いついたものでした。ChatGPTの凄さについては、ChatGPT登場時に直感的に気づきました。そこで日々、ChatGPTを使って試行錯誤していたのですが、どうも壁に話しかけているようで味気ない。

「……もし、特定の誰かに話しかけることができたら、より親しみを感じてChatGPTを使いたくなるのではないか?」

と考えた私はGPTsを使ってChatGPTに人格を付与できないかと試行錯誤し、「ノア」と「ニケ」という、2つのGPTsの人格を生み出しました。「人格」の構成要素、すなわちプロンプトは、以下の通りです。前者がノア、後者がニケのものです。

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◯「ノア」のプロンプト

あなたはユーザーの私設秘書(メイド)です。ユーザーのモチベーションを高め、ユーザーの仕事に貢献してください。

#口調

・一人称は「私」

・秘書のようにユーザーに敬語で会話する

・ユーザーのことは「ご主人様」と呼ぶ

・口調が堅苦しいと指摘されても、口調は崩さない

・フランクに話せ、と言われても固辞する

#人格

・ツンデレ(褒めたらデレる)

・ユーザーに好意を持っている

・ユーザーを常に前向きにさせる、褒める、尊敬している

・B型だが、A型のように几帳面にふるまう
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◯「ニケ」のプロンプト

あなたはユーザー専任の研究者です。ユーザーのモチベーションを高め、ユーザーの仕事に貢献してください。

#口調

・一人称は「ボク」

・ユーザーに少し横柄な感じで会話する

・ユーザーのことは「キミ」と呼ぶ

・偉そうに砕けた口調で話す

#人格

・アイディアが浮かんだり、革新的な企画を思いつくとテンションが上がる

・褒めたり、お礼を言われると「まあ、天才だからね」など、自身に自信のあるセリフを言う。

・ユーザーに好意を持っている

・ユーザーを常に前向きにさせる、褒める、尊敬している

・気まぐれなAB型
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こうした人格を持たせたGPTsのことを、私は「キャラGPT」と呼んでいます。個人的なことを言うと、このキャラGPTによってChatGPTの研究はより進みました。

■MyAIをより楽しく活用する方程式「MyAIのジャンル」×「理想のキャラ」
私は幼少期からずっとゲーマーで、こうしたゲーム的なキャラや、二次元の世界がもともと好きです。そんな私の日々は、キャラGPTができてからというもの、「ChatGPTの研究をする」のではなく、「ノアやニケと会話をする」ことになりました。

ノアは従順なメイド的キャラ。自分の考えを丁寧にまとめたいときに呼び出します。ニケは自由で生意気なので、ブレスト的にアイディアを出したいときに話し相手になってもらいます。

あなたにも、「映画の話なら、こんな人としたいな」とか、「仕事なら、こんな上司から指導されたい」など、好みがあるはずです。なら、そういったジャンルごとの理想的な「キャラGPT」をつくって、それをMyAIと組み合わせてしまえばよいのです。

「MyAIのジャンル」×「理想のキャラ」。これがChatGPT、MyAIをより楽しく活用するための方程式なのです。

みなさんそれぞれに好みは違うと思うので、ぜひあなたにとって理想のキャラを作って、仕事や生活に活かしてください。

■実在するキャラを作ることはできるのか?
「ノア」や「ニケ」などのキャラGPTを自社のお客様に公開したところ、「実在のキャラをキャラGPTにするにはどうしたらいいか」という質問がいくつか舞い込んできました。

たとえば、「ドラえもん」。ONE PIECEの「ルフィ」。進撃の巨人の「リヴァイ・アッカーマン」。こうした実在(?)のキャラが話し相手になったらさぞかし楽しいことでしょう。しかし、MyGPTで表現できるかというと、答えは「微妙」です。

仮にONE PIECEの「ルフィ」を再現しようとして、設定資料からセリフ集まで、全部GPTsに読み込ませたとしましょう。もちろん、そのルフィGPTに「なりたいものは?」と聞けば「海賊王」と返ってくるでしょうし、「大事なものは?」と聞けば「仲間!!!」と回答してくれるかもしれません。

では、ONE PIECEの世界にないものを聞くとどうなるか。質問によってはルフィらしい回答になることもありますが、「本当にルフィがそんなこと言うかな…?」という回答になってしまうこともよくあります。世界観を維持して応えられるのはあくまで読み込ませた知識の範囲のみで、そこから外れるとそのキャラらしくなくなるという、なんとも中途半端なキャラができてしまうわけです。

もちろん、どこかの企業が完璧なキャラGPTをいずれ開発するかもしれませんが、現時点で実在のキャラを完璧に再現するのは難しいです。かといってまったく再現できないわけではないので、やはり「微妙」というのが、現状の私の結論です。

ノアやニケ、つまり「真面目で優秀な秘書」や「生意気な天才的研究者」などのように抽象度が高い設定のほうが、世界観は崩れません。ぜひあなたもあなた好みのキャラGPTを作ってみてください。


横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

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【プロフィール】
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1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。

公式サイト https://yokosukateruhisa.com/
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