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大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。すでに資格を持っている人はもちろん、資格を取って独立したい人や資格に興味がある人に必読のQ&Aを、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書「資格起業バイブル」から、再構成してお届けします。



■経営コンサルタントに最短でなる方法とは?
『Q.士業と並行して経営コンサルタントになりたいです。どうしたらなれるでしょうか?

士業と並行して、経営コンサルタントになりたいと考えています。これまで経営経験などないのですが、コンサルタントになれるでしょうか?また、どのような方道を辿れば、コンサルタントへの早道になるでしょうか?』

これまで本書の中で解説してきたとおり、実務以外に強みを持つことは今後極めて重要です。中でも経営についての理解を増し、経営コンサルタントになることができればこれは強力なアドバンテージになります。

士業のお客様は、基本的に経営者です。そのため、「ただ士業の仕事だけする人」と「経営までわかる人」では雲泥の差があります。ですから、コンサルタントにならなかったとしても、経営の知識を深めておくことは、社長の信頼を得るためには必要なことなのです。

さて、本題の経営コンサルタントになる方法ですが、未経験のままいきなり始めるのは難しいといえるでしょう。経営はマーケティング、財務、組織などクライアントの悩みは多岐にわたります。最初からすべての問題を解決することは、未経験ではまず不可能です。

理想をいえば、さまざまな業界で経験を積み、自分でも会社の経営経験を重ねてからのほうがより具体的なアドバイスができるといえますが、この方法は時間がかかりすぎます。そこで、もっと時間がかからずにコンサルタントになれないかと考え、結論として次のふたつの方法を採用しました。

■「手法」や「業界」に特化して専門家になる
まずは手法を特化するという方法です。マーケティングや組織、あらゆることに精通するのは生やさしいことではありません。そこで、一部分に特化します。たとえば、ダイレクトメールの出し方、インターネットマーケティングなど、一部分に集中して詳しくなることを目指します。ひとつの手法に特化して詳しくなることは決して難しくありません。

前述のダイレクトメールであれば、ネット販売大手「Amazon」で「ダイレクトメール」と入れて検索すれば関連書籍がずらりと顔を並べます。最新のものから10冊20冊と購入して勉強すれば、人一倍の知識は身につきます。

手法の知識を深めたら、次はできるだけ自分で実践してみます。ダイレクトメールなら、自主開催セミナーの集客などに使って結果を出してみましょう。コンサルタントの場合、「あなたにはどれだけの実績があるのですか?」と聞かれることがあります。その質問に「自分ではやったことありません」と答えても信頼は勝ち取れません。まずは自分自身で実践することが重要です。

私の場合、インターネットマーケティング、特にビジネスブログの活用に特化してコンサルタント活動を始めました。

開業から1年ほど時間が経過した頃ですが、もちろんそのほかのマーケティングなどに精通していたわけではありません。多数あるマーケティング手法の中から、ビジネスブログのみに特化しました。こうすることで、コンサルタントとしてのカラーも強く出ることになり、結果として注目も浴びやすくなります。

このように、手法特化することが効率よくコンサルタントになるための方法のひとつです。

ふたつ目の方法は、「業界特化」です。もしあなたがこれまでのビジネスキャリアの中でかかわりが深い業界があれば、その業界に絞って勉強し、活動することがコンサルタントになるためには効率がよい方法です。

業界によってルールや慣習は違うものです。マーケティングの手法をすべて網羅するのが難しいのと同じく、すべての業界に精通することもまた至難の業です。ですから、たとえば飲食店専門、小売り専門などと業界に絞ってコンサルタント活動をしていくことが重要になります。

知識の研鑽をし、また自分自身でも実践していよいよコンサルタント活動を始めようという段階になったら、いきなり有料で仕事を取るのは決して簡単ではありませんので、まずは無料あるいは低額でお客様のお手伝いをしていきましょう。そこで結果が出ればあなたの実績になります。こういった実績が集まってくれば、士業の「お客様の声」同様あなたの強力な販促材料となるのです。

■コーチになるという選択肢もある
ところで、これまでコンサルタントになる方法を解説してきましたが、コンサルタントだけではなく、コーチになるという選択肢もあります。コーチとは、簡単にいうと「コーチング」という人を育てる専門的技術を持った職業のことです。

コーチは税理士の顧問料のようなスタイルで月額費用を設定し、「セッション」と呼ばれるコミュニケーションの場において、問題解決を図ります。ここ数年で驚くほど一般化しており、専属のコーチをつける経営者もいます。

コーチになるために国家資格などの公的なライセンスは必要ありませんが、一般的には『コーチ・エィ』などに代表されるコーチ育成機関でトレーニングを受けた後、コーチ業を始めるのがスタンダードです。

私自身はコーチングを学んだことはありませんが、実際にコーチを受けたことがあります。コーチを受けることによって、自分自身の考えが整理できたり、新しいアイディアが湧いたりとコーチングの効果は私も強く感じるところです。

もしあなたがコーチングに興味を持ったら、多くのコーチが無料のお試しコーチングというのを実施していますので、探してみてください。コーチをいきなり学び始めるよりもまずは実際に受けてみて、その効果を感じてみるのがよいでしょう。

横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

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【プロフィール】
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1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。

公式サイト https://yokosukateruhisa.com/
X(旧Twitter) https://twitter.com/pcjyokosuka

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