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大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。すでに資格を持っている人はもちろん、資格を取って独立したい人や資格に興味がある人に必読のQ&Aを、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書「資格起業バイブル」から、再構成してお届けします。



■セミナー営業が中心となる
『Q.コンサルタントとしての顧客を増やしたいのですが、効果的な営業方法はありますか?

士業だけでなく経営コンサルタント業もしていますが、思うようにクライアントが増えません。クライアントをぜひ増やしたいと思うのですが、コンサルタントの顧客を増やすために効果的な営業方法はありますでしょうか?』

経営や人事などどのような分野のコンサルタントにしても、ただ待っているだけではクライアントは増えません。コンサルタントのお客様を増やすにも、営業が必要になります。具体的にどのような営業をしていけばよいかというと、主に自分から仕掛ける営業としては、次の2つが効果的です。

(1)セミナー営業
コンサルタントにとって、もっとも効果的なのがセミナー講師をすることです。セミナーであれば、一方的にしかも多人数に対して自分自身の実績や能力を伝えることができますので、効率がよいといえるでしょう。

これまで述べてきたように、依頼されるような活動を行い、また顧客名簿を集めながらメルマガなどの情報発信をして、自主開催セミナーも随時行うとよいでしょう。実際に私がコンサルティングの依頼を受ける場合も、セミナーを受講していただいた方からあることがほとんどです。

また、単にセミナーを実施するだけではなく、セミナー開催後に個別相談の時間などを設けるとよいでしょう。一度セミナーを受講しただけではあなたのことについて十分に理解していただいたとは言い切れませんので、セミナーの特典などとして個別に時間を設定すると顧問契約のプレゼンテーションもできますので、ただセミナーを開催して終わりとすべきではありません。

(2)教材販売
「いきなり顧問契約を結ぶのはちょっと……もっとどのような活動をされているのかを知りたいです」こういわれることはよくあります。「あなたのことはわかった。もっと勉強したいと思うが、顧問契約まではまだ検討できない。時間がほしい」という段階の方によくある意見です。

このとき、CDやDVD、冊子などあなたのノウハウを体系化したものがあれば、その教材を販売することで、営業活動の一環となります。販売することで利益ももちろん出ますので、効率のよい方法であるといえます。

特にコンサルタント契約が次々に決まったとしても、その契約数には自ずと限界があります。1月に一度、たった1時間の訪問だったとしても、20社から30社が限度です。そういう意味でも、「コンサルティング」以外で売上をつくることのできる体制をつくっておくことが重要になります。

■コンサルタントなら、必ず体系化をして商品にすること
ふたつ目の営業方法のところで、教材を販売するという方法が出ましたが、これは非常に重要なことです。私もセミナーを収録して販売していますが、この教材があることによって全国の方が購入してくださいますし、またそのCDを聞いたりDVDを見たりした方から「個別的に相談したい」という問い合わせがくることがあります。

このように教材販売をすることによって、実際にコンサルティング業務をしていなくても売上が上がることになりますので、ぜひ制作してください。

ところで、コンサルタントとして活動するのであれば、ぜひやってほしいことがあります。それは、「ノウハウのオリジナリティ化」です。経営ノウハウ、組織運営ノウハウなどさまざまなノウハウがありますが、ぜひあなた自身のノウハウを他社にはないオリジナルなものにしていってほしいのです。オリジナリティが発揮されれば、他のコンサルタントと比べられることも競争もありません。

私自身はビジネスブログに関するものからコンサルタント人生が始まりましたが、他社にはないアナログな手法を絡めた方法だったので、あまり競争することなく顧客を集めることができました。オリジナルにすることは決して簡単なことではありません。しかし、もしあなたがオリジナルの経営手法などを開発すれば、それは一生の宝になりますので、長期にわたっても取り組む価値があるでしょう。

■コンサルタントなら、出版を目指そう
最後に、コンサルタントを目指す以上は「商業出版」も目指しましょう。自費出版などではなく、出版社から正式に発刊される商業出版です。私自身、これまでに14冊の出版実績がありますが、これは私が才能にあふれていたから本を出せたのではなく、適切な営業をしたから出せたに過ぎません。

実際のところ、出版は待っていて依頼が来るというのは奇跡的な確率です。多くの著者が自ら出版社に出向き、営業しているのが現実なのです。

士業にとって、出版は決して難しいものではありません。自己評価を低くすることなくチャレンジしてほしいと考えています。狙うべきは法改正、新法成立です。この情報を普段から集め、そして提案できる出版社の編集者ともつながりをつくっておきます。そして、実際に法律が動くタイミングで出版社に提案するのです。こうすることで、出版は現実に近づきます。

実際、私自身14冊のうち8冊が法律に関する本です。2006年施行の新会社法に関する書籍が4冊。当時は26歳で行政書士としての実績はそれほど積み上げていませんでしたが、新会社法という大きな動きに合わせて提案することで本を出すことができました。もし、新法施行がなければ、間違いなくこれほどの書籍を出版することはできなかったでしょう。

つまり断言できるほど、実力よりタイミングが勝負なのです。出版ができれば、コンサルタントとしても士業としても信用度が抜群に高まります。最初から自分には無理と決めつけず、ぜひチャレンジしてください。

横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

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【プロフィール】
yokosuka2021-1
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。

公式サイト https://yokosukateruhisa.com/
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