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「段取りが8割」と言われるほど、計画は仕事の成否を大きく左右します。でも、いざ段取りを見える化して、具体的なアクションにつなげようとすると難しいもの。

今回は、A4一枚から始められて仕事のタイパが大幅に上がる「A4プロジェクト設計図」の書き方について、『賢い人の質と速さを両立させる時短100式(森田ゆき・かんき出版)』から再構成してお届けします。

賢い人の質と速さを両立させる時短100式
森田ゆき
かんき出版
2025-05-21



■まずは全体像を把握する
仕事の8割は「段取り」で決まります。そして、段取りを考えるためには、何はともあれ、そのプロジェクトや仕事内容の全体像を把握するのが先決です。全体像とは、ざっくり言うと「やること」と「所要時間」です。

「やること」の中には「自分でやること」もあれば「誰かに頼むこと」もあります。それらを把握しないまま動き出してしまうと、後々、「あっ、あれもやらなければいけないんだった」「人に頼まなければいけなかったのに忘れていた」「今からでは間に合わない。どうしよう」といった言葉を何度も口にする羽目になります。

そうならないためにも、仕事やプロジェクトが発生する度に、まずはその全体像を把握することからスタートしてください。言ってみれば、プロジェクトの全体像とスケジュールを「見える化」していく作業です。

私の場合、A4の紙に「やること」と、その「所要時間」を箇条書きでどんどん書き出し、自分でやるのか、あるいは人に頼むのかを判断して書き加えていきます。この際、期限もしっかり決めます。期限は「始め」「中間」「終わり」の3つを設定します。

「始め」とは、その作業を始める日時のことです。「中間」とは、成果物を完成させたり、人に頼んだものが仕上がってきたりする日時のことです。そして「終わり」は、プロジェクトの内容によりけりですが、ウェブサイトのオープン日であったり、イベントの本番日であったりと、そのプロジェクトのゴールの日時のことです。

それらをすべて書き出し、各工程に抜け漏れがないかをしっかり確認します。これで、そのプロジェクト全体の青写真、いわば「設計図」の完成です。さらに、それをカレンダーに入れるところまでやれば準備は万端。

この全体像を把握する作業にはおよそ1〜2時間はかかるため、慣れないうちは手間に感じるかもしれません。しかし、プロジェクト全体で見れば、タイパの大幅な向上は間違いありません。

■最優先すべきは「多くの人が絡むタスク」
タイパよく仕事を進めるためには、作業の優先順位を考えることが欠かせません。優先順位の考え方として、「締切が近いものから手をつける」という大原則は多くの人の知るところです。

しかし、締切優先で動いていると、常に締切に追われた感覚で日々をすごすことになります。何より、その順番が本当に効率のよい進め方なのかどうかは、考慮されていません。つまり、タイパのよいやり方であるとは限らないのです。

もちろん、締切を守ることはビジネスパーソンとして大事なことではあります。ですが、それ以外にも優先順位を考えるときに意識してほしいことがあります。それは、「多くの人が絡むタスク」に優先的に手をつけることです。なぜなら、「多くの人が絡むタスク」は調整作業に時間がかかるからです。

複数の人の予定を調整したり、作業を外注したり、相手の都合に合わせて締切を変更したり、相手の作業が遅れたときのリカバリーをしたりと、自分以外の人を巻き込んで行う作業には、とにかく多くの時間と手間がかかります。

「締切が近いタスクから手をつける」の大原則の他に、「時間のかかるタスクには早く手をつけなければいけない」という感覚も多くの人が持っているはずです。その中でも「多くの人が絡むもの」は、時間のかかる作業の最たるものなのです。

そんなわけで、多くの人がかかわってくるタスクには真っ先に手をつけ、人の担当作業や成果物を待っている間に、自分だけでできる作業を進めておきましょう。そうすれば無駄が発生しにくくなります。

表現を変えると、「大→小」で予定を組むイメージです。「大」は多くの人が絡むタスクや、そもそも多くの時間がかかりそうな作業。「小」は、かかわる人数が少ないものや自分だけで完結するタスクです。

「大→小」で予定を組んだり、手をつける順番を決めたりしていると、タイパよく仕事を進められるため、やたらと締切に追われることは激減します。 


森田ゆき Make Value Spirit 代表 時間の投資家・タイムインベスター

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【プロフィール】
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森田ゆき Make Value Spirit 代表 時間の投資家・タイムインベスター

バークレイズ証券、ドレスナー証券(現アリアンツ生命)、AIG損保等、外資系金融機関で役員秘書として20年以上勤務。時間と成果を求められる激務の中、仕事とプライベートを両立するエグゼクティブからタイムパフォーマンスの真髄を学ぶ。2018年に独立。「効率と充実」の両立を実現するオンライン起業サポートをスタート。述べ2000回のセッションを起業家に提供。2021年から自身のタイムパフォーマンスのスキルを活かしてオンラインイベントのプロデュース業も開始。主催イベントで延べ8000人以上を動員。美容系アンバサダー70名の活動サポートも行う。現在は時間の投資家「タイムインベスター」として、仕事とプライベートの両立を追求するビジネスパーソンに、やりたいことを実現し幸福度をアップするタイパ新習慣講座を提供。未来へ時間を投資することで「どんな状況からでも人生は変えられる・幸福になれる」独自のメソッドを提供中。女性の自己実現を応援することを目的としたイベントの企画・プロデュースも手がける。2025年、かんき出版より「賢い人の質と速さを両立させる時短100式」を初出版。プライベートでは75カ国旅行、ミセスコンテストにてグランプリ2冠受賞など、タイパライフを満喫中。1970年石川県生まれ。

公式サイト https://makevalue-spirit.com/
Instagram : @myuki4521
x : @myuki4521

賢い人の質と速さを両立させる時短100式
森田ゆき
かんき出版
2025-05-21

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