![]() 仕事が終わらないのは、頑張りが足りないからではありません。むしろ、頑張らずに効率よく動くことが、成果と時短を両立させるカギなのです。習慣を変え、視点を変え、発想を変えることで、仕事の質とスピードは一気に上がります。 今回は、最小の力で最大の成果を出す思考法について、『賢い人の質と速さを両立させる時短100式(森田ゆき・かんき出版)』から再構成してお届けします。 ■「とにかく頑張る」は封印 タイパのよい時間をすごすために、真っ先に手放してほしいことがあります。それは、「やみくもに頑張ろうとする」ことです。気合いを入れてこれまで以上にバリバリやればタイパがよくなると思い込んでいる人もいますが、残念ながらそれは大きな間違いです。 実は、タイパのよいやり方をするというのは、「頑張る」ことと対極にあります。なぜなら、「面倒くさい」「楽をしたい」と感じる気持ちこそが、タイパを高める工夫につながるからです。つまり、頑張ってしまうとタイパを高めるのが難しくなるのです。 では、どうすればよいのかというと、自己流で頑張るのではなく、タイパがよいとされる既存のやり方を真似すればよいのです。 例えば、あなたの職場に、いつも定時前後に退社している人や、「要領がよいな」と感じさせるタイプの人はいませんか? その人たちの普段の仕事ぶりを観察したり質問したりして、タイパのよいやり方を真似してみればよいのです。 料理も初心者がいきなり「オリジナルの味付けの完成度の高いひと皿」を作ろうとするのはかなりハードルが高いですが、人気のレシピを調べてそれをそのまま真似すれば、ほぼ確実に美味しい料理が作れます。 芸道や武道の世界に「守破離」という概念があります。まずは師匠から学んだ型を忠実に守って実践し、慣れてきたらその型をベースにやり方を少しずつ変え、最終的には型から離れて独自の域に到達する、というものです。 タイパを高めるうえでも、気合いや自己流で頑張るのをやめて、既存のやり方を学んで真似することから始めてみましょう。気負う必要はありません。既存の効率のよいやり方を「習慣」にしてしまえば、頑張らなくてもタイパは勝手にどんどん高まっていきます。 ■忙しいときほど「WHY」を考える 「時間がないのは○○のせい」と、仕事や時間に追われる日々を自分以外の何かのせいにしたくなることもあるかもしれません。 たしかに、業務量の多い職場であったり、上司の仕事の割り振りや指示の出し方がよくなかったりして、それがあなたの忙しさの原因のひとつになっている可能性はあります。しかし、仮にそうだとしても、その環境に置かれたままに言われたことをそのままやっていたら、状況はいつまで経っても変わらないでしょう。 目が回りそうなほどの量のタスクを前にしたとき、あなたは最初に何を考えるでしょうか? おそらく、多くの人は「どうやって終わらせようか」「まずは何に手をつければよいかな?」と考えるのではないでしょうか。つまり、「HOW」と「WHAT」に意識が向くわけです。 一方で、私がサポートしてきたボスのひとりは、いつも「まずWHYを考えなさい」と言っていました。「WHY」は「なぜ」の意味ですから、「WHY」を考えるというのは「なぜそれをするのか、しなくてはいけないのか」を考えることになります。つまり、手段や方法以前の、業務の「目的」に意識を向けるのです。 そのボスはいつも17時には仕事を終わらせてさっさと帰る人で、なぜ「WHY」を考えるのかを問うた私に、「やらなくてよいことを捨てやすくなるから」と教えてくれました。 その頃の私は、役員秘書の仕事を始めたばかりで要領をつかめず、いつも慌ただしくしていました。つまり、やらなくてすむようなことまで仕事に含めていたから忙しかったのです。秘書職を続ける中で、別のボスたちの口からも、「どうしてそれをやるの?」といった類いの言葉を度々耳にしました。 タイパよく仕事をこなしている人たちは、「WHY」を考えることで業務の目標やゴールを明確にし、優先順位を整理したり、取捨選択したりしているのです。 森田ゆき Make Value Spirit 代表 時間の投資家・タイムインベスター 【関連記事】 ■時短とタイパを良くすることは何が違うのか? 本当に意味ある効率化のポイント (森田ゆき 経営者) https://sharescafe.net/62431685-20250620.html ■「いつも仕事が時間オーバーする人」が見落としているスケジュールの落とし穴 (森田ゆき 経営者) https://sharescafe.net/62431705-20250623.html ■仕事のタイパが大幅に上がる「A4プロジェクト設計図」の書き方(森田ゆき 経営者) https://sharescafe.net/62431691-20250620.html ■遊びを優先するだけで、タイパが劇的に変わる理由 (森田ゆき 経営者) https://sharescafe.net/62431626-20250618.html ■変動金利は危険なのか?(中嶋よしふみ FP) https://sharescafe.net/60041384-20221223.html 【プロフィール】 森田ゆき Make Value Spirit 代表 時間の投資家・タイムインベスター バークレイズ証券、ドレスナー証券(現アリアンツ生命)、AIG損保等、外資系金融機関で役員秘書として20年以上勤務。時間と成果を求められる激務の中、仕事とプライベートを両立するエグゼクティブからタイムパフォーマンスの真髄を学ぶ。2018年に独立。「効率と充実」の両立を実現するオンライン起業サポートをスタート。述べ2000回のセッションを起業家に提供。2021年から自身のタイムパフォーマンスのスキルを活かしてオンラインイベントのプロデュース業も開始。主催イベントで延べ8000人以上を動員。美容系アンバサダー70名の活動サポートも行う。現在は時間の投資家「タイムインベスター」として、仕事とプライベートの両立を追求するビジネスパーソンに、やりたいことを実現し幸福度をアップするタイパ新習慣講座を提供。未来へ時間を投資することで「どんな状況からでも人生は変えられる・幸福になれる」独自のメソッドを提供中。女性の自己実現を応援することを目的としたイベントの企画・プロデュースも手がける。2025年、かんき出版より「賢い人の質と速さを両立させる時短100式」を初出版。プライベートでは75カ国旅行、ミセスコンテストにてグランプリ2冠受賞など、タイパライフを満喫中。1970年石川県生まれ。 公式サイト https://makevalue-spirit.com/ Instagram : @myuki4521 x : @myuki4521 ![]() シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |