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大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。なにもないところから資格を使ってどう稼ぐのか?資格を取ることで人生を逆転させた、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書『ごく普通の人でも資格を取ってきちんと稼げる本』から、再構成してお届けします。



■試験勉強の方法より大事なこと
資格試験に落ちる人は、勉強方法ではなく、その人自身に問題があるのであって、試験に受かる人との最大の差もそこにあります。

具体的には、自分が受けようとしている試験について事前に十分なリサーチを行った上で、自分に合った勉強法を確立することが重要なので、自分を客観的に見ることができれば、より戦略的に試験を突破することができるでしょう。

そして、より重要なのが試験に対する「モチベーション」です。

結論から言えば、試験勉強の方法より、モチベーションのほうが圧倒的に重要であると言えます。

なぜなら、どんなにすぐれた勉強方法があっても、モチベーションが維持できなければなんの役にも立たないから。日々試験勉強のやる気を維持するということは、実は最も重要なポイントなのです。

そして、多くの受験者がこのモチベーションの設定方法を間違えています。

よく「試験に受かったときのことを強くイメージして勉強に取り組みました」などという合格体験記がありますが、これはよほど意志が強い方にのみ通用する維持方法です。多くの場合、そのくらいではモチベーションは維持できません。なぜなら、「受からないかも」と少しでも思ったら、モチベーションはあっという間に落ちてしまうからです。

では、いったい何をモチベーションにすればいいのでしょうか?

人によってモチベーションの維持方法は変わりますが、絶対的に必要なものとして、「合格後、資格を使って活動して成功している自分」を強くイメージする必要があります。

本来の目的は資格を取ることではなく、資格を取ってなりたい自分になることですから、このイメージは必須です。

私の場合には、「行政書士として事務所を構え、スタッフ3名くらいで活躍している。売上は年間3,000万円くらいある」。こんな感じでイメージしていました。

スタッフや売上の数字は適当です。重要なのは、そこに向かっていくプロセスにいるんだ、という認識を持つことです。

「行政書士として成功したいなら、試験勉強くらい楽勝でやらなきゃ。仕事ではもっと大変なことがあるはずだ」

勉強が嫌になったときも、このように言い聞かせていました。

勉強が苦しくなって、気持ちが折れそうなとき、「本当に自分がなりたい姿」のために勉強する資格でないと、簡単に気持ちは折れます。

「スキルアップのために社労士試験でも受けるか」と考える人と、「人材に関する分野で活躍したい。そのために社会保険労務士はどうしても必要」と考える人では、モチベーションの厚みがまったく異なります。

ですから、やはり資格の選び方は、試験を受けるときにもきわめて重要になるのです。

■試験の勉強方法は悩まずにプロに聞く
実際の勉強方法については、自分で情報収集するのもひとつの方法ですが、プロフェッショナルに聞いてしまうのがいちばん早いと言えます。

そのために活用できるのが、資格試験の指導をする予備校です。

そうした予備校は、定期的に「無料相談会」などの名目で、試験や資格選びのための相談を受けています。その際に、勉強方法を具体的に聞くのです。私はこの直接聞きに行くということをお勧めします。

なぜ、直接聞きに行くことをお勧めするかというと、ひとつは最新情報が手に入るからです。ネットや本の情報は、どこまで新鮮かわかりません。やはり、最新の情報を持っている予備校から新しい情報を取り入れるべきなのです。

もうひとつは、単純に時間の短縮です。本やネットでもいろいろと調べることはできますが、時間がかかります。友人を通じて合格者を探すのも時間を使ってしまいます。その点、予備校に行けば、すぐに聞くことができるので、時間の短縮にもなるのです。

とくに試験は時間との戦いですから、特に年に1度しかない試験は、早く試験の準備をしないと、すぐに来年になってしまいます。ですから、時間の短縮はつねに意識しましょう。

私の場合も、東京にある資格指導の予備校に最新の情報と勉強方法について、相談に行きました。大学生だった当時はお金もなく、担当の方に「実はお金がなくておそらく模試も受けられないとは思うのですが……独学で勉強する際のコツはありますか?」と頭を下げて聞いた記憶があります。

そこで得た情報は、最新の試験の傾向と今年の注意点、独学で学ぶ場合の注意点でした。このように直接聞きに行くことで、時間の短縮と最新情報の取得が可能になります。

横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

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【プロフィール】
yokosuka
横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

士業専門の経営コンサルタント。2007年に日本では初めてとなる士業向けに経営スクール「経営天才塾(現LEGALBACKS)」を創設し、のべ全国3,000名以上の士業から相談を受け、相談件数は優に2万件を超える。主な著作に『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業BIBLE』(技術評論社)などがあり、25冊20万部超の著者。2023年から士業のための生成AI・ChatGPT活用研究を開始。最新刊『「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハック』を2024年11月に技術評論社より刊行。週刊ダイヤモンド、毎日新聞などメディア掲載も多数。
X(旧Twitter) : @yokosuka_ai

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