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毎日の子育てや家事に追われるなかで、どうすれば笑いある家をつくれるのか? 登録者数30万人以上のYouTubeチャンネルで5人の子どもとの日常を配信するお笑い芸人のエハラマサヒロ氏と、人材育成コンサルタントの大村亮介氏が語ります。

今回は、「許す・感謝する・話を聞く」という、シンプルだけど忘れがちな3つのルールを実践することで、家の雰囲気が一気に明るくなることについて、『新米パパも子育てが楽しくなる 笑いある家のつくりかた(エハラマサヒロ 大村亮介・etolabopublishing)』から再構成してお届けします。



■笑いある家には「許し」がある
家族と一緒に暮らしていると、ちょっとした食い違いや意見の衝突はよくあること。そんなときに必要なのが、「許し」の心です。

人間ですから、余裕がなくなると許すどころか、つい感情的になってしまうことがあります。でも、許し合えたら、家のなかの雰囲気がぐっと穏やかになります。意見がぶつかったときは「まぁいいか」意見がぶつかったとき、まず試してほしいのが、心のなかで「まぁいいか」とつぶやくこと。これ、不思議と効くんですよね。

たとえば、家事のやり方でパートナーと意見が分かれたとき、「まぁいいか」と思って相手に任せてみたら、実はそのやり方のほうが効率的だった、なんてこともあります。もちろん逆のケースもありますが、その場合は次のときに自分の案を試してもらえばいいだけ。

これを繰り返すうちに、「この件に関してはママの意見を優先しよう」「この問題はパパの意見を採用しよう」と、しだいにお互いの意見を尊重するようになっていきます。これが、夫婦間の信頼を深める鍵なんだなと実感しています。

■「こだわり」を捨てることも必要
自分のやり方やこだわり、ありますよね。でも、それを家庭内で押し通そうとすると、トラブルの元になりがち。小さなこだわりが積もり積もって、相手の大きなストレスになっているかも。だからこそ、「これって本当に必要かな?」と自分に一度問いかけてみることがオススメです。

とくに育児や家事は、もっと効率がよくなる方法や別のやり方があるかもしれません。相手の提案に耳を傾けると、意外な発見があることも多いんです。

大村「ぼくの家でも、『やりたいことより今やるべきことを優先する』」というルールを捨てたら、家の雰囲気がすごくよくなりました。」

■自分の欲求を押しつけない
期待って、つい膨らみがちですよね。「子どもにこうしてほしい」「パートナーにはこう動いてもらいたい」なんて思っていると、それが叶わなかったときにガッカリしたり、イライラしたり。でも、その期待ってもしかして、「自分の欲求の押しつけ」かもしれません。

期待って本来、「将来そのことが実現すればいいと待ちもうけること」です。パートナーや子どもの未来を願い、その未来のために今できるサポートをすることが、期待しているってことなんです。

「こうなってほしい」「これをやってほしい」というのは、単なる欲求の押しつけ。そう願うこと自体は構いませんが、願いを相手に押しつけてしまうと、相手の負担になってしまいます。

■笑いある家には「ありがとう」がたくさんある
「ありがとう」という言葉がよく登場する家庭ほど、笑いが生まれる家になります。子育てなんて、みんなで協力し合わないと回りません。

だから、息を吸うように「ありがとう」と言う。たくさん言う。そうすれば、もっと相手のために動こうって思えて、もっと協力し合えるようになる。言えば言うほど、魔法の言葉の力を実感できます!

■「ありがとう」に言いすぎはない
なにかしてもらったときには、どんなに小さなことでも「ありがとう」と言う。あたりまえだけど、忙しい時間を過ごしていると、つい忘れがちになってしまいますよね。でも、このひと言があるだけで、家のなかが明るくなるんです。

たとえば、妻がぼくに「おむつ替えてくれてありがとう」と言ってくれたら、「よし、次もがんばろう!」って思える。逆に、ぼくも「晩ご飯おいしかったよ、ありがとう」って伝えると、妻がちょっと嬉しそうな顔をする。こういう小さなやりとりが、家族の絆をじわじわと深めていくんだと思うんです。

大村「我が家では年末に『1年間のありがとう』を10個書き出して、お互いに伝え合っています。あったかい気持ちになれます。」

■家族全員にポジティブ効果あり
子どもにとっても、「ありがとう」は特別な言葉です。「お手伝いしてくれてありがとう」と伝えると、「自分の行動が認められた」と感じて自己肯定感がグッと上がります。子どもが自信を持てるきっかけにもなるわけです。

「ありがとう」は言う側にもポジティブな影響があります。不思議なことに、自分が感謝を口にすると、心がふわっと温かくなります。笑顔で「ありがとう」と言われて嫌な人なんてほとんどいないから、相手との心の距離も近づきます。「ありがとう」を言い合えば、笑顔が自然と増えていくんです。だから、「ありがとう」という必殺技は、積極的に繰り出していきましょう。

■笑いある家には「聞く耳」がある
家族とはいえ、複数の人間が一緒に暮らしているのが家庭ってやつです。言い換えるなら、家庭も一つの社会なんですよね。だからこそ、互いに「聞く耳」を持たないと、小さな社会はうまく回りません。とくに初めての育児なんて、ママにとっても、パパにとっても、未知との遭遇なわけです。

お互いの負担やストレスを少しでも軽くするためにも、「相手の話を聞くスキル」を上げていきましょう。ここでは聞き方のコツを2つ、お伝えしますね。

(1)ときにはオーバーリアクションで聞く
新生児のころって、授乳やおむつ替えの頻度が高くて、ママはどうしても体力的にも精神的にも負担が大きくなります。外出することも減るので、社会と切り離された感覚を覚えて、精神的に不安定になることも。これ、パパの想像を軽く超える過酷さだったりします。

そんなときこそ、パパは「聞き役」に徹しましょう。ただ黙って話を聞くだけじゃなくて、「うんうん、それでどうなったの?」とか、「えー!そうだったんだ!」みたいに、ちょっとオーバーなくらいのリアクションをしてみてください。これだけでママは「話をちゃんと聞いてくれている」って感じてくれますし、夫婦のコミュニケーション量が自然と増えるんです。

難しいアドバイスなんて必要ありません。ただ聞いて、うなずくだけでいい。お手軽だけど効果は抜群です。

(2)「ちゃんと聞いているよ」と相手に示すこと
「傾聴」という言葉があります。傾聴とは、「あなたの話をちゃんと聞いて、受け入れていますよ」という姿勢を相手に示すことなんです。たとえば、テレビを消して、スマホを置いて、しっかり相手の顔を見ながら話を聞く。

話にうなずいたり、「それは大変だね」と共感の言葉を添えたりする。それだけで、相手との信頼関係がグッと深まります。

このやり取り、実は子どもにとっても大事なんです。親が「聞く姿勢」を見せると、子どもも自然とそれをマネするからです。コミュニケーション力の根幹は、やっぱり家庭で育まれます。だから、夫婦がお互いに「聞く耳」を持つことは、子どもの将来のためにもなるんです。

大村「ぼくもこの方法で妻の話をよく聞いて、ときどきオウム返しすることを徹底していたら、それだけで笑顔が増えました。」

エハラマサヒロ お笑い芸人
大村亮介 人材育成コンサルタント/株式会社アールオージャパン 代表取締役

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【プロフィール】
ehara
エハラマサヒロ お笑い芸人

1982年大阪府東大阪市生まれ。吉本興業所属のお笑いタレント。2009年、2010年「 R-1グランプリ」準優勝、現在はミュージカルなど俳優としても活躍中。モノマネ、ギター、ボイスパーカッション、ダンス、似顔絵、マンガが趣味であり特技。家族7人のYouTube「エハラ家チャンネル」が大人気。ほかに Instagram・TikTok・X(旧ツイッター)も好評。

Youtube エハラ家チャンネル
https://www.youtube.com/@eharakechannel
X @eharamasahiro
Instagram @eharamasahiro
TikTok @eharamasahiro

oomura
大村亮介 人材育成コンサルタント/株式会社アールオージャパン 代表取締役

1980年埼玉県朝霞市生まれ。14歳と2歳の娘をもつ父。2008年に創業した会社では、人材開発や組織改革、事業再生等を手掛ける。なかでも人材育成に強く、これまで1万人以上の育成に携わった経験をもとに「エッセンシャル・コミュニケーション・メソッド」を提唱。現在は育児や夫婦関係にも活躍の場を広げ、「幸せな家族を創る」をテーマに活動中。著書に『 AI 新時代を生き抜くコミュニケーション術』(日本地域社会研究所)。

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