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毎日の子育てや家事に追われるなかで、どうすれば笑いある家をつくれるのか? 登録者数30万人以上のYouTubeチャンネルで5人の子どもとの日常を配信するお笑い芸人のエハラマサヒロ氏と、人材育成コンサルタントの大村亮介氏が語ります。

今回は、子どもの成長をどっしりと構えて見守ることのできる親になるコツについて、『新米パパも子育てが楽しくなる 笑いある家のつくりかた(エハラマサヒロ 大村亮介・etolabopublishing)』から再構成してお届けします。



■「あせるな!それは個性だ!」
「多くの赤ちゃんは10カ月ごろになるとハイハイして、1歳半までに歩き出します」そう言われると、「うちの子、そろそろ1歳なのにハイハイしていないけど、大丈夫なのかな?」と心配になってくることがあります。同じような月齢のほかの子ができていることを我が子ができないと、急に不安になってきます。

そんなときには、こう唱えましょう。「あせるな!それは個性だ!」

1歳までハイハイしなかった子が、1歳半ごろにハイハイをすっ飛ばして突然歩き出した——なんて話も聞きます。子どもには、それぞれのペースがあるんですよね。

■本やネットの情報は「話半分」で
育児本やネットの記事って、便利ですよね。「寝かしつけのコツ」とか「赤ちゃんが泣き止む方法」とか、調べればたくさん出てきます。

でもね、これがクセモノなんですよ。書いてある通りにやったのに、全然うまくいかないことって、山ほどありますから!

たとえば、赤ちゃんが泣き止まないとき。「背中を優しくトントンするといい」って書いてある本もあれば、「泣かせるのも大事。しばらく放っておくべき」って書いてある本もあったりして。「いやいや、どっちやねん!」って、なりますよね。

ここで覚えておいてほしいのは、本やネットの情報を鵜呑みにしないこと。こんなこと言っちゃなんだけど、本書だって例外じゃありません。

ぼくたちも、いろんな情報に振り回された経験があるからこそ、「実際に使えた情報」を厳選してお届けしているつもりです。それでも、本書のやり方が万人に合うとは限らないんですよね。

だから、情報は「とりあえず試してみる」くらいの気持ちでいきましょう。

■成長ストーリーを一緒に楽しむ
周りと比べて焦る気持ち、わかります。「〇〇ちゃんはもう2語文しゃべっているのに、うちの子はまだ『アウアウ』しか言わない」とかね。

でも、それも個性。赤ちゃんそれぞれのタイミングがあるから、あせらないで見守ることも大事じゃないかな、と。本当に見守るだけじゃダメなときは、専門家が教えてくれますから(そういう意味でも健診は大事です)。

どんなにゆっくりでも、子どもが初めてなにかをやり遂げた瞬間は最高です。「初めて寝返りできた!」「初めて『パパ』って言った!」そんな瞬間って尊いなって思うんです。

赤ちゃんって、一人として同じ育ち方はしないじゃないですか。それぞれがオリジナルのストーリーを持っている。子どもの成長ストーリーを一番近くで観られるのは、親の特権です。笑いながら、子どもと一緒に楽しめたらいいですよね!

■「子育ては恋愛と同じ」
どうしたら相手に興味を持ってもらえるか?なにをしたら相手を楽しませることができるか?どこに連れて行こうか?なにをプレゼントしようか?恋愛では、相手の性格や生活環境を考えて、相手が喜びそうなことを一生懸命に考えますよね。相手が連絡をくれたときも、最初はマメに返したりして……。

子育てをしていて思うのは、「子育てってアプローチの仕方が恋愛に似ているな」ってことです。子育てがうまくいってないかも……と思ったら、こう唱えてみましょう。「子育ては恋愛と同じ」

■「即レス」で信頼関係をつくる
新生児のころは泣いて欲求を訴えるので、泣いたらすぐに対応する。乳幼児になると、グズったり、怒ったり、泣く以外の方法で欲求を訴えてきますが、これもすぐに対応します。

もちろん、家事をしているときなど、すぐに対応できないときもありますよね。そういうときでも、「今、〇〇をしているから少し待っていてね」と声をかけるんです。間違っても、無視はしないことです。これを繰り返すと、子どもにとって「自分の思いを叶えてくれる存在」になれるんです。つまり、子どもからの信頼を得られるというわけです。

信頼が得られていれば、少しくらい離れても泣かなくなりますし、イヤイヤ期に入っても聞く耳を持ってくれます。子どもが話を聞いてくれるようになると、交渉できたりもするし、子育ては圧倒的に楽になります。

■先に相手の欲求を満たす
乳幼児期くらいまでの子どもは、自分の欲求に忠実です。その欲求を満たしていない状態で、親の言うことを聞くわけがありません。子どもが素直に聞いてくれるのは、自分の気持ちが満たされたときなんですよね。

たとえば、「お菓子食べたい」と言われたとき、頭ごなしに「ダメ!ご飯食べられなくなるでしょ」はNGです。まずは「うん、わかった。いいよ」と要求を満たす。それから、「でも、晩ごはんを食べられないとママは悲しいから、今は2つにして、残りはご飯のあとにしようね」と言います。

先に相手の欲求を満たす。これを徹底すると、親の言葉に素直に耳を傾けてくれるようになるんです。

大村「うちの娘は2歳半を過ぎたあたりで、「『クッキー2枚だけならいいでしょ?』とパパに交渉を持ちかけるようになりました。」

■「子どもは勝手に学ぶもの」
「子どもはなにもわからないのだから、親が教えてあげなくちゃ!」初めての子育てだと、こう思うかもしれません。

でも、気負うことはないんです。子どもは親が教えたことだけを学ぶわけじゃないからです。「教えていないから、これはできないはずだ」と思っていても、意外とできている……なんてこともあるんです。

こう唱えてみましょう。「子どもは勝手に学ぶもの」なにから学ぶかって?それはもちろん、多くは「毎日見ている親の姿から」です。

たとえば、ママとパパが毎日しているコミュニケーションが、赤ちゃんにとっての教材になります。これって親にしてみたら、ちょっと怖いことかもしれませんがね……。

■子どもに使ってほしい言葉を使おう
子どもは、ママやパパ、保育士さんなど、周囲の大人の話を聞きながら、少しずつ言葉を覚えていきます。話すようになるまでに時間がかかることもあって、「こんなことを言ってもわからないだろう」などと思っていると、これまでに蓄積してきたたくさんの言葉が、あるときを境にドバーっとあふれ出すようになります。

身近な大人が日常的に使っている言葉や表現を、子どもはマネします。だから、子どもに使ってほしい言葉を親も使ったほうがいいんです。

思いやりのある言葉がけや礼儀正しい言葉づかいをするように日ごろから気をつかっていると、子どももそういう言葉づかいをするようになります。

大村「よく行く焼肉屋さんで、2歳の娘が帰りがけに『おいしかったです。ごちそうさまでした。ありがとうございました』と言っていました。それを聞いて急に怖くなり、「『絶対に家のなかで乱暴な言葉づかいはしない』と心に誓いました。」

■「転ばぬ先の杖」も、やりすぎ注意!
やってはいけない行動だって、子どもは経験から学びます。転んで初めて痛みを知って、痛いからこそ「次は転ばないようにしよう」と、転ばない方法を考えて身につけていく。それが成長ってもんですよね。

ハイハイからつかまり立ちできるようになると、世界はいっきに広がります。これまで見えていなかった景色がそこには広がっている。すると、子どもは目を輝かせて、今まで以上にいろいろなものに興味を示します。

手に取ろうとしたり、口に入れようとしたり、よじ登ろうとしたり……。危なっかしくて、見てられない!だから、思わず「危ないからダメ!」って言いたくなる。でも、そこにあるのは成長のきっかけかもしれません。

もちろん、大きなケガにつながるとか、本当に危なかったら止めないといけない。でも、「転ばぬ先の杖」になりすぎても、成長を妨げてしまいます。ときにはズッシリかまえて、子どもが学んでいくプロセスを見守ることも大切なんだなと日々感じています。

エハラマサヒロ お笑い芸人
大村亮介 人材育成コンサルタント/株式会社アールオージャパン 代表取締役

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【プロフィール】
ehara
エハラマサヒロ お笑い芸人

1982年大阪府東大阪市生まれ。吉本興業所属のお笑いタレント。2009年、2010年「 R-1グランプリ」準優勝、現在はミュージカルなど俳優としても活躍中。モノマネ、ギター、ボイスパーカッション、ダンス、似顔絵、マンガが趣味であり特技。家族7人のYouTube「エハラ家チャンネル」が大人気。ほかに Instagram・TikTok・X(旧ツイッター)も好評。

Youtube エハラ家チャンネル
https://www.youtube.com/@eharakechannel
X @eharamasahiro
Instagram @eharamasahiro
TikTok @eharamasahiro

oomura
大村亮介 人材育成コンサルタント/株式会社アールオージャパン 代表取締役

1980年埼玉県朝霞市生まれ。14歳と2歳の娘をもつ父。2008年に創業した会社では、人材開発や組織改革、事業再生等を手掛ける。なかでも人材育成に強く、これまで1万人以上の育成に携わった経験をもとに「エッセンシャル・コミュニケーション・メソッド」を提唱。現在は育児や夫婦関係にも活躍の場を広げ、「幸せな家族を創る」をテーマに活動中。著書に『 AI 新時代を生き抜くコミュニケーション術』(日本地域社会研究所)。

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