 今回は、子育て中の夫婦がすれ違いを起こさないために、あらかじめ決めておきたい「我が家のルール」について、『新米パパも子育てが楽しくなる 笑いある家のつくりかた（エハラマサヒロ 大村亮介・etolabopublishing）』から再構成してお届けします。 ■どうする？夫婦間のすれ違い 家族とはいえ、他人同士がわかりあうのは、ときに難しいものです。 生活リズムが合わなくなって、コミュニケーション不足になって、気持ちがすれちがっていく……そんなことはなるべく避けたい。それを防ぐ手立ては、もう、意識してコミュニケーションしていくしかありません。 ここでは、なにを意識すればいいのか、夫婦間のコミュニケーションに焦点を当てて考えてみます。 ■「最善策はなにか？」をふたりで考える それぞれに意見があるのは当然のこと。ふたりで知識を持ち寄れば、よりよいアイデアにたどりつくってもんです。だから、お互いにすべての意見を出しきって、最善策を考えるようにしましょう。 たとえば、ほかのことで手一杯で「キッチン掃除ができない」ってことが続いたとする。「あなたの担当なんだから、やってよ」って言うこともできるけど、「もっといいやり方があるかも？」と考えたほうが建設的です。 「こんなアイテムを使えば、ラクになるのでは？」「キッチン掃除とお風呂掃除の担当を入れ替えたほうが、やりやすいのでは？」「ふだんは最低限の掃除にして、月１回家事代行にお願いしては？」こんなふうにアイデアを出し合って、今よりよくするためにはどうしたらいいかを話し合ってみる。 「できなかった」過去に注目するんじゃなくて、「できる」未来について話す。そうすると、前向きな話し合いができます。これまでできていなかったことを無理なくできるようになれば、お互いに我慢することが減って、ストレスをためずにすみますよね。 大村「うちでは洗い物が大きな負担でしたが、話し合いの末に食洗機を導入しました。洗濯についても、洗濯乾燥機の乾燥機能を使うことで快適になりました。」 ■険悪ムードの終わらせ方を決めておく もしかしたら、どんなに頑張っても、やっぱり険悪な空気になってしまうことがあるかもしれない。それはしかたない、人間同士だもの。でも、それなら、ケンカの終わらせ方を決めておくのはどうでしょう？ たとえば、「次の日まで持ち越さない」ってルールにする。お互いに疲れ切っている夜に言い合ってしまったとしても、寝たらリセットすると決める。しっかり眠って朝になったら、意外と気分も変わっていて、ふつうに話せるかもしれない。 もしくは、言い合いになったとしても、「挨拶したら必ず返す」っていうルールにしておく。相手が「おはよう」と言ったら「おはよう」と返す。そうやって最低限のコミュニケーションをするうちに、だんだん空気が和らいでいくこともある。これはけっこう効果があります。 エハラ「うちでは『話しかけたら返す』のが暗黙のルール。家族で出かけるとき、準備やらなんやらでバタバタしていたこともあって、電車に乗るときに険悪な空気が流れたことがありました。でも、しばらく電車に揺られて、降りるころにぼくから妻に話しかけたらふつうに返してくれて、険悪ムードはなかったことに。『この人と結婚してよかったなぁ』と思った瞬間でしたね。」 ■自分の貢献をアピールしすぎない 大事なことを言います。これは、子育てや家事にがんばって取り組んでいるパパたちが、ついやってしまいがちな間違いです。それは、自分がやったことを必要以上にアピールしてしまうこと！ わかります。「自分はこんなに頑張った！見てくれ！」と言いたい気持ち。本当に頑張ったんだと思う。だけど、残念ながら、これが地雷を踏むんです。 ママ側からすると、パパがやってくれたことは、毎日ママがあたりまえにやっていることだったりする。しかも、それがあたりまえすぎて、「ありがとう」と言われることもなく（ご家庭によっては言われているかもしれないけど）、ただ家族のためにやっている。 それなのに、たった数回代わりにこなしたくらいで、「ほら、やったよ！ほめて！」と、パパが得意げな顔をしていたら……。同じことをママがしていたとき、感謝の言葉のひとつもかけていないとしたら、自分が感謝されることを期待するのは、やっぱり少し違うと思う。 でも、そう書いておいてなんだけど、もしこれをママが読んでくれているなら、それが期待しすぎだってことは百も承知だけど、一言だけでいいからパパの頑張りをほめてみてほしい。その一言で、パパは何倍も働いてくれるはずだから。 エハラマサヒロ お笑い芸人 大村亮介 人材育成コンサルタント／株式会社アールオージャパン 代表取締役 【関連記事】 ■子育て中に誰もが感じる「時間がない問題」の乗り越え方（エハラマサヒロ 大村亮介） https://sharescafe.net/62508689-20250720.html ■新米パパが知るべき、夫婦円満をつくる産後の家事分担のコツ（エハラマサヒロ 大村亮介） https://sharescafe.net/62508662-20250720.html ■「あせるな！それは個性だ！」子どもの成長を焦らず見守れる親の心得（エハラマサヒロ 大村亮介） https://sharescafe.net/62502791-20250717.html ■変動金利は危険なのか？（中嶋よしふみ FP） https://sharescafe.net/60041384-20221223.html ■世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか？ その1・生活費は800万？ （中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー） https://sharescafe.net/61186482-20240125.html 【プロフィール】 1982年大阪府東大阪市生まれ。吉本興業所属のお笑いタレント。2009年、2010年「 R-1グランプリ」準優勝、現在はミュージカルなど俳優としても活躍中。モノマネ、ギター、ボイスパーカッション、ダンス、似顔絵、マンガが趣味であり特技。家族7人のYouTube「エハラ家チャンネル」が大人気。ほかに Instagram・TikTok・X（旧ツイッター）も好評。 Youtube エハラ家チャンネル https://www.youtube.com/@eharakechannel X @eharamasahiro Instagram @eharamasahiro TikTok @eharamasahiro  1980年埼玉県朝霞市生まれ。14歳と2歳の娘をもつ父。2008年に創業した会社では、人材開発や組織改革、事業再生等を手掛ける。なかでも人材育成に強く、これまで1万人以上の育成に携わった経験をもとに「エッセンシャル・コミュニケーション・メソッド」を提唱。現在は育児や夫婦関係にも活躍の場を広げ、「幸せな家族を創る」をテーマに活動中。著書に『 AI 新時代を生き抜くコミュニケーション術』（日本地域社会研究所）。 
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