![]() ■自分のキャリアと一貫性のある資格を選択する 資格を選ぶときには、資格のカタログからではなく、自分がやりたいことから選ぶことが重要です。なぜなら、自分自身がやってきたキャリアと、自分が本当にやりたいことをリンクさせて、それにふさわしい資格を選び、スキルアップするのが、本当の意味での「人生戦略」になりますし、収入アップにつながるからです。 しかしながら、ただ「自分のやりたいことに合った資格を選びなさい」ということだけでは、あまりにも漠然としています。それに、取っても効果がない資格を選んでも勉強の時間が無駄になってしまいますので、フリーランスとして動きやすい資格と、キャリアから選びやすい資格のジャンルを紹介します。 資格を見極める際に気をつけておきたいポイントとしては、あなたの「キャリアや人生経歴との一貫性」です。この一貫性がないと、フリーランスとしては信用されにくいので、できれば一貫性のある資格を選択するようにしましょう。 たとえば、法律系の行政書士や社会保険労務士の方の中には、前職が法律とまったく関係のなかった人も多く見受けられます。 決してそれが悪いとは言えないのですが、お客様から見たら、「なぜこの人はその仕事を選んだんだろう?」と不思議に思えることも多いのです。ですから、できれば一貫性がある資格を選んでください。 人事や総務にいたから社会保険労務士、経理や経営にかかわることが多かったから税理士など、客観的に見て一貫性がある人とない人では、明らかにある人を信用するものです。 すでに資格を取ってしまっている、あるいはもう資格の勉強を始めているという場合には、「なぜ、その資格を選んだのですか?」と聞かれた際に、「私は○○○という理由からこの資格(仕事)を選んだのです」と言えるようにしておけばいいのです。多少こじつけに近くても、まったく一貫性がないよりはマシだと言えます。 もちろん、なかには心機一転、なるべく前職に関係ない仕事がしたいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、よほどの理由がないかぎり、180度の方向転換は一貫性に欠けることがありますので、選択は慎重にしましょう。 また、せっかくこれまで積み上げてきた経験を、最初からなかったことにしてしまうのも考えものです。ないものを見つけたり身につけたりすることはとても大変ですが、あるものを伸ばすのはそれに比べれば簡単です。 あなたにもこれまで積み上げてきたものがあると思いますので、ぜひそのキャリアにも光を当ててみてください。 ■行政書士、税理士、社労士などのビジネス系資格が向いている人とは? せっかくですから、あなたが自分に向いている資格を選ぶための材料を、少しご提供しましょう。 ここでは、独立できる法律・会計系の資格を「ビジネス系資格」として分類します。この手の資格は、難易度が高いことと、独立開業に向いているというのが大きな特長といえるでしょう。 ビジネス系資格は、独立志向があり、細かい仕事が好きな人に向いています。とくに税理士の数字や行政書士の許認可などは、ミスが許されない仕事です。ですから、仕事をやり遂げる根性も必要です。 また、これらの資格は「話し下手でも看板で仕事が取れる」と考えられがちですが、実際はその逆。難しいことを簡単に伝える必要がありますので、コミュニケーション能力を高めていく必要があります。書類をつくるだけというイメージも強いのですが、実際はそれ以上に人と会う機会も多いのが現実です。 経営者と仕事をすることも多いので、自らの経営能力を高めていく必要も当然あります。さらに、以前に比べ資格者の数も増えてきており、取れば安泰という時代は終わったと言えます。 ただし、将来的に独立したい、法律というジャンルで仕事がしたいと強く決意できるのであれば、多くの人に会えるので楽しい仕事と言えます。私はこのジャンルに入ります。 ■ビジネス系資格の概要 性格による向き不向きも大事ですが、法律・会計系の資格試験は難易度が高いものが多いので、戦略づくりといつまで受け続けるか、そして受からなかった場合にどういう選択肢があるかを事前に考えておくことが重要です。資格のために人生を台無しにすることがないように慎重に考えてください。 資格を取りたいという気持ちが、本当に自分のやりたいこととマッチしているのか。単に資格だけ取れれば、あとは安泰というような無根拠な逃避や、自分が持っている資格をバカにされたから難易度の高い試験に受かるなどという憤怒だけでは、本来自分がやりたいことと離れてしまう可能性があります。 そのため、試験に受からなかった場合の戦略もセーフティネットとして考えておくことは重要です。一見逃げ道のように見えるかもしれませんが、資格で人生を台無しにしないためにも、考えておくべきなのです。そこで、主な資格の概要についてもお伝えしておきます。 (1)弁護士 ロースクール、旧司法試験などから受験可能。ただし、超難解試験。受験するなら落ちた場合のことも考えて戦略を練るべき。扱う仕事は、裁判や法律事務。最近は弁護士事務所に就職できないケースもあり、合格したからといってそれで安泰とは言えない。 (2)行政書士 年1回の試験がある。一般教養があるため(平成21年現在)、運にもかなり左右される。短期間で受かる試験ではあるが相性があるため、受からない場合のことも考えて戦略を練るべき。 扱う仕事は許認可の手続き代行や外国人の各種手続きなど。業務そのものは単発系の仕事が多いので、自分自身でそのほかに関連したビジネスを展開することで大きな展開が期待できる。経営コンサルタントを目指す場合にも有効。 (3)社会保険労務士 年1回の試験がある。年々難易度が上がっているが、行政書士よりは努力が報われやすいと言える。仕事は企業の顧問、労務手続きなど。顧問を取ることができれば、社労士だけでも安定させやすいと言える。 社労士は顧問となると値段勝負になりがちなので、同業他社との差別化がキモとなる。 (4)税理士 科目ごとに受けるという特殊な試験。その意味では努力が報われやすい。経理から申告というのが法人の義務であるため、税理士が増えた現在でも堅い資格だと言える。経営者の懐を見ることになるので、「信頼できる人間」になるのが最重要。 (5)中小企業診断士 年1回の試験がある。いわゆる独占業務がないため、自分自身のサービスのメニューづくりと実績が重要。コンサルタントはこの資格があってもなくてもできるので、資格の取得のみを目的とすることでは意義が薄い。扱う仕事は主にコンサルティング。講演をおこなう診断士も多い。 (6)司法書士 筆記と口述試験がある。弁護士の次に難易度が高い。しかし、その一方で扱う仕事の幅は、さほど広いとは言えない。 扱う仕事は登記、破産手続き、簡易裁判など。ただし、登記に関しては会社や不動産の手続きでは必ず必要となるので、本人の営業力によって成果が決まるケースが多い。 少し大げさなようですが、どの資格を選ぶのかは、あなたらしく生きるための人生戦略の一つです。試験の性質やあなたのこれまでのキャリア、やりたいことや性格などを総合的に判断して、豊かな人生のための資格選びをしていただけたらと思います。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士 【関連記事】 ■資格にとらわれずやりたいことを見つける具体的な方法(横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/62530368-20250729.html ■資格試験に受かる、勉強法より大事なたった一つの心構え(横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/62500140-20250716.html ■資格試験の合否を分ける、勉強方法よりも大事なこと。(横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/62500115-20250716.html ■変動金利は危険なのか?(中嶋よしふみ FP) https://sharescafe.net/60041384-20221223.html ■世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その1・生活費は800万? (中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/61186482-20240125.html 【プロフィール】 ![]() 士業専門の経営コンサルタント。2007年に日本では初めてとなる士業向けに経営スクール「経営天才塾(現LEGALBACKS)」を創設し、のべ全国3,000名以上の士業から相談を受け、相談件数は優に2万件を超える。主な著作に『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業BIBLE』(技術評論社)などがあり、25冊20万部超の著者。2023年から士業のための生成AI・ChatGPT活用研究を開始。最新刊『「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハック』を2024年11月に技術評論社より刊行。週刊ダイヤモンド、毎日新聞などメディア掲載も多数。 X(旧Twitter) : @yokosuka_ai シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |


