unnamed
大企業に勤めていても副業が推奨される今、起業に興味を持つ人は増えています。そんな中、常に注目されているのが資格の取得。なにもないところから資格を使ってどう稼ぐのか?資格を取ることで人生を逆転させた、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏の著書『ごく普通の人でも資格を取ってきちんと稼げる本』から、再構成してお届けします。



■行政書士として成功するには
一部では「食えない資格」と言われながらも、資格受験指導の予備校や通信教育でもダントツに人気が高いのが、行政書士です。その理由は、(1)国家資格である、(2)国家資格にもかかわらず、比較的合格率が現実的である、(3)原則として受験資格がない、(4)独立に向いている、などがあります。

行政書士とはどんな仕事を扱う資格かというと、一言でいえば「法律的書類を作成して提出をする仕事」です。

具体的には、会社の設立関連書類、建設業や不動産業、風俗営業など各種の営業許可のための書類作成・提出代行、相続や遺言に関する手続き、外国人のビザや帰化に関する手続きなどを扱います。

ただし、受験をしている段階では実在の行政書士に出会う機会も少なく、実際にどのような仕事をしているかわかりにくい資格であるとも言えます。

■行政書士の戦略構築ポイント
行政書士の仕事は、終わったら継続しない、いわゆる「スポット業務」と呼ばれるものがほとんどです。そのため、一部では「食えない資格」と揶揄されることもあるわけですが、資格に依存しているからこそ、そのような思考パターンに陥るわけです。

行政書士の仕事は突発的に発生するものがほとんどです。相続にせよ、会社の設立にせよ、お客様の状況に100パーセント左右されます。たとえばお客様に創業の意思があり、会社をつくると決心されたら、会社設立の仕事は発生します。しかし、お客様にその意思がなければ、当然会社はつくりませんので、依頼は発生しないわけです。ですから、行政書士の仕事のみで安定させようと考えたら、圧倒的な人脈と高い能力が求められます。

そこで、ひとつの方法としては、圧倒的な人脈をつくること。これだけで仕事は確実に取れます。

多くの場合、50人に会った、100人に会ったという低レベルの数字の人脈だけでなんとかしようとすることが多いようです。もちろん、数がすべてではありませんが、自分の住んでいる地域すべての人に知ってもらうくらいのことをすれば、行政書士のみの仕事でも十分成立します。

また、資格の悪しき専業理想主義さえ忘れられれば、自由になれます。お勧めの戦略は「コンサルタント」になることです。売上を上げる経営コンサルタント、組織の構築に強いコンサルタントになることができれば、自分の商品をつくって営業することもできます。

行政書士は、自分の業務を生かす商品・サービスの開発が成功のポイントになります。このあたりは行政書士という資格から考えを始めてしまうと、すぐに発想がしぼんでしまうので、行政書士から一度離れたうえでイメージを描くといいでしょう。

■中小企業診断士として成功するには
中小企業診断士とは、経営コンサルタントの資格で唯一の国家資格です。一般的には名称独占資格と言われ、統計によると、独立起業するよりも企業内に残るいわゆる「企業内診断士」と言われる診断士が7割ほどだと言われています。

仕事の内容はその名のとおり、企業の経営診断、助言、コンサルティングを業務とします。仕事の方式に形式的なものがないため、コンサルティングの手法は各自の方法・能力に委ねられていると言えます。

中小企業診断士試験には1次試験と2次試験があり、1次試験合格者のみ2次試験に進むことができます。1次試験と2次試験の合格者はそれぞれ20パーセント程度というデータが出ていますが、これを最終合格率に直すと合格する確率は3~4パーセントとなり、試験の難易度としては比較的高いと言えます。

■中小企業診断士の戦略構築ポイント
前述のとおり、中小企業診断士は「名称独占資格」です。つまり、中小企業診断士だけができる仕事というのは基本的にありません。そのため、中小企業診断士は「使えない資格」と非難の的になることもありますが、逆に資格の悪しき専業理想主義にとらわれる可能性が低く、成功できる可能性も高いと言えます。

中小企業診断士の成功戦略は、いかに実績を積むか。そして、いかに自分色を出すかです。経営コンサルタント=業務改善、問題解決というイメージが多くの企業経営者にはありますから、結局、何ができるのかを伝える必要があります。

コンサルタントの成功法則は、(1)コンサルティングの実績を積むこと、(2)有料コンサルティングまでのステップをつくること、(3)自分のオリジナリティを打ち出すこと、(4)自分の経験、ノウハウをコンテンツ化することです。

まずは、実績がないと話にならないですし、会ってすぐに有料でコンサルティングをお願いするケースなども少ないと言えます。そこで、無料のコンサルティングやセミナー開催なども含め、自分を知ってもらう場をつくるのが効果的です。

そして、何より大切なのがオリジナリティ。たとえば、飲食店に強いとか、10名以下の会社であれば売上を確実に上げられるなど、自分自身の強みを持っておくと、非常に効果的でしょう。

また、コンサルタントが自身で別のコンサルタントを育てていくのは簡単ではありませんので、自分自身のノウハウをコンテンツ化して、書籍や動画などで販売していくことも、利益を出しながら広告ができるので、有効な手段と言えます。

■司法書士として成功するには
司法書士は登記や破産手続きなどを仕事とする国家資格です。試験合格率が3パーセントを切るような難関資格ですが、人気は高く、受験生は年間3万人以上います。試験の内容も筆記試験と面接があり、勉強時間も相当かけなければ、合格しない資格でもあります。

仕事の内容は、登記がその代名詞です。会社をつくる際の登記、不動産の手続きをする際の登記などで、司法書士に仕事を依頼したことがある人もいるでしょう。また、債務整理や少額訴訟なども仕事になり、裁判所に関する仕事も多いのが特長です。

司法書士は昔から仕事を続けている方も多く、各地域の法務局のまわりには司法書士の事務所が多数隣接されています。そのため、登記というと書類を収集し、作成して提出というイメージが強いのですが、最近は登記もネットのインフラが普及されたことにともなって、電子申請が取り入れられています。

■司法書士の戦略構築ポイント
司法書士の戦略は、まずは試験についての見極めをする必要があります。難関資格ですので、ずっと続けていれば受かるかというと、そうでもありません。登記については、実際の登記申請書を書かせるものもあり、レベルの高い試験となります。資格を取ったら安泰ということはあり得ませんので、試験だけに没頭して年月が過ぎてしまうリスクも考えたうえで取り組んでください。

司法書士の営業戦略としては、司法書士だけにこだわりすぎないということです。難関資格なわりには、扱う業務分野はさほど広くありません。ですから、専業理想主義のままでいると、本当に仕事がない場合があります。とくに地域密着で仕事をされている司法書士がいる場合、そこに割って入るのは至難の業です。

仕事を取るのであれば、登記関係は発生元を押さえること。不動産登記の発生元は金融機関と不動産屋です。そうした方面で人脈を得ることです。

また、債務整理などは広告が有効です。債務整理のように人に相談しにくい案件は、広告を通じて集客するのがビジネスの鉄則です。口コミは発生しにくいと考えたほうがいいでしょう。

そして、司法書士は他士業との連携を取ることで仕事を取ることが可能となります。

一般的に、いろいろなところに顔を出し、営業をする司法書士は少数派です。逆に、行政書士、社労士などの他士業はフットワークの軽い司法書士を探していることが多いのです。そのため、資格の難易度の高さから余計なプライドを持つよりは、ひとりでも多くの士業に会った人の勝ちとなります。

横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

【関連記事】
■名刺の裏に取扱業務を羅列する士業がアウトな理由(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
https://sharescafe.net/62659662-20250923.html
■異業種交流会で仕事が取れるフリーランスが、初対面で必ず言っているセリフとは?(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
https://sharescafe.net/62641923-20250915.html
■資格は実は没個性!士業が差別化するための4ステップ(横須賀輝尚 経営コンサルタント)
https://sharescafe.net/62622342-20250907.html
■変動金利は危険なのか?(中嶋よしふみ FP)
https://sharescafe.net/60041384-20221223.html
■世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その1・生活費は800万?(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー)
https://sharescafe.net/61186482-20240125.html

【プロフィール】
yokosuka
横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士

士業専門の経営コンサルタント。2007年に日本では初めてとなる士業向けに経営スクール「経営天才塾(現LEGALBACKS)」を創設し、のべ全国3,000名以上の士業から相談を受け、相談件数は優に2万件を超える。主な著作に『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業BIBLE』(技術評論社)などがあり、25冊20万部超の著者。2023年から士業のための生成AI・ChatGPT活用研究を開始。最新刊『「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハック』を2024年11月に技術評論社より刊行。週刊ダイヤモンド、毎日新聞などメディア掲載も多数。
X(旧Twitter) : @yokosuka_ai

この執筆者の記事一覧

このエントリーをはてなブックマークに追加
シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ
シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています
シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。
シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。
シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。