![]() ■マーケティングを学べば成功できるのか 士業専門コンサルタントの私は、数えきれないほどこんな質問を受けてきました。 「顧客獲得のためには小冊子がよいというのでつくろうと考えています。でも、どんな小冊子を書いていいのかわからなくて……」 この質問に「では、その小冊子は何のためにつくっているのですか?」と尋ねると、多くの人は「仕事を獲得するため」と答えます。実はこれが落とし穴。資格業の仕事はそう簡単に発生しないのです。これは、行政書士の業務を例に見るとわかります。 行政書士の主な業務には、相続、会社設立、建設業など各種許可の取得代行があります。これらの業務が発生するのは不定期です。どの地域のどんな人から依頼されるのか、まったく予測できません。そして不定期に仕事が発生したときに、タイミングよく「自分のこと」を知らせるのは不可能です。 小冊子に限らず、ダイレクトメール(DM)などを使った営業活動には必ずコストがかかります。小冊子は、発注する冊数にもよりますが、1冊300円くらいはかかるでしょう。郵送すれば郵送料もかかります。100部配って1件仕事が発生すれば、それはかなりの高確率と言えるレベルですから、このやり方は大変非効率なのです。 マーケティングは、科学的に分析することができます。通常の商品の場合、顧客について分析し、反応率を見ます。その試行錯誤によって、成約率が上がっていくわけです。 資格業はどうでしょうか。起業するタイミング、誰かが亡くなるタイミング、許認可を申請し新規事業をはじめるタイミングは偶然であり、お客さまの都合に100%左右されます。たとえば、誰も亡くなっていないのに、むやみやたらと相続業務の営業活動をしても、まったく意味がないでしょう。 ■マーケティングの前に必要なこと マーケティング、すなわち販売する方法を学ぶことは極めて重要です。資格業もマーケティングを学ぶ必要があります。ただし、マーケティングは「戦術」であって「戦略」ではありません。まずは戦略が構築されていなければ、学んだ効果は半減してしまうのです。 単に小冊子をつくって業務の案内をしても、コストがかさむだけです。潤沢に資金があるなら、いきなり仕事を獲得するための戦略を採用してもいいでしょう。しかしそうでなければ、すぐにキャッシュが必要なはずです。 小冊子やDMによる営業活動では、キャッシュが入る戦略を考えます。つまり、広告によって「資格業の仕事を売る」のではなく、「資格業の仕事以外の商品を売る」のです。 具体的にいえば、資格業の仕事を依頼する人が欲しいと思う、すぐに売れる商品を開発することが不可欠なのです。 相続問題が出ることは、人生でほんの数回です。そのタイミングでDMを打つ自信があなたにはありますか? 私なら相続対策の小冊子を商品として販売します。それを買ってもらってキャッシュを得て、名前を覚えてもらい、最終的に仕事の依頼を受けます。 資格業の商品がどんなもので、どんなタイミングで売れるのか、そういったことも踏まえずに、ただただ売ることだけを考えてしまうと、必ずどこかで失敗します。運に頼る仕組みは避け、確実に計算できる戦略を練る必要があるのです。 ■どんな資格でも成功できる「資格起業家」 では、もっと大きく成功するためにはどうしたらよいのでしょうか。ポジティブに資格業をビジネスとして考え、儲かるための戦略をつくることです。 この戦略をつくっていくのが、私の提唱する「資格起業家」です。 私自身は行政書士という資格でしたが、行政書士に限らず、どんな資格業でも通用する方法で、私が紹介する戦略の構築方法については、絶対の法則といっても過言ではありません。 資格起業家になるためのポイントは、 (1)経営の基本を知ること (2)資格ことのビジネスモデルをつくること たったこれだけです。2つのことを実践するだけで、資格業でも「非常識」と言われるくらい、成功できるのです。 ■あなたが目指すのは年収300万円?3,000万円超? 最後にもう一度確認しておきましょう。あなたがなりたいのは、「貧乏資格業」でしょうか、それとも「金持ち資格業」でしょうか。 金持ち金持ち、稼ごう稼ごうなどと言うと「俺は金のために資格業をやっているのではない!」と反論する人もいるかもしれません。もしそれが美学なのでしたら、私は止めません。 悪どく儲けることには賛成しませんが、資格業で稼ぐこと自体、価値あるサービスを世の中に提供することなのです。世の中に貢献したうえで、理想の生活を送ることが悪いことでしょうか? 資格業で成功するための最短距離が「資格起業家」になることです。不平不満を言いながら年収300万円で我慢するより、お客さまに喜んでもらいながら年収3,000万円を目指しましょう。 ■マーケティングを取り入れれば、一応は成功できるが では、どうしたら成功できるのか。開業当初、先輩の言うとおりにマネをしてもうまくいかなかった私は、次にマーケティングに関する専門書を読むようになりました。 そして、資格業も営業を考え、マーケティングを取り入れなければならないと信じるようになりました。さまざまな営業方法を試した結果、ようやく成果の出る方法にたどり着きました。 それは、インターネットを活用する方法です。私の場合は予算がなかったために、インターネットに力を入れざるを得なかったという事情もありました。 一般的にマーケティングは、 (1)お客さまを集める (2)成約する (3)リピート化する というのが基本的な流れです。 単純にマーケティングを仕掛けた結果、どうなったか。成果は出たのです。それまでのやり方に加えてインターネットを活用していくと、月商100万円を超える売上を達成することができたのです。行政書士という資格業でも、それなりの成果を上げることができたのです。 ■「労働集約型」である資格業の落とし穴 市販されているマーケティング関連書に書かれているノウハウのとおりに、資格業に当てはめて実践すれば、月商100万円程度の成功は可能です。ただし、資格業はタイミングに左右される、仕事を依頼されればされるほど忙しくなる、といった特徴があります。 資格業の仕事は「労働集約型」と呼ばれるビジネスです。労働集約型のビジネスとは実働が発生する仕事です。たとえば行政書士が仕事を受けると、書類をつくる作業、お客さまと打ち合わせをする作業、役所に書類を提出する作業などの労働が発生します。仕事を依頼されればされるほど忙しくなるのは、単純にこれらの作業数が増えるからです。 事実、私がはじめて月商100万円を超えたとき、自己流で仕事をやってきた経緯から効率の悪さが目立ち、睡眠時間が足りなくなるほどの忙しさだったのです。書類をつくり、お客さまと打ち合わせをし、役所に提出するといったことを、朝早くから夜遅くまで、毎日繰り返していました。 手許には大金ではないものの、一定のお金が残りました。それまでかなり苦しい生活を強いられてきた私にとって、喜びもひとしおでしたが、いったん仕事が落ち着いたときにふと思ったのです。 「今月は100万円以上稼いだ。でも、来月はどうだろう? 見通しは不明だ。しかも、この忙しさでは行政書士業以外何もできない。そして、来月の仕事が不透明なために、人を雇い入れることも難しい」 つまり、資格業で月に100万円程度の売上を達成できるようになると、「物理的に」忙しくなってしまうのです。また、人を雇うほど仕事が入ってくるかといえば、どこにもそんな保証はないのです。 「忙しいのにそこそこしか稼げない資格業」という落とし穴にはまらないためにも、「資格業のためにあなたが行動する」のではありません。「あなたが行動するために資格業がある」という考えのもと、まずは資格起業家としての戦略を練っていただければと思います。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役 特定行政書士 【関連記事】 ■資格業にはびこる常識「最初の3年は食えない」が大間違いなワケ (横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/62794010-20251120.html ■「資格を取れば人生安泰」の時代は終わり。貧乏資格業と金持ち資格業の分かれ目とは? (横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/62764124-20251108.html ■資格を取って幸せになる人と人生が狂っていく人の決定的な違い(横須賀輝尚 経営コンサルタント) https://sharescafe.net/62722724-20251021.html ■110万円の家賃を払う板野友美さんとヤクルト高橋奎二さんの判断が正しい理由。(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/62674731-20250930.html ■世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その1・生活費は800万?(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/61186482-20240125.html ■プロフィール 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役 特定行政書士 ![]() 2007年に日本では初めてとなる士業向けに経営スクール「経営天才塾(現LEGALBACKS)」を創設し、2023年現在、全国3000名以上の士業から相談を受け、その相談数は優に2万件以上を超える。 主な著作に「会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業」(さくら舎)、「資格起業BIBLE」(技術評論社)などがあり、25冊20万部超の著者。2023年から士業のための生成AI・ChatGPT活用研究を開始。 最新刊「『ムダ仕事』も『悩む時間』もゼロにする GPTsライフハック」を2024年11月に技術評論社より刊行。週刊ダイヤモンド、毎日新聞などメディア掲載も多数。 公式サイト:https://yokosukateruhisa.com/ X:https://twitter.com/yokosuka_ai @yokosuka_ai YouTube:https://www.youtube.com/@40lawyers50/ シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |



