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「仕事へのモチベーションが続かない」「年度末になると、どうも疲れが溜まって失速してしまう」――。こうしたパフォーマンスの波は、ビジネスパーソンなら誰もが経験するものでしょう。これは決して意志が弱いとか性格が怠惰だということではなく、人間の自然なサイクルによるものです。

人間は90分や90日など、3の倍数の周期でリズムを繰り返す性質があります。それを理解しビジネスに応用することで、集中力やモチベーションを高いまま維持することができるのです。

この記事では、セールスコンサルタントとして多くのビジネスパーソンをサポートするなかで見出した、生体リズムを利用して自然と高いパフォーマンスを発揮し続ける方法をお伝えします。

■サッカーの試合から学ぶ「アドレナリン・リセット」の法則
よくサッカーの試合で、90分近く走り切って疲労困憊しているはずの選手が、試合終了間際に起死回生のゴールを決めた瞬間、まるで疲れが吹っ飛んだかのようにサポーターの元へ猛ダッシュしてアピールする姿を見ますよね。

これは、ゴールを決めた瞬間の「達成感」という強烈な成功体験が脳に伝わり、瞬時にアドレナリンなどの興奮作用を持つホルモンが脳内に大量放出されるためです。このアドレナリンは、一時的に疲労感を麻痺させ、パフォーマンスを劇的に回復させる作用を持ちます。

人間の集中力やモチベーションは、90分など3の倍数の周期になっています。この集中やモチベーションが切れる前に「成果」や「達成感」を感じることで、サイクルが即座にリセット・ブーストされ、高いパフォーマンスを発揮し続けることができるのです。

つまり、常に最高のパフォーマンスを発揮し続ける秘訣は、モチベーションを意図的にリセットし、再充電するメカニズムを知ることなのです。

■身体に刻まれた周期性:レム・ノンレム睡眠と「3の倍数の周期」
まず、人間の周期についてもう少し考えてみたいと思います。

日本には昔から「三日坊主」や「石の上にも三年」といった言葉があります。これは、3という数字が私たちの集中力やモチベーションの周期と密接に関わっていることを示しています。

私はプライベートで少年サッカーチームのコーチをしているのですが、そのときサッカーの試合時間が3の倍数、つまり人間の周期と完璧に合致していることに気づきました。たとえば、小学生の試合時間は30分程度、プロは90分です。

授業時間においても、小学生の授業時間は45分、大学の講義は90分と、3の倍数での区切りが多く見受けられます。

これは、人間の基本的な生命活動のリズム、特に睡眠サイクルからみて理にかなった時間設定なのです。

睡眠中は、深い眠りのノンレム睡眠と、脳が活動し夢を見るレム睡眠が、おおよそ90分を1セットとして交互に繰り返されます。この約90分の周期は、起きている間にも存在するウルトラディアンリズム(Ultra-Dian Rhythm)と呼ばれ、約90分ごとに集中力が低下する時間が訪れるとされています。

90分、45分(90分の1/2)、15分(45分の1/3)と、集中力を持続させる区切りが「3の倍数」なのは、この自然な生体リズムに則った科学的な根拠があるのです。

■モチベーションを規定する「90日周期」の根拠
90分というのが短期的な集中力にとって重要な意味を持つのに対し、モチベーションにとってはより長期的な90日(3カ月)という周期が意味を持ちます。

それは、脳の報酬系を司る「ドーパミン」の持続性に関係しています。長期の目標達成に必要なドーパミンの分泌は、報酬が得られない状態が長く続くと滞りやすくなります。脳が目標に対する期待値を維持し、モチベーションを保てる限界の期間が約90日であるとされているのです。

もし3カ月以内に目標達成や大きな成果を得られた場合、脳はそれを「成功体験」として認識し、モチベーションは高まります。しかし、成果が得られない状態が3カ月以上続くと、「停滞感」として認識され、モチベーションは急速に低下し、スランプに陥りやすくなるのです。

また、行動心理学における「自己効力感」の維持にとっても90日という単位が関係します。心理学者のアルバート・バンデューラが提唱した自己効力感【「自分にはできる」という信念】を維持するためには、目標を細かく分割し、それをクリアしていく短期的な成功体験が最も効果的です。90日という期間は、この「成功の蓄積」を行い、自己効力感を定期的にリセット・充電するのに最も適したサイクルなのです。

多くの企業が1年を3カ月の四半期(クォーター)で区切って目標管理するのは、この3カ月という重要な境目を意識的に設け、「3カ月以内に小さな成功体験を得る」ことで、社員のモチベーションを継続的に高めるための、理にかなった仕組みなのです。

■ビジネスへの応用:年間を通してモチベーションをコントロールする技術
この「90分・3カ月周期」と「アドレナリン・リセット」のメカニズムをビジネスに応用することで、私たちは年間を通してモチベーションの波をコントロールし、高いパフォーマンスを維持することが可能になります。

モチベーションをリセットする「3カ月サイクル」を意図的に導入するようにしましょう。具体的には、長期目標(1年間)を立てた上で、それを4つのフェーズ(3カ月ごと)に分割します。

3カ月ごとに「小さな成功」の目標を設定し、それを達成することに注力します。この「小さな成功」が、サッカーのゴールと同じように、あなたの脳内にアドレナリンを放出し、次の3カ月へ向けてのモチベーションをリセットし、再充電してくれます。

もし3カ月で大きな成果が出そうになければ、「3カ月の間に、本を1冊読む」「新しい顧客を10社訪問する」といった、達成可能な行動目標を設定し、それをクリアすることで脳に「達成感」を与えましょう。

■最高のパフォーマンスは「意図的なリセット」から生まれる
仕事で活躍し続ける秘訣は、モチベーションを「我慢して維持するもの」と捉えるのではなく、「意図的にリセットし、再充電するもの」と捉え直すことです。

私たちの身体に深く根差した「90分・3カ月周期」を意識し、意図的に設定したリセットポイントにおいて小さな達成感を積み重ねることで、あなたの脳は常に新鮮なアドレナリンを放出し、疲労をリセットしながら、高いパフォーマンスを年間を通して維持できるようになります。

「疲れた」と感じた時こそ、この身体の周期の仕組みと「アドレナリン・リセット」を思い出し、意図的なリセットポイントを作り出してみてください。あなたは必ず、今日の自分よりもっと高い場所で活躍し続けられるはずです。


財津優 セールスコンサルタント


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■プロフィール 財津優 セールスコンサルタント
zaitsu
半導体商社で技術職として中国で工場の立ち上げなどを行ったのち、国内医療機器メーカーで営業職を経験。大手外資系医療機器メーカーにて1年目から売上金額と新規獲得顧客数でトップとなり「新人賞」と「優秀セールス賞」を獲得。ニューヨークや中国でも表彰され、自身の取り扱う製品で「世界No.1」の座を獲得する。現在はセールスコンサルタントとして、大手企業やメガバンクでの講演会やセミナーの開催、セールスコンサルティングを行う。

教育・社会貢献活動にも尽力し、家庭環境に恵まれない子どもたちへ食事付きの無料塾を提供する“NPO法人維新隊ユネスコクラブ”(ユネスコの連盟団体)の理事を務める。その他3社で営業責任者も務める。著書に『世界No.1営業マンが教えるやってはいけない51のこと』(明日香出版社)『リモート営業の極意 』(WAVE出版)

Instagram: https://www.instagram.com/zai.yu @zai.yu

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