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早いもので、気づけば年末。毎年、年始に「今年の目標」を立てている人は多いと思います。しかし、今年も同じ流れで目標を立てようとしているのなら、少し立ち止まった方がいいかもしれません。目標は立て方次第で、形式だけで実効性のないものとなるのか、実際に来年の自分を行動させるものとなるのかが変わってくるからです。

この記事では、外資系企業のセールスとして「世界No.1」にもなったことのある立場から、来年の目標を実効性のあるものにするための目標設定のコツをお伝えしたいと思います。

■今年立てた目標、覚えていますか?
ところで、これを読んでいるあなたは、今年立てた目標を覚えていますか? 「覚えている」という方は素晴らしいです。では、その目標は達成できましたか? 「目標は立てたけれど、いつの間にか忘れてしまった」「途中で挫折してしまった」という方も多いのではないでしょうか。

年が明けてから、「今年こそは」と意気込んで目標を立てる人は大勢います。そして、その多くが、翌年の今頃にはその目標を思い出せなくなっています。忘れてしまった目標、そもそも曖昧にしか覚えていない目標が、叶うわけがありません。

目標とは、あなたの未来の設計図です。設計図がなければ、どこに向かって進んでいるのかわからなくなり、結果として「現状維持」という名の後退を選んでしまいがちです。

■目標設定は「年明け」では遅い
多くの人は、新年が明けてから、あるいは正月休みの間にゆっくり目標を立てようと考えます。気持ちはわかりますが、それでは遅すぎます。

できるビジネスパーソンや、実際に結果を出している人たちは、12月中に翌年の目標をしっかりと立てています。

なぜなら、12月は今年一年の実績と反省を総括する時期であり、その熱量と具体的なデータが最もクリアに残っているからです。この時期に目標を立てることで、単なる「願望」ではなく、今年の結果に基づいた「達成可能な計画」へと昇華させることができます。

私自身、セールスとして結果を出し続けてきた中で、この「年内目標設定」は欠かせない習慣でした。良い結果を維持できたのも、目標設定の質の高さが大きく影響していたと確信しています。

では、どうすれば目標を達成するのに有効な立て方ができるのでしょうか。ここからは、目標を達成へと導くための、確かな行動習慣についてご紹介します。

■脳に深く刻み込む「書く」という行為の重要性
目標を立てる上で、最も重要なステップは「書く」ことです。それも、しっかりと紙に書くことをお勧めします。

私は、手書きの良さを多くのクライアントさんに推奨していますが、これは単なる精神論ではありません。目標を書くという行為は、手を動かすことです。この手の動きが、脳の記憶を司る領域を強く刺激します。特に、目標という抽象的な概念を、具体的な文字として紙の上にアウトプットするプロセスが、脳にとって非常に重要なインプットとなります。

このとき、特に有効なのが、鉛筆やシャーペンで書くことです。これは、インクの出るボールペンと比べて、鉛筆は紙との間に適度な摩擦があり、書く人の筆圧や手の感覚がダイレクトに伝わりやすいからです。

■「毎日書く」が目標達成を加速させる
目標達成の確率を飛躍的に高めたいなら、できれば毎日、目標を紙に書くのがベストです。毎日書く時間が取れないという方もいるかもしれませんが、もし可能であれば、少しの時間でも目標を書き出すことを習慣化してみてください。

毎日繰り返すことで、目標が一時的な記憶から強固な長期記憶へと移行し、無意識のうちにその目標達成に必要な情報や行動を探すようになります。

■見るだけより声に出す方が記憶に残る理由
毎日書くことが難しい場合でも、「毎日目標に触れる」ことは絶対に欠かせません。このとき、「目で見る」だけでなく、「声に出して読む」ことを加えてみてください。

目標を見るだけよりも、声に出して読む方が記憶に残るのは、複数の感覚を使うことが関係しています。目標を目で見て(視覚)、それを声に出して読み(聴覚)、さらに自分の口から言葉を発する(運動感覚)ことで、脳の複数の領域が同時に刺激されます。

私はセミナーの準備の際に、原稿を目で追うだけでなく、口に出して練習することで、情報がより深く記憶に定着し、本番でのパフォーマンスが向上することを実感しています。目標も同じで、五感を活用することで、脳へのインプットが格段に強くなるのです。

■目標を「リマインド」し続けるための具体的な行動3つ
では、多忙な中で目標を毎日インプットし、達成に導くための具体的な行動を3つご紹介します。

1.目標を「書いた紙」を常に目に触れる場所に貼る
毎日目標を書くのが難しい人は、一度しっかりと書いた紙を、手帳の裏表紙、デスクの前、または冷蔵庫など、必ず毎日目にする場所に貼ると良いでしょう。

「目に入れる」という行為は、脳が必要な情報を自動的に見つけ出す機能を刺激し、目標達成に必要な情報やチャンスを無意識にフィルタリングしやすくします。目標をいつも頭の片隅に置くことで、「これは目標達成に役立つかもしれない」という意識が芽生えるのです。

2.毎日、必ず声に出して目標を「音読」する
貼った紙でも、手帳でも、人がいない場所を見つけて、目標を声に出して読みましょう。目標を声に出すことで、単なる文字情報が「自分自身への宣言」に変わります。この自己宣言は、モチベーションを高めるだけでなく、脳の中で目標をより強固なものとして焼き付けます。

3.スマホのメモやリマインダーを活用し、デジタルで「毎日読む」習慣を作る
紙に貼るのが苦手な人、プライベートな目標を人に見られたくない人は、スマートフォンを積極的に活用しましょう。

スマホのメモ機能やリマインダーアプリに目標を書き込み、「毎日決まった時間に通知が来る」設定をしてください。毎日頭にインプットすることで、脳は目標を最優先事項として処理し始めます。目標が意識の表面に浮上する回数が増えるほど、潜在意識が働きやすくなり、結果として目標達成への行動が自然と促され、願いが叶いやすくなるのです。

■目標は「達成するもの」であり「叶えるもの」である
目標設定は、単なる年始の儀式ではありません。確かな根拠に基づいた、あなたの未来を具体的に描き、実現させるための最強のツールです。

「書く」「読む」「声に出す」というシンプルな行動が、あなたの脳を活性化させ、無意識のうちに目標達成のための行動へと導いてくれます。

年が明ける前に、鉛筆を握り、来年の目標を紙に書き出し、そして毎日リマインドする仕組みを作りましょう。

「目標を書き出す時間」は、未来の自分への最も確実な投資なのです。


財津優 セールスコンサルタント


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■プロフィール 財津優 セールスコンサルタント
zaitsu
半導体商社で技術職として中国で工場の立ち上げなどを行ったのち、国内医療機器メーカーで営業職を経験。大手外資系医療機器メーカーにて1年目から売上金額と新規獲得顧客数でトップとなり「新人賞」と「優秀セールス賞」を獲得。ニューヨークや中国でも表彰され、自身の取り扱う製品で「世界No.1」の座を獲得する。現在はセールスコンサルタントとして、大手企業やメガバンクでの講演会やセミナーの開催、セールスコンサルティングを行う。
教育・社会貢献活動にも尽力し、家庭環境に恵まれない子どもたちへ食事付きの無料塾を提供する“NPO法人維新隊ユネスコクラブ”(ユネスコの連盟団体)の理事を務める。その他3社で営業責任者も務める。著書に『世界No.1営業マンが教えるやってはいけない51のこと』(明日香出版社)『リモート営業の極意 』(WAVE出版)

Instagram: https://www.instagram.com/zai.yu @zai.yu

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