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商談に遅刻してきた相手を、どこまで許すべきか? これは意外と難しい問題です。相手から軽く見られている気もするし、かといってビジネス的なメリットがあるなら、多少の遅刻くらいは許さなければチャンスを逃すという意見もあるでしょう。グループ全体で年商50億円を稼ぎ出す経営者、内田博史氏のシンプルな基準とは?

著書『運とコネのつかみ方―あなたもお金持ちになれるキーワード「法則」「習慣」「成功体質」』(内田博史・産業能率大学出版部)から、再編集してお届けします。



■「約束の15分前」を習慣にする
(1)遅刻は印象最悪な行為
約束の15分前に現地に到着する。これは、改めて言うまでもなく、ビジネスでは基本中の基本です。待ち合わせなら、早めに着いて相手を待つくらいがちょうどいい。ただ、会社を訪問する場合は、さすがに少し早すぎるので、すぐに受付に行かず、ロビーで待機。ミーティングルームに行くまでの手続きや時間を考慮して、適度な時間に受付をすませるのがマナーかもしれません。

ロビーで待機する時間が無駄だ、と思う人もいるかもしれません。けれど、何事にも余裕は大事です。もし、ギリギリに到着するようスケジュールを組んでいたとしたら、急なトラブルに対応できません。たとえば、電車がほんのわずか遅れただけで、乗り換えに間に合わなくなることもあります。車移動なら、道路が渋滞する可能性もあるでしょう。そうなれば、遅刻は確実です。

遅刻というのは、ビジネスの場に限らず、プライベートでも印象最悪な行為です。なぜなら、遅刻された側は、軽く見られていると感じてしまうからです。

社運を左右するような商談があったとして、その時、遅刻をするような失態を犯しますか? 全力でそんな事態は避けるはずです。そう考えれば、遅刻をするのは、たとえそれが不可抗力であっても、優先順位が低いからだと受け取られても仕方ありません。そして、軽んじられて不快にならない人はいません。

私の場合、商談の場に10分遅刻してきたら、その場で切ります。相手がクライアント側だったとしても関係ありません。「時間にルーズな人と取引はできません」とはっきり言います。自分を軽んじる相手を尊敬できませんし、尊敬できない相手とビジネスはできません。それが、私のモットーです。

こんな事がありました。

ある医療法人との取引で、契約することができれば、我が社にとってとんでもない規模の取引になる案件がありました。会社全体の売上も相当な割合で増えるくらいの規模です。

しかし、この取引で私はとても気に入らないことがありました。こちらは会社のトップである私が商談に出ているのに、相手はトップではなく担当者が出てくるということです。

私は基本的にこういった商談は受けないようにしています。相手がどのような企業であったとしても、こちらはトップが出ていくのに相手がひどく格下の担当者・・・。こちらを見下しているのかな?と私は考えるからです。

この取引には仲介してくれた人がいて、その人が最初だけでも我慢してくれないかと言うので、今回は仕方なく応じました。

そして商談当日。取引相手はアポイントに10分遅れたあげく、次の予定があるので予定変更してくれませんか?と言ってきたのです。

私は非常に腹が立って、「もうあなたとは取引しない!帰ってくれ」と言いました。

あなたはこの話を聞いて、もったいないと思いますか? それは違います。これで仕事を受けたらどうなるかを考えると、最終的に非常に見下されたまま、便利な下請けのような対応をとられ、都合よく使われるだけです。リスペクトすることができない相手とは取引してはいけないのです。

私が絶対と考えているルールは次のようなものです。

・自分は絶対に遅刻はしない。できれば15分前には待機する
・相手の遅刻は10分まで許容し、それ以上は打ち切り

これはぜひ参考にしてもらいたいです。取引が決まれば大きい売上が立つから我慢するとか、損して得取れということは絶対にダメです。

(2)金持ちの時間の使い方
遅刻が印象悪いのは、軽んじられたと感じるからで、「忙しい時間を割いたのに」と怒っているからではありません。

よく勘違いされるのが、こんなに儲けているのだから忙しいだろう、ということ。実は、金持ちって暇なんです。あくまでも身体は、ということですが。

金儲けの上手い金持ちは、自分で手を動かすなんてことはしません。実作業は部下に任せ、自分は頭をフル回転させてあらゆる状況を想定し、常に最適な答えが導き出せるように思考を巡らせます。だから、頭の中はいつも目まぐるしく動いていますが、身体は空いているという状態です。

逆に、金儲けが下手な人は、時間を切り売りしている人。いつも時間に追われ、大きな金を掴むことができません。「貧乏暇なし」とはよく言ったもので、真実をズバリと言い当てています。時間の切り売りをしているうちは、いつまで経っても金持ちにはなれないでしょう。

だから、「忙しそうですね」と言われると、私はあまりいい気持ちがしません。それは言い換えれば、社長自ら動かないと成り立たない会社だと言われていることと同義。組織編成が上手くいっていない、部下が育っていないといった会社の弱点を晒されたようなものなのです。

自分がいなくても十分に仕事が回せるような組織作りができれば、完璧。いかにも暇そうな私を見て、「いつも遊んでばっかりいるのに、どうしてそんなに儲けてるの?」と周囲から言われるのが理想です。

■お土産の選び方、渡し方
(1)相手が喜ぶものを選ぶ
得意先にお土産を持っていくなら、気の利いたものを選びたいもの。たとえば、今話題になっている物や、高級品に希少品など。何を選ぶかでセンスを問われます。

私の場合、そういうことが得意な妻任せ。予算と相手の好みを伝えれば、最適なものを選んでくれます。そこには、全幅の信頼を寄せています。

ポイントは、「相手の好みを取り入れる」こと。どんなに話題の品でも、相手の好みにそぐわなければ、効果半減……どころか、逆効果になる危険性もあります。

相手に喜んでもらうためには、まず、相手の好みを知らなければ話になりません。だから、事前リサーチがとても重要。では、そうした情報を手に入れるにはどうするのかといえば、側近から仕入れるのが正解です。

前の項でも話したように、側近と仲良くなることが、大物と繋がる最短コース。相手の好みを熟知した、センスのいいお土産を嫌がる人はいません。

(2)つまらない物ならいらない
手土産を渡す時、「つまらないものですが」とか、「ほんの気持ちです」とか、「ご笑納ください」などの言い方をしていませんか?

実際、こう言うようにと教えているマナー講師の方も多いようです。それが、常識で、当たり前なのだと。

私はこうした言い方を一切しません。当たり前というのは、目立たないということ。たくさんの人に会い、多くの貢物をもらうであろう大物を相手に、当たり前のことをしていても意味がないのです。

自分を印象づけたいなら、インパクトを残すことが一番の近道。であれば、マナー通りの常識的な渡し方は、むしろNGと言えます。どれだけ記憶に残れるか、が勝負。そこで、私はこんな渡し方を実践しています。

やることは単純。いかに素晴らしいものを持ってきたかをしっかり語ることです。

「朝イチで並ばないと手に入らないと評判だったので、早起きして行ってきました」
「創業が江戸時代で、歴史ある老舗の逸品です」
「これは宮内庁御用達です。これを食べたらもう、他のお店のものは食べられませんよ」

など、持参した手土産の値打ちを、きちんと伝えるようにしています。決して「つまらないもの」なんて言いません。

逆に、自分がそう言われたらどうでしょう? 私なら「つまらないものならいらないよ」と言います。「だったら現金持ってきてよ」とまで言うかもしれません。それよりも「どうしたら喜んでもらえるか、いろいろ考えて持ってきました」と、素直に言ってくれるほうが好感度が高いのです。

(3)伝えなくては伝わらない
私の場合、もらう側の立場になることも多々あるので、じゃあ、自分ならどんな物をもらったらうれしいか、どのように渡されたら気持ちがいいか、を考えます。

高級品や限定品でも、相手が興味のないものなら意味がないし、へりくだったありきたりの渡し方ではインパクトに欠けます。奇をてらう必要はありませんが、その他大勢に埋もれたくはありません。

だからこそ、自分の言葉で素直に伝えることが大切。あなたのために選びましたと、真摯に思いを込めて伝えれば、その心は必ず、相手に届くはずです。

今日からもう、つまらない手土産は返上して、相手を笑顔にするものを選び、見どころのあるヤツだと思わせる渡し方を実践していきましょう。


内田博史 経営者


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■プロフィール 内田博史 経営者
1972年生まれ。貧しい家庭に生まれ、中学時代から新聞配達など複数のアルバイトを掛け持ちする生活を送る。ゲームソフトの転売で月に20万円を稼ぐ。15歳で独立し、独学で経営を学び起業。
現在は株式会社MPワークスをはじめとする5社を経営し、YouTubeマーケティング、コンサルティング、人材育成など多岐にわたる事業を手がける。グループ全体の年商は50億円を超える。
「内田歴史・経済研究会」主宰。YouTube「内田博史の【金持ちの習慣】」は登録者13万人。

YouTube https://www.youtube.com/channel/UCYo5jkYvVZY7wGItoRELILg
公式ブログ https://www.cmb-fund.jp/



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