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起業でも投資でも、最後に生き残る人が守っているのは“当てる力”よりも“死なない設計”。リターンを追う前に「どこまでなら失っても挑戦を続けられるか」を数字で決めておくことが重要だと、グループ全体で年商50億円を稼ぎ出す経営者、内田博史氏は言います。成功する人は投資をするとき、どんなことを考えているのでしょうか?

著書『運とコネのつかみ方―あなたもお金持ちになれるキーワード「法則」「習慣」「成功体質」』(内田博史・産業能率大学出版部)から、再編集してお届けします。



■絶対に資金ショートしない資金配分を考える
(1)リスク計算はシビアに
ビジネスにリスクがあるのは当たり前。だからこそ、どの程度のリスクなら自分の許容範囲か。その基準をしっかりと自分の中に持っておくことが大切です。

私は、自分が熟知している業界のビジネスで、100%信頼できる人から話が来た場合、流動性純資産の30%までと決めています。

流動性純資産というのは、家などの不動産や固定資産を除いた資金で、1年以内に現金に替えられるお金のこと。

平たく言えば、自由に使えるお金。万が一それをなくしても他に影響を及ぼさない余裕金です。

これの3割までなら、たとえ失敗してもいいと考えます。あくまでも自分がよく知る業界で、自分が信頼している人からの話ならば、という条件つきですが。

100%信頼できる相手が持ってきた話でも、自分がその業界に詳しくない場合、出せる資金は流動性純資産の10%まで。そして、資金投入を決めたら、すぐにその業界について学び始めます。

知らないからといって人任せにせず、勉強していく中でリスクが大きいと判断すれば、手を引くこともあり得ます。

では、熟知している業界のビジネスで、話を持ってきたのがそこそこ信頼できる人物だったらどうするか。この場合は、流動性純資産の5%がMAX。もしも詳しくない業界であれば、1%が限界でしょう。

リスクを追うのであれば、その相手は信頼できる人かどうかというのが大前提。業界についての知識は後からでも身につけることはできますが、信頼は一朝一夕に築けるものではありません。だからこそ、それを基準に置いているのです。

(2)すべてをかけるのは絶対NG
よくニュースなどで、老後の資金を全部つぎ込んだら詐欺だった、という話があります。これ、本当にNGです。

上手い儲け話に騙される時というのは、不安や心配を抱えている時です。特にお金の面で。

そんな時は「上手くいったらいいな」「助かるな」「楽になるな」と、つい成功したことを夢見てしまうものです。私もかつて、貧乏だった時代はそうでした。

そうして儲け話に踊らされ、とんでもないリスクを取ってしまう。それこそ、全財産をつぎ込むような危険を冒してしまうわけです。

100%確実に成功するビジネスなんてありません。上手い話を聞いた時ほど、夢を見るのではなく、現実を見ましょう。成功を前提にした未来ではなく、失敗した場合のリスクを考えれば、自ずと答えは見えてきます。

人生は何度でも挑戦し続けることができます。しかし、挑戦するためにはある程度の資金が必要になります。そのため資金管理は非常に大事になります。この挑戦が失敗したらもう後がないというのは絶対にダメなのです。

ここで資金について一つ重要な話をします。

この挑戦するための資金について、ほとんどの人がまずは自分のお金だけでやろうとします。しかし、それではできる範囲が限定されてしまい、スケールが小さく失敗する確率の高いものになりがちです。挑戦するのに「自分のお金だけで挑戦しないといけいない」という規則はありません。

イーロン・マスク氏を見てください。自分で貯めたお金だけでスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(通称:スペースX)を立ち上げたでしょうか? 自分のお金だけでツイッター(現:X(エックス))を買収したでしょうか? ソフトバンクの孫正義氏を見てください。自分のお金だけでArmホールディングスを買収したでしょうか?

もちろん、そのようなことはありません。

こういった考え方はスケールダウンしても同じです。あなたが飲食店を始める。美容室を始める。そんなときに、この挑戦に出資してくれる投資家を探したっていいんです。

まずは、こういった観点もあるのだということを意識しながら資金配分は厳密に行うようにしてください。

(3)捕らぬ狸の皮算用はしない
これが失敗したらすべてを失う。そんなリスクと引き換えにリターンを得ようとするのは、ギャンブラーのすることです。ビジネスで成功しようと思うなら、リスクを冷静に見極め、リターンとのバランスを慎重に図り、損をしない投資をすること。それだけです。

見極める目に自信がないと言うなら、自分が100%信頼できる相手以外からの話は受け付けない。自分が熟知していない業界には手を出さない。そして、提供する資金は、余裕金の中から多くても3割程度の範囲にする。

これを守れば、背負いきれないリスクをかぶることはあり得ません。そうして着実に資金を増やしていけばいいのです。

■常にバックアッププランを用意し、相手任せにしない
(1)お金は出すが口は出さない、は絶対ダメ
プロ野球では「お金は出すけれど口は出さない」オーナーが最高だなどとよく言われます。けれど、ビジネスでこの姿勢はご法度。「お金は出すから配当だけ持ってこい」で失敗した事業は数知れません。

失敗したら命が危ないと思わせるような秘密の実行部隊や自前の軍隊を持っている人なら話は別ですが、管理もしない、興味も持たない相手に、一生懸命になって仕事をしてくれる奇特な人はいません。適当にいい加減に仕事をやられるか、裏切られるか。何にしても成功するビジョンは見えません。

ビジネスをするなら、決して他人任せにはしないこと。当たり前ですが、これは必須です。

任せる相手がどんなに信頼に足る人物でも、その人が失敗する可能性、裏切る可能性はゼロではないのです。ここにもリスクはあります。

だから、自分事として考え、直接手を下さないまでも、管理は必須。そして、失敗した時のことを想定し、バックアッププランを用意しておくことも重要です。

私の体験談になりますが、これまでお金を出すから配当だけ持ってきなさいといって、うまく行ったことは一つもありません。だから絶対にこの方法は取らないとよいでしょう。逆に、世の中の詐欺話は多くがこのパターンと言っていいくらいです。

私の場合、まずは資金管理を徹底しているので失敗しても痛くないお金しか出さないと決めています。この「お金を失ったら終わってしまう」というような金額は絶対に出しません。

つまりこの投資がうまく行かなくても、「話が違うじゃないか!嘘つかないでくれ」くらいで終わってしまうくらいな感じです。

これまでに成功したといえる事業は、そのほとんどが私がしっかりかかわった事業です。自分の担当するところが決まっていて、仲間と協力した事業はたいてい成功しています。

まずは、あなたも絶対に「毎月に配当だけ持ってくるように!」というような出資はしないでください。おそらくそのほとんどが失敗します。これは私が今までに何億円と失って身に染みた経験談なので間違いのない話です。

(2)成功するまでバックアップする
ビジネスが100%上手くいくことがないなら、失敗に備えてバックアッププランを考えておくことは必要不可欠。実際、私も失敗を見据えて二の矢、三の矢を準備するようになってから、ビジネスで大きな失敗をすることがなくなりました。

たとえば、インスタグラムでビジネスをしようとする場合、まず、集客を増やすことが先決。それに対する最初のプランを立て、それが上手くいかなければ次のプランを考えます。

集客がある程度上手くいくと、今度はセールス部分が弱いという欠点が見つかる。ならば今度は、セールスのトークマニュアルを見直してみるとか、営業の教育体制を改めるとか、次のバックアッププランを動かしていく。

1つが上手くいき始めると、次の欠点が見つかる。それを改善するとまた次と、バックアッププランを実行するごとにビジネスはよりよい形へと変化していきます。

では、バックアッププランはどのくらい用意しておけばよいのか。そう聞かれることがあります。それに対する私の答えは「成功するまで」です。

ある意味、ビジネスに失敗はありません。失敗してもバックアッププランを試み、成功するまでずっと改善し続ける限り、失敗は失敗ではないのです。つまずいたところで終わってしまうから、ビジネスが「失敗した」となるわけで、続けている限り、成功に向かっているビジネスとも言えるのです。

(3)私が実践している方法
外注を使う時、1社に任せきりにするのではなく、数社に分散することがよくあります。広告代理店などと付き合う時は、よくこの方法を使います。

広告の反応が芳しくない時、代理店は「もっと予算をかけましょう」という提案をしてきます。けれど、同じ予算でもB代理店はちゃんと結果を出しているという事実があれば、代理店の言いなりになることはありません。

むしろ、上手くいっていないところに対しては予算を削り、上手くいっているほうへその予算を回します。こうして互いに競わせることで、よりよいもの、よい結果が出てきます。また、上手くいっている事例を共有することで、さらによい循環を生むこともできます。

成功しても、それがずっと続くとは限りません。広告で言えば、流行は移り変わっていくものだし、マンネリには変化も求められます。だからこそ、常に変更や修正を繰り返し、ひとつの成功体験にとらわれることなく、アップデートしていくことが、成功し続ける秘訣なのです。


内田博史 経営者


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■プロフィール 内田博史 経営者
1972年生まれ。貧しい家庭に生まれ、中学時代から新聞配達など複数のアルバイトを掛け持ちする生活を送る。ゲームソフトの転売で月に20万円を稼ぐ。15歳で独立し、独学で経営を学び起業。
現在は株式会社MPワークスをはじめとする5社を経営し、YouTubeマーケティング、コンサルティング、人材育成など多岐にわたる事業を手がける。グループ全体の年商は50億円を超える。
「内田歴史・経済研究会」主宰。YouTube「内田博史の【金持ちの習慣】」は登録者13万人。

YouTube https://www.youtube.com/channel/UCYo5jkYvVZY7wGItoRELILg
公式ブログ https://www.cmb-fund.jp/



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