![]() 近年、資産運用への関心が高まる一方で、投資詐欺はかつてない勢いで横行し、特にSNSを悪用した手口が巧妙化しています。警察庁によると、令和6年におけるSNS型投資詐欺の被害額は871.1億円と前年比の約3倍に増加し、令和7年も9月末までで前年比69%増の773億円と衰えを知りません。認知件数・被害額は7月以降急増し、8月には過去最多を記録しています(参考:令和7年9月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値) 警察庁)。 この巨額な被害を生み出している舞台がSNSです。犯行グループは、著名な投資家や金融関係者になりすまし、Instagram、LINE、FacebookといったSNS上でダイレクトメッセージや偽広告を用いて接触してきます。 特に、YouTubeに掲載されたバナー等広告からの被害が最多であり、その約9割が株投資名目であることも判明しています。 詐欺師は親しい個人であるかのように装い、関係を深めた上で「必ず儲かる」「あなただけに教える」と誘惑し、偽の投資サイトやアプリに誘導します。そして、このような違法なステマサイトから誘導された無登録業者を信じ、株の損失と巨額なアドバイス料を請求される事案が後を絶たないのです。 投資家自身が財産を傷つけないよう守っていくためには、情報リテラシーを身につけ、信頼性を見極めることが最重要となります。なぜこれほどまでに詐欺被害が後を絶たないのか、その構造的な必然性を理解し、それに対抗するための「絶対不可欠な3つの基準」を、投資顧問助言業の立場からお伝えします。 ■なぜ詐欺が起こるのか 投資詐欺が蔓延する背景には、情報提供ビジネスにおける構造的な脆弱性が存在します。 ・構造的な原因(1):誰でも作れる「価値のない情報」の氾濫 特定の銘柄を推奨する情報作成の容易さが、違法サイトや悪質な商売を生む土壌となっています。無料の銘柄情報でユーザーを誘導し、会員登録をさせて高額な商品を売りつける手法が横行しているのです。このような情報は、インターネット上にいくらでも転がっており、資産を減少させるような情報が多く紛れ込んでいます。 ・構造的な原因(2):評判が操作される「ステルスマーケティング」の闇 金融庁に登録している投資顧問をインターネット上で検索すると、多数の『投資顧問ランキング』や『投資顧問口コミサイト』が表示されますが、これらには数多くのステマサイトが存在します。 ステマサイトは、消費者に気づかれないように商品を宣伝したり、虚偽の情報や他社の評判を操作して不安にさせたりすることで、特定のサイトや商品に誘導し利益を上げています。実際に、財務省から違法行為を指摘され摘発された事例もあり、複数のウェブサイトで、あたかも第三者が投稿したかのように業者の実績を掲載させていたことが明らかになっています。 一番信用してはいけないのは、このような違法ステマサイトから誘導されたサイトや企業です。これらのサイトは、高額な料金を取るだけでなく、推奨された株の売買で失敗し、大きな損を出し、二重三重に苦しむ結果となる危険性があります。 ■詐欺を見極めるための3つの防衛策 上記のような構造的な問題に直面する中で、情報を鵜呑みにせず、信頼できる情報を見極めることが資産形成の成功を左右します。本当に価値のある情報提供者は、透明性とサポートを提供しています。 *基準1:法的な基盤の確認――金融庁登録と協会加入の有無 投資詐欺や無登録業者による被害を防ぐための最も基本的な防御策は、業者が法的な基盤を持っているかを確認することです。 (1)金融庁登録番号の確認: 金融商品を取り扱う業者は、法律に基づき各財務局に登録し、「○○財務局長(金商)第××××号」のような登録番号を取得することが義務付けられています。この番号がウェブサイトに明記されているかを確認し、各財務局で実在するかを検索することが不可欠です。 (2)協会への加入: 「一般社団法人 日本投資顧問業協会」など、金融商品取引法に基づき認定された協会に加入している企業は、自主規制を含めた規制を受けているため、信頼性が高まります。 (3)契約締結前書面の有無: 料金体系やサービス内容を確認できる「契約締結前交付書面」は、金融商品取引法に基づき交付が原則義務付けられています。 なお、無登録業者は金融庁によってリストが公開されており、そちらで確認することができます。 *基準2:情報の価値と透明性――助言履歴の公開 お金を払うべき価値のある情報とは、銘柄購入後の株価の変動に対するアドバイスがあるかどうかです。 その信頼性の証拠となるのが、「助言履歴の透明性」です。過去の売買推奨において、いつ、何を、いくらで推奨し、最終的にいくらで売ることを推奨したか(売り推奨レポート)といった、一連の資産形成の助言プロセスが公開されていることが不可欠です。 無料の銘柄情報や、情報を見た人々の買いだけで一時的に株価が上がったとアピールする企業、仕手株・品薄株の買い推奨をする企業は警戒が必要です。このような情報に頼ると、一時的に株価が上がってもすぐに暴落に転じることが多く、高値掴みをして含み損を抱える構図が非常によく見られます。 *基準3:資産形成に不可欠なサポート――買いで終わらせない運用戦略 株式投資における資産形成は、「買い推奨→保有持続→売り推奨→現金化→買い推奨」へと線でつながっていく連続したプロセスです。買い推奨だけが連続した場合、含み損の銘柄が増え、資金不足になり、行き詰まることは目に見えています。 投資顧問など価値ある情報とは、株式購入後のサポートや具体的なアドバイスであり、顧客の資産形成ができるかどうかを決めるのは銘柄の購入後です。値動きに応じて多様な対処が必要になるため、サポートの必要性があるのです。 価値ある銘柄購入後のサポートの具体例には、以下のようなものがあります。 ・利益確定: 目標達成時に売り推奨を行い、利益を確定させる。 ・ロスカット: 買ってすぐに株価が下落した場合に、早めの損切りを推奨する。 ・銘柄入れ換え: 含み損を抱えた銘柄や動きが停滞した銘柄を、他の銘柄に入れ替える助言を行う。 ・保有持続: 大きな値幅取りのために、小幅な上昇で売らずに保有を持続する選択を助言する。 このような売買サポートは、資産を増やすための強力な味方になります。 ■投資リテラシーを“学びながら守る”時代へ 2023年10月からはステルスマーケティングに対する規制が始まりましたが、詐欺の手口はダイレクトメッセージやバナー広告を問わず常に進化しています。 投資家自身が、価値のない情報の氾濫とステルスマーケティングによる口コミ情報の操作を理解し、正しい情報の選び方を実践することは、自らの財産を傷つけないように守っていくために最も重要です。 信頼できる投資顧問を見つけることは、資産を増やすための、強力な味方を見つけることと同義です。 藤村哲也 ライジングブル投資顧問株式会社 代表取締役 【関連記事】 ■日経平均史上最高値の熱狂の裏で、専門家が明かす“年率30%”を狙う銘柄入れ換え株式投資法 (藤村哲也 投資助言代理業) https://sharescafe.net/62808733-20251126.html ■年商50億を稼ぐ経営者がビジネスパートナーに遊び仲間を選ぶ深い理由 (内田博史 経営者) https://sharescafe.net/62879991-20251224.html ■3次会でも「仕事のうち」? 初の労災認定から考える、飲み会セクハラと会社の責任 (李怜香 社会保険労務士) https://sharescafe.net/62880815-20251224.html ■110万円の家賃を払う板野友美さんとヤクルト高橋奎二さんの判断が正しい理由。(中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/62674731-20250930.html ■世帯年収1560万円の共働き夫婦は、9540万円の湾岸タワーマンションを買えるのか? その1・生活費は800万? (中嶋よしふみ ファイナンシャルプランナー) https://sharescafe.net/61186482-20240125.html ■プロフィール 藤村哲也 ライジングブル投資顧問株式会社 代表取締役 ![]() 2003年にライジングブル投資顧問株式会社を設立し、代表取締役に就任。「投資を一部の富裕層の特権から、誰もが続けられる生活習慣へ」を理念に、投資助言と教育を融合した“伴走型”のビジネスモデルを追求している。創業21年を迎えた現在も、金融庁登録の投資助言・代理業として行政処分ゼロを継続。700件超の売買助言ログを公開し、“信頼を見せる投資顧問”として、投資家に寄り添った長期的な資産形成を支援している。 公式サイト https://www.risingbull.co.jp/ 公式ブログ https://www.risingbull.co.jp/stock/ X:https://x.com/risingbullcorp @risingbullcorp LINE公式アカウント:https://liff.line.me/1657519081-PwxaxnR5/76be088ff4bc4e3eb870c7a4d5d2295f シェアーズカフェ・オンラインからのお知らせ ■シェアーズカフェ・オンラインは2014年から国内最大のポータルサイト・Yahoo!ニュースに掲載記事を配信しています ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家の書き手を募集しています。 ■シェアーズカフェ・オンラインは士業・専門家向けに執筆指導を行っています。 ■シェアーズカフェ・オンラインを運営するシェアーズカフェは住宅・保険・投資・家計管理・年金など、個人向けの相談・レッスンを提供しています。編集長で「保険を売らないFP」の中嶋が対応します。 |


